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第80期順位戦B級1組9回戦

12月2日に順位戦B級1組9回戦の一斉対局がありました。注目の藤井聡太竜王(王位・叡王・棋聖)は近藤七段と対局し、中盤までリードを奪われる苦しい展開になりましたが、一瞬の隙を突いて逆転すると最後は鮮やかな即詰みに討ち取っています。

その他の対局結果は以下の通りです(左が勝者)。
 三浦弘行九段 - 千田翔太七段
 久保利明九段 - 木村一基九段
 郷田真隆九段 - 阿久津主税八段
 屋敷伸之九段 - 佐々木勇気七段
 松尾歩八段 - 横山泰明七段

全勝で単独トップを走っていた佐々木七段は、屋敷九段に敗れて7勝1敗となりました。屋敷九段が雁木模様の駒組みを進めるのに対して佐々木七段が積極的に攻め掛かり優勢かと思われましたが、終盤のねじり合いで抜け出した屋敷九段が寄せ切りました。3番手に付けていた千田七段も、三浦九段に敗れて6勝3敗となりました。角換わり腰掛け銀から先手の千田七段が仕掛けましたが、徐々にリードを拡げた三浦九段が押し切っています。鬼のすみかと言われるB級1組で、昇級を狙う若手2人にベテランが牙をむいた格好です。この結果、藤井竜王が8勝1敗で単独トップに立ち、佐々木七段が追う形となりました。千田七段は負け数で稲葉八段、三浦九段と並び、順位の関係でかなり苦しくなってきました。次の10回戦は藤井竜王が抜け番で、佐々木七段vs千田七段、稲葉八段vs三浦九段の対局が組まれており、昇級争いの生き残りを賭けた注目の対局となります。

一方、3人が降級する残留争いも熾烈になっています。木村九段、近藤七段、松尾八段、阿久津八段が2勝6敗で並びました。3勝5敗の久保九段も気を抜けない状況が続いています。特に今期は昇級も期待されていた、若い近藤七段の不振が目を引きます。王将リーグなど他の棋戦では活躍を見せており、残り4局での巻き返しに期待したいと思います。


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