見出し画像

第81期順位戦C級2組7回戦

12月8日、15日に順位戦C級2組7回戦の対局が行われました(一部対局は延期)。

この中で私が注目していたのは、ゴキゲン中飛車の元祖近藤正和七段と、ここまで6勝0敗と好調の古賀悠聖四段の対局です。先手の近藤七段が中飛車に振り穴熊を目指すと、古賀四段は左高美濃に囲います。近藤七段が三間飛車に振り直すと、古賀四段は5筋の歩を突き捨ててから飛車を5筋に回します。中央での小競り合いとなり、古賀四段が角取りに桂を跳ねると、近藤七段は角を交換して後手玉を睨むラインに打ち直します。古賀四段は飛車で銀を食いちぎり、飛桂両取りに△6七角と打ち、桂を取って馬を作ります。古賀四段が角取りに馬を引くと、近藤七段は角を見捨てて飛車を後手陣に打ち込み攻め合います。古賀四段が丁寧に受け、竜飛両取りに△5五角と打つと、近藤七段は早めの投了を告げました。

他の主な注目対局の結果は以下の通りです(左が勝者)。
 服部慎一郎五段 - 矢倉規広七段
 遠山雄亮六段 - 黒沢怜生六段
 本田奎五段 - 長岡裕也六段
 梶浦宏孝七段 - 牧野光則六段
 佐々木大地七段 - 小林裕士七段
 池永天志五段 - 星野良生五段
 八代弥七段 - 髙野智史六段

私が注目している中では、服部五段と古賀四段が7連勝となり、斎藤(明)五段とトップを並走しています。池永五段や棋士編入試験で試験官を務めた徳田四段ら4人が6勝1敗で追っています。2敗勢の梶浦七段、佐々木(大)七段は、昇級に向け1敗もできない戦いが続きます。
一方、12人に付与される降級点(*)争いは、大ベテランの南芳一九段や青野照市九段、将棋中継でお馴染みの佐藤紳哉七段や藤森哲也五段、プロ入り1年目の横山友紀四段らが圏内に入っています。
C級2組は残り3局となり、昇級・降級点回避に向け、力を出し切って欲しいと思います。

(*)降級点
B級2組以下のクラスでは、成績が悪くても1期で降級することはなく、成績下位の一定人数に「降級点」がつけられる。降級点はB級2組とC級1組では2つ累積、C級2組では3つ累積すると降級する。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?