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第82期順位戦A級7回戦

順位戦A級は1月19日までに全員が7回戦を終えていますので、状況を確認しておきたいと思います。

私が注目していたのは、ともに挑戦権獲得の可能性を残す渡辺明九段と菅井竜也八段の対局です。後手の菅井八段が9筋の位を取り四間飛車に振ると、渡辺九段は穴熊に囲います。菅井八段は美濃囲いに構えて角を交換し、6筋の歩を突き捨てて△6七角と打ち込んで馬を作ります。渡辺九段は飛先の歩を交換し、菅井八段が飛車を引いて桂に紐を付けると、飛車取りに▲8五角と打ち銀を捕獲します。菅井八段は△1九馬と香を取り、渡辺九段が▲4二歩と垂らして"と金"を作ると、飛車を諦めて馬で銀と角を取ります。渡辺九段は飛車を6筋に回して攻め掛かり、菅井八段が馬を自陣に引き付けて粘ると、▲6八飛打と飛車の二段ロケットを設置して寄せ切りました。

他の対局結果は以下の通りです(左が勝者)。
 広瀬章人九段 - 豊島将之九段
 稲葉陽八段 - 永瀬拓矢九段
 佐藤天彦九段 - 佐々木勇気八段
 中村太地八段 - 斎藤慎太郎八段

豊島九段は敗れたものの6勝1敗と単独トップを維持し、菅井八段が5勝2敗で追っています。渡辺(明)九段と永瀬九段は4勝3敗となり、挑戦権獲得の可能性をわずかに残す状況になっています。
一方2人が陥落する残留争いは、2勝5敗の広瀬八段と斎藤(慎)八段が圏内に沈んでいます。3勝4敗で並ぶ4人がいずれも順位が低いため、まだ2人にも残留の可能性が残っています。
1月31日に行われる8回戦一斉対局では、豊島九段は斎藤(慎)八段と、菅井八段は佐藤(天)九段との対局が組まれており、注目したいと思います。


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