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第83期順位戦B級1組の展望

第83期順位戦の対戦表が発表されています。
順位戦のB級1組は、13人が総当たりで全12局を戦う、順位戦の中でも最も対局数の多いリーグ戦です。A級から陥落して復帰を目指す実力者や、B級2組から昇級して更に上を目指す伸び盛りの若手らが鎬を削り、上位2人の昇級と下位3人の降級を巡る熾烈な戦いは「鬼のすみか」とも形容されています。前期は9勝3敗の2人が昇級し、3勝9敗以下の2人と5勝7敗の中で順位が低い1人が降級しています。

日本将棋連盟HPより引用

今期の注目棋士をリストアップしておきたいと思います。

広瀬章人九段
2005年プロ入りの37歳。
第73期以来10期連続でA級に在籍していましたが、前期は残念ながら陥落となりました。竜王戦では1組4位での決勝トーナメント進出を決め、王座戦もベスト8まで勝ち上がっており、順位戦は1期でのA級返り咲きを目指します。

斎藤慎太郎八段
2012年プロ入りの31歳。
名人挑戦2期を含む4期連続でA級に在籍していましたが、前期は残念ながら陥落となりました。竜王戦では1組5位での決勝トーナメント進出を決め、王位戦は惜しくも挑決で敗退しましたが、順位戦は1期でのA級返り咲きを目指します。

近藤誠也七段
2015年プロ入りの26歳。
順位戦に参戦して4期でB級1組に駆け上がった精鋭で、5期目となる今期こそB級1組の壁を乗り越えたいところです。2期続けて前半に星を崩して昇級争いに加われていませんが、前半をうまく乗り切れればA級が見えてきそうです。

羽生善治九段
1985年プロ入りの52歳。
会長職の激務の中、各棋戦で挑戦権争いに絡む活躍が続いています。まだまだA級で戦い名人戦の舞台に戻ってきて欲しいと願う、多くの将棋ファンの期待を背負っています。

大橋貴洸七段
2016年プロ入りの30歳。
藤井竜王名人とプロ入り同期で、対藤井戦4連勝中(2敗)の藤井キラーとしても知られています。B級1組初参戦となった前期は、最終局まで昇級の可能性を残しましたが、惜しくも逃しています。

髙見泰地七段
2011年プロ入りの29歳。
C級2組在籍時に叡王を獲得し、順位戦は苦労しながらもようやくB級1組まで上がってきました。根強いファンも多く、1期抜けでのA級昇級に期待が掛かります。

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