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ABEMA師弟トーナメント2022 予選Aリーグ1回戦第2試合

12月3日、ABEMA師弟トーナメント2022 予選Aリーグ1回戦第2試合が行われました。チーム谷川「昇竜」とチーム豊川「マッスルマンモス」の顔合わせとなっています。

一局目:都成竜馬七段 vs 渡辺和史五段

両チームとも弟子が先陣を切ります。後手の都成七段が3筋の歩を伸ばして三間飛車に振り美濃囲いに構えると、渡辺五段は慎重に時間を使いながらバランス型の陣形を敷きます。お互いに手待ちが続きましたが、渡辺五段が5筋の歩をぶつけ、1筋の歩を突き捨てます。都成七段が2筋の歩をぶつけると、渡辺五段は残り3秒まで考えて5筋の歩を成り捨てます。都成七段は2筋の歩を取り込んで飛車を追ってから"と金"を取りますが、渡辺五段は歩で1筋の香を吊り上げて▲5六角と飛車取りに打ちます。都成七段は飛車を2筋にかわし、渡辺五段が香を取って馬を作ると、飛先の歩を伸ばして飛車を取り合います。渡辺五段が先に飛車を打ち込むと、都成七段は底歩で飛車の利きを止めます。渡辺五段は自陣の"と金"を取りながら竜を作りますが、都成七段は9筋を攻めて歩を取り込みます。お互いに時間に追われる中で大激戦となりましたが、都成七段が金香両取りに角を打ち、香を取った角を攻撃参加させて大きく駒得となり寄せ切りました。
チーム谷川:1勝 - チーム豊川:0勝

二局目:谷川浩司十七世名人 vs 豊川孝弘七段

チーム豊川は初出場の師匠が登場します。後手の豊川七段が角道を止め雁木調の駒組みを進めると、谷川十七世名人は左美濃に構えます。豊川七段が3筋の位を取ると、谷川十七世名人は3筋の歩をぶつけて飛車を3筋に寄せて反発します。豊川七段は8筋を継ぎ歩で攻め、1分程考えて△8七歩と垂らします。谷川十七世名人は3筋の歩を飛車で取り、角頭を歩で叩いてから4筋の歩をぶつけて取り込みます。豊川七段が角で歩を取ると、谷川十七世名人は3筋の歩を成り捨て、角を交換します。谷川十七世名人は桂頭を歩で叩いて追撃しますが、豊川七段は銀を飛車にぶつけて攻め合います。谷川十七世名人は飛車を取らせる代わりに桂と金を取って"と金"を作りますが、豊川七段は玉を早逃げしてから残り2秒まで考えて迷った手つきで△3九飛と打ち込みます。谷川十七世名人が飛銀両取りに角を打ち、銀で両取りを続けると、豊川七段は竜と角を交換して辛抱します。谷川十七世名人が大きく駒得して優勢となりましたが、豊川七段は△8八銀から先手玉に迫ります。両者時間に追われながらのギリギリの攻防となり、豊川七段が歩の王手で自玉の詰めろを解消し、先手玉に必死を掛けて逆転勝ちとなりました。
チーム谷川:1勝 - チーム豊川:1勝

三局目:都成竜馬七段 vs 渡辺和史五段

一局目と同じ顔合わせとなりました。先手の渡辺五段が飛先の歩を伸ばすと、都成七段は向かい飛車に振ります。都成七段が左銀を斜めに突進すると、渡辺五段は天守閣美濃に構えて角頭を守ります。都成七段が穴熊を目指すと、渡辺五段は▲9八玉と引き、▲8七銀~▲7七桂と少し珍しい陣形に組み替えます。飛車を3筋に振り直した都成七段が3筋の歩を突き捨てて△4四角と飛車の利きを通すと、渡辺五段は角を上がって3筋の歩を支えます。都成七段は5筋の歩をぶつけ、2筋の歩を交換してから飛車を2筋に戻します。渡辺五段は7筋の歩を突いて銀を引かせてから5筋に"と金"を作りますが、都成七段は1筋の歩を伸ばして桂と香を取ります。渡辺五段が7筋の歩をぶつけると、都成七段は銀を引いて角に当てます。渡辺五段が構わず"と金"を作って金を1枚剥がすと、都成七段は角を取り、飛車で5筋の"と金"を取り除きます。渡辺五段が後手陣に殺到しますが、都成七段も9筋から反撃して優劣不明の激戦となります。最後は都成七段が△6五桂~△9七金から先手玉に迫り、粘る渡辺五段を寄せ切りました。
チーム谷川:2勝 - チーム豊川:1勝

四局目:谷川浩司十七世名人 vs 豊川孝弘七段

チームの勝利に王手を掛けたチーム谷川は、二局目と同じ顔合わせで師匠がリベンジを目指します。前局と同様力戦調の将棋となり、豊川七段は矢倉、谷川十七世名人は左美濃に組みます。豊川七段が3筋の位を取ると、谷川十七世名人は飛車を浮いて3筋の歩交換を狙います。豊川七段は力強く金銀を前進して飛車を追い返し、飛車を2筋に回して先手の飛車を封じます。豊川七段が6筋の歩を交換して銀を前進し、△7六銀と滑り込んで角に当てると、谷川十七世名人は角を引いて辛抱します。豊川七段は顔を紅潮させて残り20秒まで考えて4筋の歩をぶつけてから9筋の歩もぶつけますが、谷川十七世名人は手抜いて歩で自陣の傷を消します。お互いに銀を取り合ってから、豊川七段が飛車を6筋に回すと、谷川十七世名人は持ち駒の銀を打って手厚く守ります。豊川七段は9筋の歩を取り込みますが、谷川十七世名人は▲4五銀とぶつけて金と交換し、7筋の歩もぶつけて反撃します。両者時間に追われる激闘となり、豊川七段が桂取りに3筋の歩を伸ばすと、谷川十七世名人は▲2五桂と跳ね、銀で取らせて空いたスペースに▲4三金と打ち込みます。谷川十七世名人は角金交換して▲4三角と打ち、銀を取って馬を作るとそのまま即詰みに討ち取りました。
チーム谷川:3勝 - チーム豊川:1勝

予選Aリーグ1回戦第2試合の結果

チーム谷川は都成七段が弟子同士の連戦となり、後手番ながら振り飛車で連勝してチームの勝利に大きく貢献しました。師匠の谷川十七世名人は二局目に必勝と思われた局面から逆転負けを喫しましたが、四局目はやや押され気味の展開から辛抱し、光速の寄せを魅せてチームに勝利をもたらしました。師弟がそれぞれ持ち味を発揮し、予選突破に向け順調に滑り出しました。
チーム豊川は師匠の豊川七段が、公式戦で勝ったことがないと言う谷川十七世名人に土を付けて意地を見せました。渡辺五段は2局とも粘り強い将棋で熱戦になりましたが、結果的に白星に恵まれずチームに貢献できませんでした。まだ予選突破の可能性は残されているので、次戦に向け調子を上げられるよう期待します。

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