将棋界2020年度前半のランキング(勝率)
2020年度も前半が終わろうとしています。将棋界では年度毎に将棋大賞の表彰があり、数字で明確に決まる記録部門としては、対局数・勝数・勝率・連勝のランキングがあります。順に現時点の状況を確認し、過去5年の傾向や歴代最高記録を調べてみます。
出典:日本将棋連盟のホームページ 2020年9月27日対局分まで(未放映のテレビ対局を除く)
勝率
20前半 服部慎一郎 0.929、黒田尭之 0.812、藤井聡太 0.808
19年度 藤井聡太 0.815、永瀬拓矢 0.736、渡辺明 0.732
18年度 藤井聡太 0.849、渡辺明 0.800、永瀬拓矢 0.800
17年度 藤井聡太 0.836、大橋貴洸 0.793、永瀬拓矢 0.764
16年度 青嶋未来 0.750、斎藤慎太郎 0.750、千田翔太 0.738
15年度 斎藤慎太郎 0.769、永瀬拓矢 0.750、増田康弘 0.745
歴代最高 中原誠 0.8545(1967年度)
※2020年度の1位に桐山九段が1.000(1勝0敗)でランキングされています
が、引退されて対象外と思われるので上表の記載からも外しています。
今年度前半は、1位に今年プロ入りの服部四段、2位に昨年プロ入りの黒田四段と新鋭の健闘が光ってます。プロ入り直後は各棋戦で勝ち上がってもなかなか強豪と当たらないため、一時的に高勝率となる場合があります。これから先、強豪との対局も増えていくと思いますので、現在の勝率を維持するのは容易ではありませんが、16年度の青嶋六段や17年度の藤井二冠のように、1年間通して高勝率を維持できるか注目されます。
藤井二冠は、デビュー以来3年連続で勝率8割を達成しています。今年度もタイトル戦に登場する等強豪ばかりとの対局が続く中、勝率8割を維持しているのは驚異的と言えます。このまま4年連続8割越えと記録を伸ばすことができるのかとても楽しみです。
歴代最高の1967年度中原十六世名人の0.8545はすごい数字ですね。藤井二冠の記録更新が期待されていますが、中原十六世名人の記録は五段当時に達成したものであり、既に八段となり各棋戦でシードされタイトル戦も戦う藤井二冠には、かなりハードルが高いと思います。ちなみに現在21勝5敗の藤井二冠が歴代最高となるためには、今後2敗したら21勝以上、3敗したら26勝以上、4敗したら32勝以上が必要な計算となります。むしろ服部四段ら新鋭が、1年間突っ走ってしまう方が可能性は高いのかもしれません。
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