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収録棋戦のネタバレについて

将棋界では各棋士の成績が、通算成績・年度別成績などの形で公開されています。ただし「未放映のテレビ対局を除く。ただし、勝星昇段やキリ勝・記録が関わる場合、この限りでなし」との注釈が付けられています。

「未放映のテレビ対局を除く」については、放映前に結果がわかってしまっては面白くありませんから、当たり前の配慮と思っています。私は個人的に、「勝星昇段やキリ勝・記録が関わる場合」に、成績に反映されることも含め、公式に発表されることに疑問を感じています。

勝星昇段やキリ勝・記録が関わる場合とは、以下のケースが想定されていると思われます。

通算600勝(将棋栄誉賞)
通算800勝(将棋栄誉敢闘賞)
通算1000勝、1200勝(特別将棋栄誉賞)
通算1500勝(特別将棋栄誉敢闘賞)

八段昇段後公式戦250勝(九段昇段)
七段昇段後公式戦190勝(八段昇段)
六段昇段後公式戦150勝(七段昇段)
五段昇段後公式戦120勝(六段昇段)
公式戦100勝(五段昇段)

六段昇段後全棋士参加棋戦優勝(七段昇段)
五段昇段後全棋士参加棋戦優勝(六段昇段)
全棋士参加棋戦優勝(五段昇段)

史上最年少200勝、300勝・・・
歴代最多勝 等

これらの記録は、達成した棋士の努力の賜物であり、一刻も早くお祝いすべきものという点で異論はありません。ただ、これらの勝数により収録棋戦(銀河戦、NHK杯戦など)の結果が推測できてしまう場合、その放映まで待っていただくことはできないのでしょうか?

12月11日、丸山忠久九段の通算1000勝が発表されました。その時点で、今期の銀河戦は丸山九段がベスト4に勝ち上がったところまで放映されていましたが、あと2勝(つまり優勝)していることがわかってしまいました。報道関係者や多くの良識ある将棋ファンは、気付いても公にはしません。しかし現在のネット社会では、ごく一部のファンが情報を流してしまうこともありますし、気付いてしまったファンにとっては、結果がわかっている味気ない対局を観戦することになってしまいました。

勝星昇段やキリ勝・記録が関わる場合に発表してしまうのは、現代ほどデータベースが充実していない時代からの慣習と拝察しますが、発表を遅らせたからといって、それらの記録の価値が色褪せることは決してないと思います。日本将棋連盟は収録棋戦を放映するスポンサーや観戦するファンのことを最優先に考え、是非ご配慮いただきたいと思っています。

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