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第81期順位戦C級2組10回戦

3月14日に順位戦C級2組最終10回戦の一斉対局が行われました。大所帯のC級2組は通常2日に分けて対局が行われていますが、最終局だけは一斉に行われています。

この中で私が注目していたのは、ともに昇級の可能性を残している杉本和陽五段と佐々木大地七段の対局です。先手の杉本五段が中飛車に振ると、佐々木七段は飛車を7筋に寄せて仕掛けます。佐々木七段が角を右辺に転回すると、杉本五段は銀冠から玉を1筋に寄せて角のラインから外します。じっくりした駒組みに戻りましたが、佐々木七段が角桂と金銀の交換で先手陣を崩すと、杉本五段は玉頭から反撃して攻め合います。お互いに飛車を取り合い、佐々木七段が先に王手角取りで飛車を打ち込み角を取ると、駒損が大きくなった杉本五段は1分将棋になるまで考えて、次の手を指さずに投了を告げました。

他の主な注目対局の結果は以下の通りです(左が勝者)。
 服部慎一郎五段 - 谷合廣紀四段
 黒沢怜生六段 - 西川和宏六段
 本田奎五段 - 矢倉規広七段
 狩山幹生四段 - 梶浦宏孝七段
 佐々木大地七段 - 杉本和陽五段
 山本博志四段 - 池永天志五段
 八代弥七段 - 島朗九段
 古賀悠聖四段 - 今泉健司五段

既に昇級を決めていた斎藤(明)五段が勝って10勝0敗、服部五段も勝って9勝1敗となりました。フリークラスでプロ入りし、今期から順位戦に参戦した古賀四段が相穴熊の激闘を制して9勝1敗となり、残り1枠となっていた昇級を決め、同時に五段への昇段を掴み取りました。
一方、堀口八段と矢倉七段に3回目の降級点(*)が付き、残念ながらフリークラスへの降級が決まりました。大ベテランの南九段と青野九段に2回目の降級点、ダジャレを交えた解説でお馴染みの豊川七段やプロ入り1年目の横山四段にも1回目の降級点が付きました。星野五段と上村五段は、6勝4敗の勝ち越しで降級点を1つ消しています。

(*)降級点
B級2組以下のクラスでは、成績が悪くても1期で降級することはなく、成績下位の一定人数に「降級点」がつけられる。降級点はB級2組とC級1組では2つ累積、C級2組では3つ累積すると降級する。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』


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