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第65期王位戦挑戦者決定リーグの展望

お~いお茶杯王位戦は、前期成績によりシードされた4名と予選を勝ち上がった8名が、6名ずつ紅白2組に分かれて挑戦者決定リーグ(王位リーグ)を戦い、優勝者同士が挑戦者決定戦を行います。挑戦者は藤井王位との七番勝負に挑むことになります。紅組と白組の組み合わせが発表されましたので、顔ぶれを確認しておきたいと思います。

日本将棋連盟HPより引用

紅組

順位戦A級の実力者3人と期待の若手3人が入る楽しみな組み合わせとなりました。優勝の最有力候補には順位戦A級でトップを走っている豊島九段を挙げたいと思いますが、前期挑戦者の佐々木七段の再挑戦にも期待が掛かります。初参戦の新鋭藤本四段の活躍も楽しみです。

佐々木大地七段
2016年プロ入りの28歳です。前期は自身初のタイトル挑戦となった棋聖戦に続き、王位戦でも藤井王位への挑戦を果たし、1勝4敗で無念の敗退となりました。7期連続となる相性の良い王位リーグで、2期連続となる挑戦権獲得を目指します。

豊島将之九段
2007年プロ入りの33歳です。前期は3勝2敗で残留しました。第62-63期に藤井王位に挑戦しましたが敗退し、今期こそはと思う気持ちは強いはずです。1年以上タイトル戦登場がありませんが、各棋戦で上位に食い込んでおり、安定感は抜群です。

石井健太郎六段
2013年プロ入りの31歳です。王位リーグ初参戦となった前期は2勝3敗で惜しくも陥落となりましたが、今期は予選で千田七段や佐藤(和)七段らを降してリーグに戻ってきました。順位戦でも連続昇級を狙える位置に付けており、好調を維持しています。

佐藤天彦九段
2006年プロ入りの35歳です。名人3期の実力者で、今期は予選で佐藤(秀)八段や八代七段らを降して3期ぶりの王位リーグ参戦となりました。最近は振り飛車の採用が増え、棋風チェンジを図っているのかもしれません。

斎藤慎太郎八段
2012年プロ入りの30歳です。王座1期の実力者で、今期は予選で服部六段や山崎八段らを降して3期ぶりの王位リーグ参戦となりました。2期連続の名人挑戦以来タイトル戦から遠ざかっていますが、そろそろ存在感を見せたいところです。

藤本渚四段
2022年プロ入りの18歳です。今期は初めての王位戦参加でしたが、予選で西田五段や菅井八段らを降して見事に王位リーグ入りを果たしました。加古川青流戦優勝、新人王戦準優勝など、現役最年少ながら8割を超える勝率で勝ちまくる、今最も注目される新鋭の1人です。

白組

紅組とは対照的に、経験豊富なベテランが集う組み合わせとなりました。優勝の最有力候補には各棋戦で好調が続く羽生九段を挙げたいと思いますが、長年のライバル森内九段や渡辺(明)九段との重厚な戦いが楽しみです。

羽生善治九段
1985年プロ入りの53歳です。前期は4勝1敗で紅組優勝しましたが、惜しくも挑戦者決定戦で敗れています。今年度から日本将棋連盟会長職に就きながら、王将リーグでも最後まで優勝を争うなど好調を維持しています。

渡辺明九段
2000年プロ入りの39歳です。前期は4勝1敗で残留しました。タイトル獲得数は歴代4位の通算31期を誇りますが、王位戦とは相性が悪く、これまで挑戦者になったこともありません。19年ぶりの無冠となった今、初の王位挑戦を目指します。

木村一基九段
1997年プロ入りの50歳です。第61期に藤井王位に敗れて失冠しましたが、今期は予選で鈴九九段や山本(博)五段らを降して3期ぶりに王位リーグに戻ってきました。愛着のある王位戦で再挑戦を目指します。

森内俊之九段
1987年プロ入りの53歳です。今期は予選で星野五段や井出五段らを降して8期ぶりの王位リーグ参戦となりました。数々の名勝負を繰り広げた羽生九段と同じ組に入り、2人による優勝争いが観たいファンも多いはずです。

飯島栄治八段
2000年プロ入りの44歳です。今期は予選で郷田九段や池永五段を降して初の王位リーグ入りを果たしました。渡辺(明)九段とプロ入り同期であり、ベテランの力が発揮できるか注目されます。

西川和宏六段
2008年プロ入りの37歳です。今期は予選で糸谷八段や冨田四段を降して初の王位リーグ入りを果たしました。これまで目立った戦績はありませんが、今期の白組では最年少であり、台風の目としての活躍が楽しみです。

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