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第81期順位戦B級2組10回戦

3月8日に順位戦B級2組最終10回戦の一斉対局が行われました。

この日、私が注目していたのは、8勝1敗で既に昇級を決め昇段を果たした増田康宏七段と、6勝3敗で来期に向けて順位を上げておきたい高見泰地七段の対局です。先手の増田七段が相掛かりに誘導して早繰り銀を見せると、高見七段は角を交換して備えます。増田七段が▲5六角と据えて3筋から仕掛けると、高見七段は3筋の歩を伸ばして桂を捕獲します。増田七段は桂を取らせる代わりに1筋を突破し、2枚の成香を作って攻め込みますが、高見七段も馬を作って先手の飛車を追います。高見七段が玉を上部に脱出して入玉を目指し、先手の角を捕獲して点数を稼ぐと、入玉阻止が難しくなった増田七段は潔く投了を告げました。

他の主な注目対局の結果は以下の通りです(左が勝者)。
 深浦康市九段 - 中川大輔八段
 谷川浩司十七世名人 - 大橋貴洸七段
 及川拓馬七段 - 藤井猛九段

 木村一基九段 - 中田宏樹九段(逝去により不戦敗)

このクラスは既に3人の昇級者が決定していましたが、大橋七段が敗れて9勝1敗、増田(康)七段も敗れて8勝2敗となり、8勝2敗となった木村九段が2位での昇級となりました。
一方、前期は昇級争いに加わった鈴木九段や井上九段らが下位6人に沈み、残念がら降級点(*)が付与されています。2回目の降級点付与はなかったため、C級1組への降級者はありませんでした。

(*)降級点
B級2組以下のクラスでは、成績が悪くても1期で降級することはなく、成績下位の一定人数に「降級点」がつけられる。降級点はB級2組とC級1組では2つ累積、C級2組では3つ累積すると降級する。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』


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