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第72期王座戦挑戦者決定トーナメントの展望

王座戦挑戦者決定トーナメントは、シード棋士と予選から勝ち上がった棋士16人で行われます。今期シードされている4人は、前期藤井聡太竜王名人の挑戦を受け惜しくも失冠した永瀬拓矢九段と、挑決トーナメントベスト4の豊島将之九段、羽生善治九段、渡辺明九段です。今期の王座戦は挑決トーナメントの組み合わせが発表され、既に1回戦が始まっていますので顔ぶれを確認しておきたいと思います。

日本将棋連盟HPより引用

前期まで4連覇していた永瀬拓矢九段のブロックには、二次予選で行方九段と八代七段を降した郷田真隆九段、大橋七段と谷川十七世名人を降した菅井竜也八段、森内九段と増田(康)八段と近藤(誠)七段を降した戸辺誠七段が入りました。ベスト4の有力候補は永瀬九段と思いますが、最近はタイトル戦の常連となりつつある菅井八段にも期待が掛かります。

前期挑戦者決定戦まで勝ち上がった豊島将之九段のブロックには、二次予選で村山八段と大石七段を降した久保利明九段、三浦九段と本田六段を降した広瀬章人九段、一次予選を突破し、飯島八段と斎藤(明)五段を降した伊藤真吾六段が入りました。ベスト4の有力候補は豊島九段と思いますが、既に1回戦で久保九段を破った広瀬九段も侮れません。

前期ベスト4の羽生善治九段のブロックには、二次予選で青嶋六段と佐藤(天)九段を降した佐藤(康)九段、北浜八段と澤田七段を降した糸谷哲郎八段、佐々木(慎)七段と石井六段を降した千田翔太八段が入りました。ベスト4の有力候補は、既に1回戦で佐藤(康)九段との169局目の対局を制した羽生九段と思いますが、順位戦で自身初のA級入りを果たした千田七段にも注目しています。

前期ベスト4の渡辺明九段のブロックには、二次予選で藤井(猛)九段と佐藤(和)七段と横山(泰)七段を降した鈴木大介九段、中村(太)八段と松尾八段を降した佐々木(大)七段、一次予選を突破した勢いで阿部(隆)九段と山崎八段を降した藤本渚五段が入りました。ベスト4の有力候補は既に1回戦で渡辺(明)九段を破った佐々木(大)七段と思いますが、昨年度は0.850と驚異的な勝率を記録し、現在10連勝中の藤本五段の躍進にも期待しています。

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