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今年やれたこと+来年やりたいこと

柄にもなく1年を振り返ったnoteを書いた。

今年やれたこと

・意外と生活できた(仕事があった)

9月に会社を辞めて10月からフリーに戻った。辞めたはいいものの仕事が全然なかったらどうしようと思ったが、ほとんど杞憂に終わり、ありがたい限り。たぶんもっと増やそうと思えば増やせるはずなのだが、いまの子育て中心の時間の使い方だと、これ以上増えるのはかなり身体に無理が来そう。この辺のバランスが難しい。

・自己肯定感を高めに保てた(主に年の後半)

基本的にぼくの人生の問題はほとんどぜんぶ、自己肯定感の低さから来ており、それがとにかく破滅的な行動とか思考を導いていたのだが、昔からそれをどうにかするために色々試みていたのが、36の今年になってようやくちょっとずつ結実している感じで、地に足がついたというか、生きているのがだいぶ楽になったし、他人や子どもにイライラしなくなった。これはたまたまなんだとは思うが、秋にリナ・サワヤマの2ndを聴いたあたりでなんかグワァーっと楽になったというか、ああちゃんと自分には生きててもいい価値があるんだと思えるようになったので、リナ・サワヤマにエンパワーされた気になっていて、勝手に感謝している。

・BLの翻訳が終わった

とにかく超ヤバだったBLの翻訳が、というか正確には訳稿の修正が終わり、無事ゲラに移行しているところ。分量が多かったのもそうだが、とにかく編集者さんとのバトルが大変過ぎて、もう本当に本当にしんどかった……(ゲラはそんなにややこしくならないはず)。

・今年も「はじめてのタイ文学」が出せた

無謀にも2冊出すなどと(主にデザイナーの和田さんに)宣言してしまい、結果的に怒涛の10月を生み出してしまったが、それでも無事出せた。がんばりました。和田さんありがとう本当に。快く翻訳を許諾してくれたリーとルークケーオもありがとう。

・『絶縁』が出た

小学館のアンソロジー『絶縁』に訳者として参加した。ウィワット・ルートウィワットウォンサーの書き下ろし短篇を翻訳した。ウィワットとはもう10年近い付き合いなのだが、ちゃんと商業ベースで日本デビューをさせてあげることができてよかった。そして今回のプロジェクトは、彼の作家人生的にもいい転機になったようで、それに立ち会えてよかった。

・アピチャッポンのVR作品を翻訳した

そのまま。いい機会をいただきました。

・PremiereとPhotoshopがちょっと使えるようになった

仕事の関係もあり、すごく簡単な作業だけはできるようになった。でもそれだけで、ずいぶんいろいろなことができるなあという気持ちになった。

・紙(のノート)を使うようになった

もう何年も、メモやノートを取るときはPCかスマホを使っていたのだけど、evernoteやらcraftやらscrapboxやらnotionやら整理がうまくいかなくなってきたのと、結局いろんな現場に行くときの取り回しがいろいろ楽で、がっつり紙のノートに戻した。情報が蓄積されていくのが目に見えるようになって楽しい。通訳も、iPadとApple Pencilで何年かやっていたのだが、A5とA4のメモ用紙を持ち込むスタイルに変えた。紙の可変性っていろいろ便利だなというのと、単に書くのが楽しい。

来年やりたいこと+こうなってほしいこと

・仕事時間をもっと確保したい(もっとちゃんと寝たい)

とにかく子どもたちが寝ないのである。上の子は4歳になってさすがに大丈夫になってきたが、下が1歳を過ぎて夜泣きなのかなんなのか、授乳回数がまた増えてきた。一晩4回とか5回とか起こされるようになってしまい、これはやはりしんどい。上の子は1歳過ぎに断乳して寝るようになったと思ったら、今度は寝付きがめっちゃ悪くなり、寝かしつけに2時間とかかかるようになったりして、3歳になってそれが落ち着いた。と思ったら下の子が生まれたので、都合4年くらいまともに寝ていない感じ。
こうなると、寝かしつけ後にちょっと仕事とか、朝早く起きて、みたいなことがなかなか難しく、保育園に送り出してから帰ってくるまでの7-8時間くらいしか毎日仕事ができない。そのあいだに家事も済ませなきゃいけない。土日祝はほとんどなにもできない。でも収入は保たないといけない。というのが(まあみんなやってることなのだけども)やっぱりハード。3時間とか4時間とかしか寝ないでバリバリ、みたいなことができるひとがいるというのもわかるのだが、もともとロングスリーパー気味のぼくにはなかなか辛い。焦れるけれども、体調第一でやれる範囲でやるしかない、とは思っている。
でももっと仕事したい、というのが本音。やらなきゃいけないこともやりたいこともいくらでもある。まあ、時間が経てば状況は変わるのだとは思うが。

・タイ短篇アンソロジーを出版する

実はこれはすでに動いていて、作品も選定したし、書き下ろし作品の原稿ももらった。3人で分担して翻訳しているのだが、ぼくは上述の理由などで翻訳が遅れに遅れている。あと、作家たちとの事務的なやりとりとか、実質的な編纂作業はぜんぶぼくがひとりでやっているのだが、そういう部分の負担とかもろもろを加味すると、まあ当然(?)赤字のプロジェクトになっていて、どうしてもお金を稼げる仕事を先に進めてしまう、というのもある。本が出てもたぶん10万円くらいしか手元に入らない。でもやらなきゃいけないことなので、やる。

・Basement Moonを終わらせる+出版する

今年は2回しか連載を進められなかったが、それでもやっただけは進む。来年あと2回で連載が終わる予定なので、きちんとそのあと単行本化したい。でももうちょっと人工知能の勉強とかしたい……

・BLの翻訳をちゃんと売る

今年からの引き続き。年前半には上下巻とも出版されると思うのだが、きちんと宣伝したい。
この作品、実は翻訳料はもうもらってしまっているので、いくら宣伝しても金銭的に自分になにかペイされるわけではない。ただ、文芸的な部分とBL的な部分がうまく混ざったいい作品だし、これをきっかけにタイのいろんな部分に興味を持つひともいるだろうと思っているので、広がりを作りたいなあと思う。(他の作品も翻訳したいともちろん思うのだが、もうあんまりBLの翻訳は自分には来なそうだなあと雰囲気的に感じているところもある……)

・止まっている翻訳プロジェクトを動かす

某出版社さんにある長篇作品の要約と試訳をわたすことになっているのだが、すっかり止まっているので進めたい。

・「ケンコーイ3部作」の要約と試訳を公開したい

ウティット・ヘーマムーンのケンコーイ3部作、新装版のボックスセットを手に入れた。第3作の『転生 จุติ The Fabulist』は英語版が来年出版予定だし、きっとある程度話題になるんじゃないかとも思うし、なんにしたってこれもやっぱり紹介されるべき作品だよなと思う。

・文芸の翻訳紹介でもある程度稼げるしくみをちゃんと考えたい

タイの文学は、単に翻訳出版一発で考えてしまうと、だいたい仕事すればするだけ赤字になってしまう。作家と読者をうまくつないだりして、本を出して終わり、じゃなくて、そこからきちんと作家にも自分にも還元されるようなやり方を考えたいなあと思っている。

・タイ語の翻訳講座をやりたい+中上級者向けのコンテンツを考えたい

ひとつ前の中身にも関わるけれども、大学のタイ語専攻からタイの文学とかカルチャーの翻訳紹介まで進むひとというのは、今後ほとんど出なくなってしまっているとも思うので、ちゃんとどうやって次の世代(別に世代としてぼくより下じゃなくてももちろんよいのだけど)にノウハウとか技術を継承するかということを考えたい。具体的にはやっぱり文芸の翻訳講座とかなんだと思う。某書店さんが以前この点について連絡をくれていたので、きちんとお話させてもらいたい。
あと単純に、タイ語の中上級学習者向けのコンテンツが明らかに足りていないので、あわせてどうにかしたいなと思っている。もちろん大学のタイ語専攻レベルではいろいろあるわけだが、大学外でのタイ語学習者もこれだけ増えているわけなので……

・FMの通訳にもっと挑戦したい

今年はタイ俳優さんのファンミーティングで3回通訳させてもらった。1回は1万人規模会場だったので、ぼく的にもずいぶんチャレンジだったけれども、とても楽しかったし、勉強になった。単にドラマ見るだけでも楽しいし。
あとやっぱりタイドラマきっかけでタイのカルチャーや文学やらに興味を持つ方というのもたくさんいらっしゃるので、タイ沼にもきちんと関わって、両方の橋渡しみたいなことができればなとちょっと思っている。欲張り過ぎかもしれませんが。

・締切を守る

そのまんまです……ご迷惑をかけてごめんなさい……

・タイに行きたい

3月末にどうやら行けそう。3年半ぶり。オンラインでしか会ったことのない作家たちにきちんと挨拶したい

・手荒れを直したい

まーとにかく手荒れがひどい。Touch IDがぜんぜん使えなくなってしまった。青学の授業で思わず学生さんに安くていい感じのハンドクリームを聞いた。さらにそれとは別に、寝るときのケアにと思ってユースキンを買った。復活せよ指紋。

・もうちょっと寄付などしたい

そのまま。ふるさと納税、とかいう話ではなく、社会的活動への寄付などの話。自分が主体的に動いてなにかするという余力がない人間なので、せめて少しのサポートなどできればと思っている。そのためにはしっかり稼がないといけないわけですが……今年は毎年やってるWikipediaへの寄付と、CALL4の同性婚訴訟のサポートなどはした。

・もっと本を読みたい+映画を見たい+ドラマも見たい+その他も見たい

とにかくすべてが子ども中心で回っているので、自分のための余暇時間みたいなものがほとんど存在していない。そしてもちろんタイ関連の映画やドラマはできるだけ見たい。
せめて積ん読を少しずつ解消することだけでも、あるいはタイの作家や版元から送られてくるタイ語の新刊を繙くことだけでも、やりたい……とりあえず年明けは『トランスジェンダー問題』かな……


来年もがんばるぞ。
今年のおしまいは志賀高原ビール×Ichiro's MaltのThe Far East。

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