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「コロナ後」に福祉・医療分野で起こってほしい変化を期待をこめて考えてみた

ついに日本でも緊急事態宣言が出され、ニュースでは「医療崩壊」「経済危機」などの話題が飛び交っています。この状況がいつまで続くのかがわからない中で、大きな不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。私もその一人です。

ただ、ネガティブなことばかり考えていると気持ちが沈んでいく一方なので、新型コロナウイルスの流行が福祉・医療分野にもたらす影響の中で、ポジティブに捉えることができるものを探してみました。

「期待」レベルの話が多くなってしまいましたが、よろしければお付き合いいただけると幸いです。

また、ポジティブな影響はその他にも色々と考えられると思いますので、コメント欄に皆さんのお考えを共有いただけると大変嬉しいです。

(著者:熊谷)

1)家族の介護などで働き方が制限される人に優しい会社が増える

多くの人が感じていることだと思いますが、今、日本の働き方が急速に変わりつつあります。もちろん、強制的な状況下ではありますが、必要性が声高に叫ばれても中々進まなかった時差出勤やテレワークが多くの企業で実施されるようになってきているのです。

私自身、初めてのテレワークで戸惑うことも多くありましたが、「やってみると意外とできる」ものなんだと感じています。テレワークの普及とともに、社内手続きなどを見直し業務を効率化する動きが広がっているようです。実際にSNS上では、余計な会議が減ったという声があがっています。

蓄積されつつあるノウハウを「コロナ後」に活かすことができれば、家族の介護や急な子どもの病気などで、勤務場所や勤務時間に制約が出てしまう人が働きやすい・離職しにくい環境を整えることにつながっていくのではないでしょうか。

2)インフルエンザなどの感染症による健康被害が減少する

今回の一件によって、感染症の恐ろしさとともに、手洗いの大切さやワクチンの重要性についてもスポットライトが当てられています。個人的に、これはとても良いことだと思っています。

あまり意識されることは少ないかもしれませんが、じつはインフルエンザでも毎年多くの方々が亡くなっています。厚生労働省の人口動態統計によると、2018年の死者数は3,325人でした。

※出典:平成30年(2018)人口動態統計(確定数)の概況-第7表 死因簡単分類別にみた性別死亡数・死亡率(人口10万対)

日々報道されている新型コロナウイルスの死亡者数をご存知であれば、この数字は決して少なくない数であることがわかると思います。

重要なことは、インフルエンザは新型コロナウイルスと同じ飛沫感染・接触感染によって広がる感染症であること、そして、幸いなことに新型コロナウイルスにはないワクチンが存在することです。

つまり、「コロナ後」に、手洗いを徹底したり予防接種を受けたりする人が増えることで、インフルエンザによって亡くなる方を減らすことが期待されるのです。

また、新型コロナウイルスの流行前から、日本には感染症に関する問題が山積しており、政府も啓蒙に力を入れていました。これらについても、正しい理解が広まるきっかけにできるのではないかと思っています。

3)医療・福祉関係者の労働環境整備についての議論が進む

中国で感染例が報告されてから緊急事態宣言が出されるまで、日本国内の新型コロナウイルスの流行スピードや死亡数は、諸外国に比べても低い水準で抑えられてきました。

それは、対策や治療に携わる医療従事者や、重症化率の高い高齢者介護を担う福祉職など、様々な方々が過酷な状況の中で日々奮闘されてきたおかげにほかなりません。

ここで忘れてはいけないのが、こうした医療・福祉職の多くは、コロナウイルスの流行が始まる前から、人手不足による長時間労働・職責に合わない賃金体系などが問題視されてきたということです。

過酷な状況にあってもぎりぎりのところで職責をまっとうされている、そうした方々の使命感や善意によって支えられている現状を変えなければ、仮に今回の危機を乗り越えられたとしても、次に大きな災害や感染症が起こったときには、大きな代償を払うことになるのではないでしょうか。

今回の新型コロナウイルスの流行により、医療・福祉関係者の労働環境整備について注目が集まり、議論が進むことを期待しています。

最後になりますが、今回の新型コロナウイルスの流行によって、医療・福祉関係者の方々はもちろんのこと、国・都道府県、市町村で対策を行ってくださっている方々、そして、電気、水道、ガス、通信、食や運送などのライフラインに関わるお仕事をされている方々に支えられて生活ができているんだということを改めて認識しました。


現在の状況下でも懸命に職責を果たされてる方々に心より感謝申し上げます。

また、福祉・医療分野の書籍編集者として、新型コロナウイルスの流行下にあっても奮闘されている、介護、保育、精神保健、医療に携わる方々にお役立ていただける情報を発信していきたいという気持ちが一層強くなりました。

今回記事にしたようなポジティブな社会変化を促進するような書籍を多くの方々にお届けできるよう努めていきます。

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