読切デジタル誌『FEEL FREE』創刊号の編集秘話を大公開!あなたに見つけられるのを、待っている物語。
SHODENSHA COMICSの読切デジタル誌『FEEL FREE』が新創刊。LINEマンガ・ebookjapanにて配信スタートしました!
以前まで『シーズンJam』という名前で配信していたデジタル季刊誌ですが、レーベルのリニューアルに合わせ、新たなメディアとして”再生”いたしました。
『FEEL FREE』というタイトルは、マンガJam以前に運用していた媒体の名前が由来になっています。作品のテーマも、ジャンルも、読者の方が作品をどう感じて、どう受け取るかも「自由」。そんなメディアを「無料」で楽しんでいただきたい。そんな思いから名づけられた、前・『FEEL FREE』の意志を”再生”させよう、という意図が込められています。
読切デジタル誌『FEEL FREE』には、『シーズンJam』と前・『FEEL FREE』の2つをアップデートして”再生”させる、という裏テーマがありました。
サムネイルデザインは、『怪奇千万!猫町商店街』や『吾輩は猫であるが犬』の装丁デザインを担当してくださった、ご縁のあるデザイナーさん・岩井美沙さんに依頼しました。
”雑誌っぽさ”を出しつつ、ジャンルに縛られない多様な作品を発信していきたい、という思いを込め、これまでの編集部にはない”新しさ”を感じられるサムネイルにしていただきました。岩井さん、素敵なデザインをありがとうございました!
創刊を記念して、2か月連続で配信いたします。vol.1は7月22日(土)まで無料配信中。vol.2は6月26日(月)の配信を予定しております。
今回の記事では、vol.1に掲載中の各作品について、担当編集者たちが作品に込めた想いや裏話を綴っていきます。
あなたに見つけられるのを、待っている物語たち。
※創刊記念冊子「はじめに」より抜粋
物語を読むとき、人は必ずひとりです。ひとりだけど、物語の向こう側に自分と同じ孤独や寂しさを抱えている人がいるような気がする。そう思えるものと出会いたくて、人は物語を必要とするのではないかと思います。
この気持ちに共感してくださる方々に届いてほしいという想いを込めて、『FEEL FREE』というデジタル誌を編みました。記念すべき創刊号に収録されているのは、どれも異なる輝きを放つ七編です。
ありがたいことに素敵な作家さんたちとのご縁に恵まれ、最高の創刊号になりました。ご執筆くださった作家さんたちに、改めて感謝を申し上げます。
それでは各作品の編集後記をお届けします!
『だってこんなにも無駄で無価値で美しくて』にくまん子
にくまん子先生の、心をえぐられる感情を鮮烈に描いた恋愛作品が大好きなのですが、今回「シスターフッドものに挑戦したい」というお言葉をいただいたときは期待と興奮で胸が震えました。新たな挑戦のお手伝いができたこと、とても嬉しく思います。先生が創作をする中で感じている喜びや怒りなど、等身大の感情が散りばめられていて、作品を通して先生が見ている景色をほんの少しだけのぞけたような気がします。”にくまん子先生の黒ギャル”が最高すぎて、キャラデザを見たときいちファンとして熱狂しました。Twitterでも喜んでくださっているお仲間がたくさんいらっしゃって嬉しかったです。(川端)
『きみと見た世界が、』穴守ソウ(ダム穴)
タイトルにかなり悩みまして、穴守先生とああでもないこうでもないと頭を抱えたことをよく覚えています。私はこの作品の、アヤカが恋愛を通じて成長していく姿と、アヤカの容姿がどんどん綺麗になっていく姿が重なって見えるところがとても好きです。メガネをはずすことは、色メガネをはずして広い世界を見る、という捉え方もできるのでは…?という気づきから派生してタイトルを考えたり、素敵な扉絵の構図にしてくださいました。『きみと見た世界が、』のあとに続く言葉は何か、読者の皆さまの心の中でアンサーを見つけていただきたいです。(川端)
『あの子に彼氏ができても』宮子玲子
最後に悠がゆめみに貸すお笑い芸人さんのDVDは誰のライブにするか、かなり悩みました。流行に乗りすぎず、でも玄人になりすぎない絶妙なラインの芸人さんは誰だろう…と頭を悩ませた結果、バナナマンさんになりました。悠のラジオネーム「うどんこ殺法」や、ゆめみのTwitterアカウント名「ビッグドリームちゃん」のネーミングセンスがすごく絶妙で大好きです。ラストの歩道橋のカットは何度見ても涙腺にくるのですが、卒業してもおばあちゃんになっても、その都度距離感を変えながら一緒にいる2人の姿が想像できて、じんわりと温かい気持ちになります。(川端)
『胡孫町役場観光課巨大ガニ捏造事件』津村根央
最初にプロットを読んだとき、文字情報だけでもすでに爺さんたちが紙の上でパヤパヤと動く絵が頭に浮かんできて、愛おしさで胸がいっぱいになりました。プロットからネーム、ネームから原稿に行くにつれ、そのイメージが津村先生の絵でイメージよりもずっと素敵に具現化されていく過程にワクワクしました。先生からの提案で巨大ガニと小さいカニのタッチを変えて描いていただいたのですが、どちらも違う味があって最高でした。役場に貼ってある標語や、蟹にあやかって作られたたぬきなど、細やかなネタが満載なので、1コマ1コマじっくりと味わっていただけたら嬉しいです!(川端)
『死にたい夜にきみと願う』hituji
この作品を通して伝えたいことは何か、hituji先生と一緒に時間をかけて見つけながら、物語の中に落とし込んでいきました。「かたちのないものを強く信じること」。言葉にするのは簡単ですが、実行するのはとても難しいことです。私がこの作品で好きなところは、同じものを一緒に信じて何かを成し遂げるのではなく、それぞれに別の信じたいものやなりたい自分があって、偶然にも2人が出会ったことで救われていく2人の関係性です。それぞれが持っている世界を尊重し合える関係性ってとても素敵です。目に涙を溜めながら入稿作業をしてました。(川端)
『推しがキモモじゃダメですか?』森田蓮次
森田先生も私も、好きなものを悪意なく否定され落ち込んだ経験があって、「やっぱり傷つきますよね…」と当時の感情を思い出しながら打ち合わせをしていました。”好きなもの(推し)”には自分がこれまで生きてきた過程や、今の自分の心が反映されているからこそ、否定されるとまるで自分自身を認めてもらえなかったかのような気持ちになります。大げさではなく、何かを推すことは今日を生きることと強く結びついている人も多いのかもしれません。マコちゃんがくれたガムの「吐息・微熱・フルーティ」のキャッチコピーが意味わからなくて好きです。(川端)
『プラネタリプル(前編)』須澤彩夏
この作品をつくるにあたって、須澤先生とはお互いに様々な話をしました。これまでの人生の話、過去の恋愛の話、好きなエンタメの話、地層の話…。いつも話が尽きず、打ち合わせが楽しかったです。そんな中、話題にあがったのが“繊細な感情”について。学生時代に感じていた漠然とした不安。本音を言おうとするとにじんでくる涙…。きっと身に覚えがある人もいるのではないでしょうか。本作は言葉にするのがちょっと難しい感情を抱える人に、そっと寄り添ってくれるような物語になっています。少し不思議で温かい『プラネタリプル』の世界が、あなたにも届きますように。後編は次号のvol.2にて配信予定!楽しみにお待ちいただけたら嬉しいです。(上代)
創刊を記念して、豪華プレゼントキャンペーンの実施が決定いたしました!抽選で合計35名様に、記念グッズをプレゼントいたします。
ご応募はこちらから↓
プレゼント詳細↓
・幻の紙版!FEEL FREE 創刊記念冊子
デジタル限定配信の『FEEL FREE』ですが、創刊を記念してB6サイズの紙版を制作いたしました。限定15部、かなりレア度が高いです。そしてなんと、巻末には作家陣の皆さまが一言メッセージをお寄せくださいました。そちらも必見です。
・持ち歩きたいコマのステッカーセット
津村根央先生、須澤彩夏先生の作品から抜粋したステッカーセット。つい持ち歩きたくなっちゃうコマ・イラストを2つ選び、ステッカーにしてみました。スマホケースに挟んだり、PCに貼ってくださると嬉しいです。
・胡孫町周辺まちあるきマップ
津村根央先生お手製の「胡孫町周辺まちあるきマップ」をご当選者様全員にプレゼントいたします。『胡孫町役場観光課巨大ガニ捏造事件』の世界観を存分に味わえる、クオリティが高すぎるマップを津村先生が作ってくださいました。すごい…。ぜひ作品を読んでからご覧になってみてください。
感想もお待ちしています。SNSやLINEマンガのコメント欄にぜひ書き込んでいただけると嬉しいです!
感想まとめはこちら↓
vol.2は6月26日(月)配信予定です!
続報は編集部公式Twitterをご覧ください。お楽しみに。
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