【小説】会社の近くに住む 1-9
それはどんな感じだったのだろうなと思う。横になって、息を静かにさせながら、ただじっとして、ただ自分の感覚だけがあるような時間を過ごしているような意識に、誰かのセックスしている気配がずっと伝わってくるのだ。盛り上がり方や落ち着き方とか、盛り上がってきたときのリズムや緊張感とか、セックスしているうえでの俺の気持ちの流れを感じているような時間だったのかもしれない。
俺だったら、楽しくなってきそうだなと思う。この部屋で今そんなふうにセックスの音や気配が伝わってくればいいのにと思っ