【連載小説】息子君へ 230 (45 俺はかわいそうだと思われたかった-1)
45 俺はかわいそうだと思われたかった 俺はきっと悲観的すぎるんだろうね。自分をよくないものだと思って、消え入るべきものとしての自分についてあれこれと考えて、そういう観点から世界全体を眺めて、そのせいでくすんでしまった世界に、別に生きていたいとも思えないとつぶやいて、ひとりになってうずくまっているというのが、今の俺なのだろう。
生きているだけでそれなりに楽しい状態を維持してやってこれたはずだったのに、どうしてなんだろうなと思う。
けれど、それは関わりたくないひとと関わって