最近読んだ本 24.06
色々と本を呼んでいるが、読み終わっていたりいなかったり。ジャンルもバラバラ。まあでも現状のものをまとめてみましょう。
坂口恭平『生きのびるための事務』
noteで全文が無料で公開されていた内容のマンガ版。なんとなく「将来の夢」を考えてもどうにもならない。「将来の現実」を決めて、それの実現のために今の日常との差を見比べる。事務を行うのに、自信は不要。自己肯定感という考えも、そもそも間違っている。目から鱗がどんどん落ちるでしょう。
マンガ版は、大学卒業直後に無職になった著者の前に現れたスピリチュアル・メンターのジムとの対話で物事が着実に、少しずつうまく動いていく奇妙なムードが、より味わえて面白い。
原作を初めて読んだ時は衝撃が大きく、日常に直結しつつもコンセプチュアルな「事務」についての知恵と実践で、いろいろとゴチャゴチャしていた私の生活は変わったのです。
『お金の学校』『躁鬱大学』『COOK』『継続するコツ』などのマスターピースと並ぶ名作。やりたいことは多いけどキャリアやライフスタイルとのバランスに悩む人は、みんな読むべきです。
TOO MUCH MAGAZINE Issue 10 - 『Work 2 Schemeta Archirects』
スキーマの建築は学生時代から好きなのですが、作品以上に長坂さんの文章にかなり影響を受けている気がします。建築やより広いデザイン行為は常に予算や期間や物理的な制約の上にあるものですが、彼はその中で小さな発明を続けており、形の発明と概念を発明をセットで行っている。その活躍は留まるところを知らないわけですが、この特集でも近作の中での「見えない開発」や「DEKASEGI」などデザイン・システムの発明に成功していてものすごい。
重松象平さんとの対談なんか特に面白い。2人とも学生時代からのスターだけど、なんとなく領域の異なるイメージがあったので、直接言葉を交わすことがあるんだなと。
作品の写真もどれも美しい。満足度の高い一冊。
友近『ちょっとここらで忘れないうちに』
お笑い芸人、友近のエッセイ本。小学生の頃の姉との掛け合いについての文章を読んでいると、彼女がお笑い芸人になる前からずっと変わっていない様が伝わってきて笑ってしまう。
仕事のマインドセットや、地方都市への視点など、自分も共感するところもありつつ、「いや、なんの話してんねん😂」と、細かすぎて笑ってしまう小ネタも多い。
鳥羽周作『おいしいを作る思考法』
まだ読んでいる途中なのですが、面白い。料理人である著者が、「美味しい」を構造的に分解し、各因子のそれぞれの特徴を説明。その結果、例えば著者の提供するメニューには伝統的なものとは見られない食材の組み合わせをしているものもあるが、それが自分が研究する上で気付いた/築いた構造設計の上にあるということを、明快に説明する。
料理人だけでなく、クリエイターに広くおすすめの本。
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