見出し画像

ディア・ファミリーを観た話

大泉洋さんと松村北斗さんが共演すると聞いて、絶対観る!!と、決めていた映画「ディア・ファミリー」
一言で言うと、私にとって夢の共演。
しかし、内容や予告を見て、思ってました。
あぁ、泣かせたいやつね。と。
泣かせたいお話には素直に泣くタイプなので、ハンカチを忘れずにバッグに入れていざ劇場へ。

でもね、観始めて私の前情報は、誤りだったことに気づいた。

この物語は、決して悲しい話では無い。

ただ、置かれた環境に諦めることなく、前向きに突き進んできた家族のはなしなんだと。
泣かなかったのか?と言われれば、ストーリーの2/3は泣いていたと言っても過言ではない。
なんなら鼻水まで出てきて、ティッシュも必要だったよ。
泣きすぎて頭痛くなったし、終わってからトイレで鏡見たら、目に涙溜まりすぎて、キラキラしてた。
でも、当初予測してた涙とは意味が違って、泣くぞ!!って思わなくても流れてくる自然の涙。
それくらい、ただひたすら真っ直ぐで、素敵な家族愛が描かれてた。

懸命にひたむき、最後まで強さと優しさに溢れた坪井家そのものみたいな佳美役を演じた福本さん。
彼女の醸し出していたかわいらしさと芯の強さがこの物語をただの悲しいだけのストーリーに見せなかった要因の一つだと思う。

印象に残ったシーンが、奈美役の川栄さんと、寿美役の新井さんのそれぞれが泣くシーン。
妹に対して、姉に対して、それぞれに抱えてる思いや葛藤が泣き方で伝わってきた。
それでも、佳美ちゃんの前では泣かない。相当な覚悟だったろうな。
優しい強さをもった仲良し三姉妹ちょっと羨ましかった。

北斗くん演じる富岡役は、毎回言ってる気がするけど、松村北斗が演じる繊細よりの青年役って何種類あんねん。くらい、今回の富岡役も出番はそんなに多くなくても、繊細でちょっとクセのある青年の心情の変化がしっかりと伝わってきて、スト担として誇らしかった。

光石研さんが演じられた大学教授も、人間界で器用に生きていこうとすると生まれるしがらみを上手く表現されていた。
いるよね、こういう人。
あと、もう一人、満島真之介さんが演じられていた役がとても良くて、ルールは守りつつも、陰でアドバイスしたり、坪井さんの熱意を見守り続けた人。
きっと、良い人もそうでない人も描かれていない登場人物が現実では沢山いたんだろうな…

この役を演じられたのは、大泉さんと菅野さんしかいなかったんじゃないかと思うくらい坪井家の諦めない強さ、前向きさ、愛情がスクリーンを通して伝わってきた。
このお二人ならではの、夫婦としての空気感が、五人での家族の空気感が、本当に良すぎて、かわいそうなお話ではなく、観終わったあと前を向いている作品になったのだと思う。
もちろん、月川監督の手腕でもあるけど。
全てのキャストの方々、本当に良かった。

そして、物語のラストとそれを繋ぐMrs. GREEN APPLEの「Dear」。
ミセスのもってる爽快感が、この映画のラストとリンクしていて、今後も続いてゆく物語の希望を感じて好き。

たまたま、坪井さんご家族の映像を見たんだけど、奈美さんも寿美さんも映画のままで、ちょっと暴走気味のお父さんも、朗らかなお母さんも映画のままで、今も家族の中に、佳美さんもちゃんと居るように感じられて、素敵なご家族だった。

インターネットもない時代調べるということは今よりはるかに大変だったと思う。
本当に救いたかった命は救えなかったのかもしれない。
でも、努力も失敗も無駄にはならなかったのは救いだった。
そして、カテーテル治療も含めて、当たり前のように感じてしまいがちな今の世の中にあるものの一つ一つに、当たり前だけど、誰かの苦労や努力や失敗があったんだろうと思った。
すごいなぁ。
ありきたりな言葉だけど、この世界は、すごいことであふれてるのかもしれない。そんなことを思いながら劇場を後にした。

やってみる10年となにもしない10年…
今の自分すら見失いつつある、職探し中の自分としては、考えさせられる。
でも、この言葉は、ちょっとワクワクした。

それで?次はどうする?



あっ、最後に一言。
これだけは書きたい…

ブラボー




この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?