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母親の愛ってダサくて、とっ散らかってて、あったかい。

先日母から荷物が届きました。

原田ひ香さんの「母親からの小包はなぜこんなにダサいのか 」を読み終えた後だったので、タイムリーに届いた荷物を見て、やっぱりダサいなあと思ってしまいました笑

この短編集にも出てくる描写なのですが、母からの小包って決まって"ダサい"んですよね。

この"ダサい"ところを愛嬌たっぷりに表現されているのが、素敵だなと思いました。

実家から離れて暮らす方には経験あるのではないでしょうか。

私は新潟の田舎出身で、母の親戚や知り合い、近所の人が趣味で畑をしていました。

そんなおじちゃん、おばちゃんたちも自分達では食べきれないので、私はありがたくその恩恵を受けて育ちました。

大学進学を機に実家を出た私には、年に何度か母から小包が届きます。季節の野菜や果物に、母が作ったおかずが少し、というのが定番で。

今回は届いた段ボールいっぱいに柿とさつまいも、里芋、かぼちゃが入っていました。

そして隙間を埋めるように、ピーマンとニンニクがばらばらと。

母親からの小包みがなぜダサく感じるのか。

まずは包装。100%空き箱に入ってます。岩塚製菓のおせんべいの箱とかだと、「ああ、新潟から送られてきたんだなあ」って思います笑

中にぎっしり入ってるもんだから、時々箱の形が変形していて、ガムテープが二重に補強してあったり曲がって貼ってあるのも母の性格が垣間見える。

中のものが傷まないように、母はあの手この手で工夫します。

クッション材がわりに新聞紙やチラシを丸めたもの、新品で袋に入ったタオルが使われている。

新聞紙は新潟日報(地元の新聞社)、チラシは原信(地元のスーパー)、タオルはたいてい粗品か保険会社からもらったやつ。

新聞紙やチラシはまあ、処分できるからいいとして、実家じゃ使わないからといって、ここぞとばかりに入れてくるこのタオル達はなかなかの癖者なんです。

母よ、私本当は無地のタオルで揃えたいの。ミッキーやよく分からんキャラクターが書いてない、グレーとかで統一したいんだ。温泉宿のタオルも要らないよ。
(なんて言えないから使うけど。)

仕切りやフタ替わりには食品トレーが採用される。母曰く、クッション性があるらしい。

今回の梱包には初めての工夫がありました。新聞やタオルではなく、エアー衝撃材が取り入れられました。

妹が利用したオンラインショッピングの梱包材を再利用したに違いない。

詰め方も、なんとなく区画分けされてるけれど、整理はされていない。オクラだと思って茹でてたらインゲンが隠れていることもしばしば。

きっと詰めているうちにあれも入れようかな、これも食べてほしいなとかで、どんどん増えていくのだろう。

詰め放題が上手な母に『余白の美学』はきっとない。"せっかく" と "ついでに" が合言葉。

実家も掃除はされて清潔は保たれているけど、なんとも煩雑なのです。インテリアとか気にしない。

そんな工夫を凝らして箱詰めする母の姿を想像するとクスッと笑えてきます。

でも、この小包に勇気づけられることがあるのも事実。

母のひじき煮と祖母直伝•芋の煮ころがしは私の大好物です。

仕事で失敗したときや落ち込んだとき、余裕がなくていっぱいいっぱいな気持ちのとき。炊き立てのごはんと母の手作りおかずを頬張ると、やっぱりホッとします。

自分の心がささくれてる時には、泣きながらごはんを食べたことが何度かありました。

近くにはいないけれど、きっといつも想ってくれてる母。

ダサくて、とっ散らかってるけど、あったかい母からの愛を、私は小包から受け取っているなあと感じました。

ずいぶんと長くなってしまいました。

皆さんが受け取る、もしくは送る小包には何が入っていますか?

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