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オージーの家に招かれて

マーケットで出会ったオージーのおっちゃんブライアン。
前回のエピソードはこちら

私はブライアンとの約束通り、唐揚げを作って再びマーケットを訪れました。その日も前回と同じ場所で彼は野菜やフルーツを売っていました。

唐揚げを渡すと、「今度みんなで家に遊びにおいで。一緒にジャパニーズフードを作って食べよう」と言ってくれて、連絡先を交換。

それから予定を合わせて、友人らと彼の家に遊びに行きました。
ブライアンの家は畑や農場が広がる中にポツンと一軒だけ建っていて、羊や牛、ニワトリがいる。野菜を売ってるから、野菜のファームを持っているのかと思ったら、ブライアンは酪農をしていた。

私たちが到着すると、白黒の犬ラッキーが出迎えてくれました。とっても人懐っこくて、すぐお腹を見せてくるのがかわいい。

犬のラッキー

その日のメニューは豚カツと豚汁、それからデザートに大学芋。豚×豚になってしまったけど、材料がシンプル、かつ日本人じゃない人にも食べやすいものと考えてこれにした。

材料は全てブライアンが揃えてくれた。使う豚肉はブライアンが育てたブタさんだ。

肉がスーパーで作られているなんてもちろん思っていないけれど、卸したての豚肉を目の前にして、改めて私たちは命を頂いて生活しているのだと気づかされました。

みんなで作った夕食。家庭的な日本食が並ぶと、『ディナー』って呼ぶよりもやっぱり『夕食』って感じがする。

私たちは食卓を囲んでいろんなことを話しました。日本でそれぞれどんなことをしていたとか、食事のマナーの違いとか、ブライアンのこれまでの旅の話とか。

ブライアンは豚カツも豚汁も初めてだったけど完食。特に豚汁を気に入った様子で、大根と一緒に食べると香ばしくて美味しいと言っていた。

なんというか、愛おしい時間だったなと思う。ビール片手に、新鮮な食材を使ったご飯。カントリー調の音楽が流れる部屋で楽しい友人たちと笑い合う。私はお腹が満たされる前に、胸がいっぱいになってしまいました。

外に出てみたら、満点の星。あんな風に、大の字で芝生に寝転んで眺める星空はとっても贅沢でした。ブライアンと友人になれたことに感謝し、なーんにもないこの場所だけど、私を幸せにしてくれるものがここにあるのは確かでした。

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