見出し画像

世界を変えた小西康陽

これは御存知「女王陛下のピチカート・ファイヴ」(1989年)です。

画像1

これを当時買った時、アルバムの内容もさることながら、そのCDのパッケージに驚いた記憶があります。特にCDのトレー部分。

画像2

うわ!トレー部分が透明じゃないか!しかも印刷デザインされている!?

(上の「ベリッシマ!」と比べて見てください)

え?そんなの普通じゃないかって?

いや、実はこの今では当たり前になった「透明トレー」を採用した世界初のCDが、なんとこの1989年のこのアルバムだったのです。しかもこれはメンバーの小西康陽さんのアイデア。

厳密に言うと、透明のトレーそのものは既にあったらしいのですが、それはあくまでCDのピクチャーラベルを見せるために透明のケースを作ったらしく、このようにトレイシートの裏面まで印刷することによって内側にデザインを施すという試みが世界初だったということです。

この画期的なデザインは、おそらく音楽業界を震撼させたに違いありません。翌年ぐらいから、いろんなアーティストがこのCDの透明トレー方式を採用し始めるのです。

そしてその透明トレー方式は海外のアーティストにも飛び火し、その後の「透明トレー部分にデザインを施す」というCDがむしろ通常仕様になっていくのです。

まさに世界を変えた小西康陽!

小西さんは、その後「あの時、特許を取っておけば、今頃は億万長者だった」と冗談半分に嘆いておりました。いや、冗談じゃなく、本当にそうなってたかも。

この「女王陛下〜」は他にも画期的な仕様になっていて、まず国内盤CDなら通常あるはずの帯がなく、シュリンクにタイトルのシールが貼ってあるだけの非常にそっけないものでした。これも当時の国内盤としては珍しいパターン(輸入盤CDっぽくしたかったのか)

これを中古盤で探している人は「なかなか帯付きが見つからない」なんて思うかもしれませんが、もともと帯はありませんので。しかし次の「月面軟着陸」では何故か普通に帯が復活します。「帯ねぇぞ!」ってクレームがきたのかなぁ...。

あとこのCD、ジャケがブックレットではなく「ジャケを一部に取り組んだポスター型」になっているのも驚きでした。これも当時は他であまり見たことがない。

画像3

ちなみにこのアルバム、後に再発された時に曲が減ってしまったのが何とも残念でした。おそらくサンプリングの問題なのでしょうか。確かに天下のストーンズを思いっきりサンプリングしていたりするからなぁ。

やっぱり、このアルバムは「ゴーゴー女王陛下」で終わるこの初版CDじゃないとね。ファンとはつくづくめんどくさいものです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?