暗いライブハウスでの撮影に強いカメラとは?
ミュージシャンは、日々さまざまな場所でライブをやっています。照明環境が整ったライブハウスであれば、スマホでもそれなりに明瞭な画が撮影できます。
しかし、照明を敢えて暗くするライブハウスも多々あります。私自身も自宅で音楽を集中して聴きたい場合には、部屋を暗くします。
人間の眼は非常に優れていて、微細な光だけで、それなりに物をとらえることができます。しかし、そのような環境では、スマホのカメラで撮影すると、もはや何を撮影しているかわからない状態になります。
知人にスマホで撮影していただいた動画ですが、もはや演奏者の表情はわからない状態です。
暗い環境でも、表情がわかるくらい明瞭に撮影するには、どんなことを意識したら良いでしょうか。
まず、重要になってくるのは、カメラの選定です。カメラの選定を誤ってしまうと、「ISO」「シャッタースピード」「F値」などのパラメータをどういじっても、暗闇に勝つことはできなかったりします。
では、どんなカメラを選ぶべきなのでしょうか。
最初に答えを言うならば、「1画素あたりの面積が広いカメラ」となります。
世の中には、高感度カメラと呼ばれる、暗闇に強いカメラをあります。SONYのα7sや、LumixのGH5Sなどです。2つとも「S」が付いていますが、これは「Sensitivity(感度)」の「S」を示しています。
たとえば、Lumix GH5Sは、同シリーズのGH5と比較すると、画素数が半分近く少なくなっています。
この「高感度カメラの画素数は基本的に少なめ」という性質は、SONYのα7Sとα7Rでも同様に見られます。(α7Rの画素数=3680万画素である一方で、α7Sの画素数=1240万画素。)
一般的に、より高精細な画が撮りたいカメラマンは、高画素数のカメラを選択します。しかし、暗い所で明瞭な画を撮影をしたいカメラマンは、画素数の少ないカメラ...ではなく、1画素あたりの面積が広いカメラを選ぶことになります。
「フルサイズ」「中判」「APS-C」「マイクロフォーサーズ」など様々なセンサーサイズがありますが、これはセンサーの総面積を見ていることになります。
つまり、画素数を少なくすることで、1画素で受けられる光量をできるかぎり多くしようとしているわけです。
この式をみると、スマホのようなカメラは、分子「センサー総面積」がそもそも小さいため、どうしても1画素あたりの面積は小さくなります。ちなみに、iPhoneの背面のメインカメラは、iPhone6S以降で1200万画素で一定しており、増加しておりません。これは私見ですが、これ以上画素を増やすと、1画素あたりの面積が小さくなりすぎて、却って良くないのではないかと思われます。
この理屈から考えると、私の場合、スマホのカメラで新製品が出てきて、「暗闇に強い」とPRする製品が出てきても、そもそも最初から期待していません。GoProなどのアクションカメラも同様に期待が持てません。そして、先日ZOOMのQ2n-4Kも試しましたが、やはり暗部にノイズがたくさん出ます。
つまり、「小型カメラは、基本的に暗闇には弱いだろうな」と思っています。もちろん期待を裏切ってくれる小型カメラの登場は待ち望んでいますが。
SIGMA fpは、小型カメラでありながらも、フルサイズのセンサーサイズで、相当期待しましたが、CinemaDNGが非圧縮で500GバイトのSSDに28分しか記録できないため、ストレージ管理の難を考え、購入をあきらめました。
ちなみに、こちらにSIGMA fpのレビューはまとめています。
今回は、暗闇に強いカメラについて、まとめてみました。
このカメラは暗闇に強いかどうか?を判断する際には、センサーの総面積と画素数を見ながら、1画素あたりのセンサー面積を意識してみましょう。
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