109CINEMAS 35㎜フィルム版で観た 映画『オッペンハイマー』
8月15日終戦記念日、わたくし俵省太郎48歳、もとい、8月17日で49歳になったわたくし俵の省太郎は、お誕生日記念ということもありまして、新宿歌舞伎町タワー内の9階と10階にございます、109シネマズプレミアム新宿に行ってまいりました。
そうです、再上映の『オッペンハイマー』をプレミアムな環境で鑑賞してきたのです。
まずは、CLASS Sチケット(6,500円)を額に貼り付け我が物顔で入場し、人生最高の映画鑑賞をしてきたのであります。
※通常のCLASS Aチケットは4,500円
『オッペンハイマー』 35㎜フィルム版
現在はデジタル上映が主流だが、日本では東京の109シネマズプレミアム新宿と広島の八丁座の2館で35mmフィルム版の上映が実現
クリストファー・ノーラン監督はフィルムへの強い愛着を持っているらしく、撮影は全てフィルムを使用。実際に見たものと違うアナログならでは色の深みがフィルムの魅力だそうだ。
CDよりもレコード、電子レンジよりもオーブンでじっくり温めながら焦げ目を付けたい、といった感じのちょっと気取ったこだわりを持った面倒くさい大人男であることは間違いないだろう。
109シネマズプレミアム新宿 プレミアムラウンジ
6,500円のチケットを額に貼り付けた者だけが入場できる空間
『オッペンハイマー』の感想
35mmフィルム版での鑑賞です。通常バージョンは観てないのですが、久しぶりにフィルム映画を観て懐かしい気持ちになり、映画の世界観にも合っていて素晴らしい映像体験でございました。
あと、凄かったですね、音が。
日本で一番の音響だと自負している109プレミアムシネマズ新宿での鑑賞、というのもあるでしょうが、物語が進んできて、丁度もうあと数秒後に眠くなるなのカウントダウン開始、というタイミングで、突如、爆発音が「ボンッ!」と聴こえてくる、聴こえてくるというより、体内に「ズミシーンィィ」と響き渡るといいましょうか。本当に素晴らしい音響でした。
~ 感想のつづき ~
その後も、もうこれ以上会話続いたら寝るだろう、と観客の誰しもが感じている絶妙なタイミングで、効果的な爆発音。
もうポップコーンもだいぶ食べちゃってお腹が膨れて何だかぼんわり眠くなってきちゃったなぁ、というタイミングでも「ボッファァッ!」と爆発音を鳴らすので、これはもうさすがクリストファー・ノーラン監督ですね。
ノーラン監督は編集作業をしながら、
「コノ辺デ絶対観客眠クナリマスカラミルマスカラス、爆発音ヲ入レテミマショウコスギハケインノチチデニンジャノヒト」
「ココハ、48歳ノ眠気盛リノ中年男ヲ叩キオコス感ジガイイカモメンタルノキドッタヤツハオワライイガイデセイケイヲタテテイクツモリダネ」
と計算してますよね。
音と映像の表現がやはり、斬新という感じではなく、明らかに他の映画と違いますね。クオリティが高いのと、間の取り方、どの場面で、どの映像を入れるか。音もどのぐらいの質で、どの程度の音量で音を入れるか、というのの、こだわり、をビシビシ感じます。
セットといい、カメラワークといい、ここまで作りこんでいたらそりゃ満足しますね。
ここからネタバレになりますけど、
冒頭の青りんごのシーン良かったですね。シンプルでグッと心をつかまれました。
あとはね、えー、爆発はさっき言いましたよね、えー、えーと、
オッペンハイマーさんの何かにこう、追い詰められているときの背景がグオォングオゥゥオン、ってなるところ、良い心理描写でしたね、
恐怖だけではない、なんというか、えー、えーと、んー、
あとはね、科学者のサガってやつですか、サガがね、科学者特有って言うんですか、あのサガが、良かったですねー、
あのー、んー、そうそう、それとやっぱり、アインシュタインとのあの、あーいった、やり取りが、やっぱり科学者同士のね、なんといいましょう、んー
んーー、うむーー
んーと、えーと、えーーーー あーー、んー
ボッカーン!!!!
爆弾って怖いなって映画でした
もう一人の俵省太郎さんの感想
すべてが良い塩梅と言いましょうか、リアルな部分、映画的な表現、大袈裟な表現を控え、最小限の抑えた見せ方で恐怖と不安を感じさせてくれます。
この映画の肝の部分は、禁断の物を作る際に様々不安や悩みはあるんですが、おそらくオッペンハイマー本人に、作らない、という選択肢は感じられないんです。その怖さですね。身体が先に動いて、悩みはいつも後から遅れてやって来る、のような。
完成間近に、爆発の連鎖反応で地球全体が燃えるどえらい危険な可能性を示唆されても、一応気にしているような素振りはしてますが、もはやそんな事はどうでも良い、というような科学者の好奇心というか、この映画の中でのオッペンハイマーという人物は、終始、後々のことはやってしまってから考える性格なんです。
学生時代に好きな教授の青りんごに青酸カリを注射するとこから一貫していて、ヤバいことを思わずやって、次の日の朝に我に返って急いで毒を仕込んだ青りんご回収しに行くんです。
大人になったら多少常識的になっているかと思いきや、なんやかんや理由をつけて、言い訳がましく、然もナチスが先に完成したら大変だ、とか、戦争を終わらせるには絶対に原子爆弾が必要なんだ、とか表面的には常識人ぶってますが、これが俺の使命だと思ったら勢いで突っ走り、舞い上がって軍服なんか着ちゃうから、仲間の科学者に嗜められる。
成熟していない何となく歳だけとったおじさんという人物の描き方が面白かったですね。
意中の彼女はいるのに、コロッと人妻と付き合ってすぐ結婚しちゃうし、隙あらば元カノと密会もするし、実生活は実にいい加減で人間味溢れていました。
ロスアラモスの爆破実験が成功した後のスピーチ、あそこで女性の顔に爆風、床に転がった黒焦げの死体、という幻を見たオッペンハイマー。
原子爆弾完成したところでやっと、やべえの作っちゃった、と我に返るシーンを幻という映像で表現していたんですが、一見あっさりめなので物足りないというか、原子爆弾が落ちた後の惨状を写真や映像で見たことがある人には、現実はもっと酷いし、表現が生温いよ、と思うかもしれませんし、私も一瞬そう思ったんですが、やはり映画全体のバランスと作品のテーマを考えると、表現をあえて最小限に抑えて正解だったと感じました。
作ったらとんでもないことになるんだけど、作れるんだから、まずは作ってから考えよう。
でもこれ取り返しつかないし、後々地球滅びることになるだろうけど、まあ仕方ないみたいな人間の集団心理的無責任さがやはり1番怖い、というより、馬鹿馬鹿しいです。
あとは、オッペンハイマーの矛盾していて一貫性のないところ、良かったです、面白い描き方。
変人の科学者って感じではなく、やっぱ人間ってこうだよな、誰しも共感できるように描いていて、だから余計に考えちゃうし、怖いですよね。
もう後戻りはできない虚しさと、諦めを知っておこう、という映画でした。
私の戦争についてのご意見
私見ですと、戦争などというものは血の気の多い男たちの金玉を全部根こそぎ引っこ抜いたら終ると思っており、一度、これから生まれてくる男児全員の金玉を引っこ抜いてみる、という実験を行ってみれば、近い将来多少の小競り合いぐらいは勃発するかもしれないが、大規模な紛争や戦争は起こらないのではないか、という考えを私は持っています。
なので私は、あくまで私見で偏った見解だと自分自身分かっていますが、戦争のことを、口に出しては言いませんが、戦争=大金玉祭りと心の中で呼んでいます
戦争に至る仕組みとしては、基本的に「喧嘩してぇ」「苛々収まんねえ」「尾崎豊最高」と曰う鬱屈した不良少年の成れの果てが馬鹿理論によって社会の中枢に入り込み、金玉をフル回転させ、同じ感性を持った金玉らを金玉言語で洗脳ならぬ洗金し、大規模な金玉軍団を結成して、国を守るためには武装勃起しかあるまいて!と掛け声を発しながら、平和の為には異人種排除、我が国家最高、と所詮玉金的発想に基づく所業なので、大体がめちゃめちゃになって最後萎んでしょんぼり終わる、というド迷惑な行為が何千年と続いているのです。
たまたまその国に生まれて、たかだか二十年だか三十年だか暮らしているだけで、目上の者にあっという間に洗脳され、国を背負った気になって、人の迷惑省みず、ストレスの吐口に勝手に敵を作って周りを巻き込んで、家には戦車とか銃の模型とかたくさん飾ってドンパチやりたいだけのクソ軍事オタクが悦に浸ってハチマキ巻いて自慰行為でもしてるマヌケな者たちの犠牲にはなりたくなーい
と、怒ったところで、このサイクルは永遠と続くのであります。人に金玉がある限り。
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