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生粋のチクリ魔

こんばんは俵省太郎です

私のようなチクリ魔が3人いれば日本社会に蔓延る闇システムを完全崩壊させる自信があります。
私はそれほどに執拗かつパンチの利いた生粋チクリ魔です。

いま世の中に必要な人材、それは、企業・家庭・学校など様々な場の陰で暗躍する隠し事やタブーを全てぶちまけ、秘密主義のいけ好かない人たちの思惑を全て無に帰すチクリ魔です。
チクリ魔こそがガチガチに固定化された体制という名の壁を打ち砕く大きな波を作り出すことができ、風通しの良いクリーンで心地よい世の中を作る為の最も重要な役割を担っているのではないでしょうか。

チクリ魔、というと聞こえが悪く良い印象を持たれないかと思います。
しかし、本当にチクリ魔はうしろ指さされ、嫌われる存在なのでしょうか。
内部告発、世間を騒がせる事象の際に呼ばれる名称もあります。しかし、そういった大きな悪事に速やかに対処していく為にも、常日頃の小さなチクリに慣れ親しみ、呼吸をするかのように告げ口していくことが必要不可欠なのです。

学校のチクリ魔

学校内でのチクリ魔とは、クラスメイトの輪に忍び寄り、コソコソと盗み聞いた秘密を教師に言いつけ良い評価を受けたいと考えている、子供たちの間では最低最悪の存在と認識されがちです。

ですが、それは実のところ、隠さなければならないような悪事を働いている子供たちの、狭い自分本位の世界の中での愚かな認識であり、教師や第三者的立場からの視点でチクリ魔を見ると、悪を正そうとする正義の助っ人的高尚な存在なのではないでしょうか。
正義の鉄槌を下す力を持つ人間、そういった権力者に速やかに情報提供をする、言わば物事を解決へと導かんとする大事な架け橋こそチクリ魔なのです。

私は幼い頃より末っ子という性質も相まって、親や教師にすぐ告げ口をするチクリ魔でした。泣きながらチクったり、普段の数十倍深刻な言い回しで他愛もないチクリをしたり、大袈裟に誇張してチクったりはしていましたが、まあ、とにかくを言ったりはしませんでしたね。
を言ってしまってはチクリ魔の信用に関わってきます。大切なのは、真実を如何に巨大に見せるか。小さな蟻をも巨大怪獣のように見せる高性能ルーペのような役割もチクリ魔と言われる者の卓越した技術の一つなのです。

そして勿論、私のような存在は、家では兄から、学校ではクラスメイトから当然のごとく嫌われており、チクリがバレると兄からは影で陰湿な暴行を受け、学校では「チクチくん」「チクリ大将軍」と罵られていました。
まあ、ありとあらゆる秘密の出来事を密告する存在でしたからね。

チクリエピソード

小学6年生の頃、クラスメイトに罵られて困っていた私は、ついに堪忍袋の尾が切れ、暴力を用いて暴言を吐く相手を制圧してしまいました。
休み時間、廊下で倒れこんで泣くクラスメイト、鼻息の荒い私。
事も収まり、しばらくして担任教師が教室に戻って来た次の瞬間、私は自分自身が行った過ちを担任教師にチクリました。

私君「休み時間に僕は、○○君を床に押し倒しお腹を2度蹴っていました」
教師「え?」
○○君「あっ、、、」
私君「僕が、○○君を泣かしたとです。今は泣き止んどるけど、○○君を蹴って泣かしたんは僕です(博多訛り)」

私は、ついに自分で自分をチクったのです。

幼くしてチクリの極意を身につけてしまった私に、もはや恐れるものなどありませんでした。

熟練チクリ魔の理念

私レベルのチクリ魔を私自身が客観的視点で見て厄介だと思う点は、

・金銭による買収
・ハニートラップによる脅迫

等が全て通用しないところでしょうか。
なにしろ、そういったことが全部チクリの材料になるのですから。億単位のお金を目の前に積まれようとも、それを受け取って様々な買い物をした上で当然チクリは止めませんし、
ハニートラップに引っ掛かり、コンドームに巻き込んだ毛をじわじわ一本ずつ外している動画や、肛門の毛にティッシュを付けたまま珈琲を飲んでいる恥ずかしい写真をばら撒かれようともチクリ続けてしまうでしょう。

しかし、暴力による脅しは物凄く怖いので、速やかに警察機関にチクって然るべき対応に期待したいですね。
そう、ここが大事なところなんですが、絶対的正義の権力があってこその我らチクリ魔なので、皆さんの力でチクリ魔を悪の手から守って頂きたいものです。
チクリ魔の魔を 真 に変え チクリ真 と書いてもいいんじゃないかとも思っています。

【 他人の恥を公けにできるのならば自分の恥は喜んで差し出そう 】

それがチクリ魔基本姿勢です。

何故ならば、我らチクリ魔は、

調子に乗っている人物が、一人の瘦せ細ったか弱い人間のごく僅かな口の動きから発せられた米粒大の言葉により、悶絶しながらしがる姿に移行する過程

が何物にも代えがたい、宝物、だと思っているからです。

職場でのチクリ

今現在も、職場でチクリ魔として活動・活躍しています。
カフェのアルバイト店員をしているのですが、主に若いバイトの適当な仕事ぶりを店長にチクっています。チクるのに忙しいぐらいチクっています。

私はアルバイトやパート特有の仲間意識という圧力が心底大嫌いで、若者バイトが得意とする社員不在時のなあなあ仕事に鉄槌を喰らわすことを使命としており、職場環境を改善させることに喜びを感じています。

何故そんなことをするのか、具体的な例を挙げると、今働いているカフェの場合、まずなあなあ仕事により確実に店が汚くなっていきます。そしてそれを見たお客が、この店汚い、となり、若者バイトだけでなく、ベテラン店員の私を見て、あんた汚い、長髪パーマの髭オヤジ汚い、髭に白髪混じってんじゃん、汚い、との印象を与える結果になる可能性がアリアリだからです。

そんなことより、一見、若者バイトと楽しく和気あいあいとコミュニケーションを取っていると見せかけて、事細かに一語一句心を込めて確実チクっているおとり捜査官的立場が好きな部分が大きいかもしれませんね。

より良いチクリへ


チクったことにより兄から報復暴行を受けた私は、その経験から多くを学び次第に賢く振舞いチクリを研究するようになりました。学校という大勢の共同生活の中でもチクりがバレたとすると、報復がどのような陰惨なものになるのかを容易に予測することができますし、皆さんにも賢いチクリを身につけて頂きたいものです。

悪巧みの輪にすぐに溶け込み周囲と一体化するには、高度なコミュニケーション能力と存在感の薄さが必要不可欠です。
正義の心を常に両腕でしっかり抱きかかえ、どのようにすれば自分がチクリ魔とバレずに欲にまみれた悪の所業をいかにベストな間合いで担任教師や上司に告げ口するのか。長年の積み重ねによる修練の成せる技であることは間違いありませんので、これからチクリ魔を目指す方には是非日々の鍛錬を忘れないでほしい、そう願うばかりです。

チクリ魔として

チクられる側 より チクらない側 の人々にどうアプローチしていくか、チクられる より チクらない が時に強大な悪に成り得るのだ、との懸念をしながら日々のチクリに専念していこうと思っています。

チクリ魔ができること、それは口をモゴモゴと動かすだけなのです。
私は、誇りを持って口をモゴモゴと動かして告げ口をしていくのです。   



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