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「いつかあなたに会いたい」と思っていたあの頃


ネットワーク交流論


私は昔から海外ドラマが大好きである。近隣のDVDレンタルのお店で借りて見たドラマの続きが見たくて仕方なくてNetflix契約を行った。

しかし最近は周囲の付き合いでアニメ(特に異世界転生もの)を見ていることもある。ラノベはイラストが苦手であまり読まないし、それを原作としたアニメも面白いものはあるが中途半端に終わるものが多くて不満である。それを言ってしまうとアメリカのドラマもそうだったりするわけだが。

昨夜、何を思ったのか夜中に酒でべろんべろんになりながら見ていたアニメがある。それがこれ。

主人公の高校生がネットで知り合った同い年の少女と仲良くなっていく話。設定が意外と面白そうだなと思って見始めた(確か)。

ネットゲーム内で交際したり結婚したりするということはままあるらしい。個人的にはあまりよくわからない価値観だが、最近ネトゲで知らない男に告白されたという子の話を聞いたのでどうやらリアルにあるようだ。

出会い厨(?)はともかく昔若いメディア論の先生がネットで友達を作ることのおもしろさを説いていたのを覚えている。確かにネットで知り合う関係というのは興味深い。

ネットがなければ絶対に出会うことはなかったであろう、遠隔の地に住む共通の趣味の者たちが交流する。実際に対面して出会うまでネットを通して文字なり声なりで交流があり、外見すら知らない相手に(いや、知らない相手だからこそ)誰にも明かせない自分の悩みを聞いてもらって心が結びついていく。

もちろんネットで詐欺や性犯罪に巻き込まれるリスクもあるので諸手を挙げて賛同はしない。しかしそれを踏まえた上でならむしろ推奨したい思いもある。


ネット恋愛の功罪


ネット(オフ会)で知り合った女性と結婚した先輩がいる。引っ越してしまったのでずいぶん会っていないが、夫婦仲は良好らしい。これはオンラインのコミュニケーションのプラスの部分ではなかろうか。関係ないが、たまにSNSにアップされる彼の幼い息子の写真がかわいい。

私も一度会ったことのある女性にTwitterで熱烈アプローチされて付き合ったことがある。しかしエアリプで恨みつらみを吐かれるようになり、嫌になってケンカ別れしてしまった(相手にも言いたいことはあるだろうが)。それ以来Twitterのアカウントを取っ替え引っ替えしており、長続きしない。

一度だけ長く続いた趣味のアカウントもあった。しかしなぜかオンラインで「は」モテてしまい(涙)、仲良くなった2人の女の子から同時に好意を寄せられ、その後その2人が仲違いするなどネット特有のトラブルにもさんざん巻き込まれた。
また年下の女の子大好きの私だが、それでも20歳そこそこの年齢の若い女の子に男として見られるのはつらいものがあった。

年齢的には私が20代女子と付き合っていても特に不思議はないのだろうが、それでも限度がある。年齢差に関する好みは人それぞれなので押し付けるつもりはない。しかしいくつになっても高校生女子を追っかけ回している男の人たちの趣味嗜好は私には理解できそうにない。


同業の友達との出会い


そういう私だが、今もネットを介した最良の出会いだったと思っている相手がいる。片道1,000キロ離れているし、今はほとんどネットに浮上して来ないが、数年に一度お会いしてはお話しさせてもらっている。

私は仕事アカとしてTwitterを始めた。フォローするのもほとんどが同業者だった。その最初期にフォローしてくださり、最初にリプライをもらったのもその人である。Twitterに先立って仕事に関するブログをしており、そちらを見ていたために私のことを知っていたらしい。

仕事についていろいろ相談したりくだらない話で盛り上がったり。落ち着いた物腰のベテラン男性だと思っていた。しかしつぶやきに「美容院に行ってきた」とあり、どうやら女性らしいということがわかってきた。しかも私よりせいぜい5〜6歳年上ぐらいで、30代前半と年齢も近い。

その後、仕事の会報誌で私の本名がバレ(なのにそれから2年近く私を女性だと思っていたらしい 笑)るなどお互いに距離が近づいていくのを感じていた。

完全に恋愛感情がなかったとまでは言わない。しかし仲良くしてくれるお姉さんであり、友人であり、仕事の先輩であり、顔は知らなかったが私にとって大事な人であることは違いなかった。


ついに対面する日

同業者であるし、いつか全国規模の会合で顔を合わせることは予想していた。そしてそれが現実になろうとしていた。

来年の夏に○○県の集まりに参加する。

お互いTwitterで明かしていた。私もあの人も「現実に見てがっかりしないでくださいね」と言い合っていた。

だが私は気持ちが抑えられず、気持ち悪い行動に出てしまう。その方がfacebookをされていると知っていたので、細かな手がかりからその人の名前だけでも知りたいと特定作業をし始めたのだ。

もはやネットストーカーである。そんなことをしなくても数ヶ月後には顔を合わせるというのに。

苦労の末に名前だけは特定できた。でもあの時私が名前を特定していなかったら、あの巨大な会場で顔を合わせることも、会って話をすることもなかっただろう。

夏の会合での私は名刺を持ってその人に声をかけた。泊まっているホテルの部屋が隣同士という奇跡もあった。私に唐突に話しかけられて面食らって、会話も盛り上がらなかった。それでも、その人に会いたいという気持ちは抑えられなかった。

「嫌われたかな」

帰りの電車で溜め息を漏らす私。しかし数十分後、いつもの軽快な口調のリプライで「このたびはありがとうございました」と届き、私のメンタルは急上昇した。

「あなたに会いたい」

その気持ちを昂ぶらせてやらかした私だが、それでも関係が崩れることはなかった。

それからのこと

あれからずいぶん経つ。数年に一度顔を合わせては仲良く話をする間柄である。
ちなみに私が人生で唯一手書きの手紙を送った相手でもある。ラブレターではないが、死ぬほど恥ずかしかったこともいい思い出かもしれない。

本音を言えば、私があの人の住む県に移住することがあれば熱烈アプローチして結婚を申し込むと思う(縁結びの神社に参拝されていたとのことで、結婚願望はある様子)。受け入れてもらえるかは知らないが(笑)

どうやら一度深く心を通わせた(と勝手にこちらは思っている)経験があると、信頼感がいつまで経っても消えないらしい。

だが我々の仕事は他県に移って続けることが事実上不可能だったりする。そのため私があの人と結婚する未来があるとすれば、私はもうこの仕事に二度と就くことはできないだろう。

しかし仮にそんな行動を取ったところで、あの人は喜ばないだろうとも思う。この仕事が好きだからこそ私たちは知り合えたのだから。


まあ運命なんてどう転ぶかわからないものである。だから今も少しその可能性を考えてしまう。


時に煩わしいネットでのコミュニケーション。しかしこんな素敵な出会いをくれるなら、悪くないなとも思ったりもするのである。


※今日はなかなかに気持ち悪い文章になってしまいました。お目汚し(誤用)すみませんm(_ _)m

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