[救世主]血管腫に効果あり？シロリムスの治験について

岐阜大学医学部付属病院小児科の小関道夫先生らのグループは、京都府立医科大学小児外科と協力して、血管腫・リンパ管腫に対してシロリムスが有効であるかの治験を開始しています。

まだ、治験の段階ではあるが、これからの血管腫、リンパ管腫の治療に置いて期待の持てる報告があります。

今回は、そんなシロリムスについて記事にしてみたいと思います。

本記事の内容

・シロリムスとは？

・シロリムスの副作用

・シロリムスを飲むと血管腫にどんな効果があるの？

シロリムスとは？

シロリムスとは、主にリンパ脈管筋腫症に使用される薬であり、肺の機能の低下を防ぐことができます。壊れた肺の機能を戻すものではないですが、これ以上の肺機能の悪化を抑え２０１４年に日本でも治療薬として使用することが許可されました。

シロリムスの副作用

リンパ脈管筋腫症に十分な知識を持った医師の判断の元で、シロリムスを使用しないと重大な副作用が起こることが報告されています。

シロリムスを投与した、患者全員に副作用が確認されており主な症状は以下の通りである。

・口内炎

・鼻咽頭炎

・上気道の炎症

・発疹

・下痢

また、これ以外にも重大な副作用もいくつかあります。

間質性肺疾患

肺に炎症が起こり、硬くなってしまう病気で、息切れなどの症状が起こります。間質性肺疾患シロリムスによる副作用で一番気をつけなくてはならないものです。海外では、シロリムスを投与したことで死亡した例もあるため、投与を継続するには慎重に検討する必要があります。症状が出た場合は、服用をやめたりステロイド薬の治療により症状が回復します。

感染症

シロリムスには、免疫を抑制する作用があるため、肺炎や敗血症の症状が出る場合があります。初期症状が風邪に似ていることもあるので、咳や発熱が続く場合は早めに病院を受診するようにしましょう。

消化管障害

口内炎や下痢の副作用は特に多いです。症状が出た場合は、薬の量を少なくするか、薬を飲むことをやめる必要があります。

ネフローゼ症候群

腎臓からタンパク質が漏れ出してしまい、全身のむくみに繋がってしまいます。自覚症状として現れることも少ないため、徐々に病気が進行してしまいがちです。

シロリムスを飲むと血管腫にどんな効果があるの？

現在の治療法では硬化療法やレーザー治療、LVA治療などがありますが、従来の治療では効果のない場合は一生涯に渡って、症状と向き合わなくてはなりません。有効な薬剤もなく手をこまねいている状態です。

近年、シロリムスは症状を改善させたり、腫瘍を小さくさせる効果があると国内外で研究が行われています。

海外の研究によると、０〜２９歳の患者にシロリムスを投与すると、難治性の脈管異常に対して高い確率で効果がありました。

現在、岐阜大学、京都府立医科大学、九州大学、慶應義塾大学と共同で治験を行なっており、私たちが薬を試せれるのもそう遠くないかもしれません。