葵と紅寧 3

前回のあらすじ
小さい頃から勉強し女子中学へ入学した早乙女紅寧。入学後入ったデジタルイラスト部で八乙女葵に出会う。葵が絶対に見せない絵を見たことによって大きく変わった二人の関係の行方は…

「いいよ、じゃあ明日待ってるね」
付き合って一週間しないうちに先輩から遊びに誘われた。どこがいいか聞かれたので「先輩の家、もう一回行きたいです」と言ってしまった。恋は盲目というが、告白の時といい今回だって咄嗟に言っていることがとても多い…これからも付き合っていくならもう少し考えた方が良い。こんなことを考えながら支度を済ませ家を出る。
家を出て数分先輩からのメッセージが届いた。
「おはよう、紅寧さん。こっちは準備できてるからいつでも大丈夫だよ」
「おはようございます!私はさっき家を出たので十分ぐらいで先輩の家につけると思います!」
「分かった、気をつけて来てね」
先輩は会ったら気さくに話してくれるのだがメッセージでのやりとりはどこかそっけなさを感じる。でも、会った時も気さくではあるがこれもまたどこか弱々しさがあるというか…もしかして先輩は少し気が弱い人なのか。でも、気が弱かったら部長になんかなれないだろうし…もしタイミングがあったら聞いてみようかな。
家に着き先輩に連絡するとすぐにドアを開けてくれ、入れてくれた。今日先輩の家には誰もいなく、親が仕事から来るのも遅いので一日中家に二人きりになる。先輩と一日二人きりなのはすごく嬉しいのだが正直とても気まずい。初めてできた恋人の家にこんなにも早く行くなんてきっと普通ではない。でも、行きたいと言ったのは私だしな…さっきから話すことが世間話しかない。「紅寧さん、前の続き見る?」先輩から話しを振ってくれ内心今すぐにでも見たいと言いたいががっついては幼稚なので「いいんですか?」とワンクッションおいてみた。「うん、前はちょっとしか見せられなかったし」たしかに前はほとんど見ることができなかったので今日は今日はたくさん見せてもらおう。「じゃあ、もっと見せてください」

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