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卒業ラッシュの乃木坂46 坂道Gから見える人生の戦略

・はじめに

人気女性アイドルグループ、乃木坂46から昨日もまた一人卒業が発表された。

新内眞衣である。これで最近だと高山一実寺田蘭世生田絵梨花に続く形での卒業となった。最近の乃木坂46は絶えず誰かの卒業が話題になっている状態であり、ただ同時に新規メンバーの募集もしている状態であるから、積極的な世代交代を図っている印象である。

女性アイドルの場合、ジャニーズ等男性アイドルと違い年齢的な「限界」が若いため、普通は20代前半~中盤で卒業しそれぞれの道を模索しはじめるのが通常である。折しも先日デビューした「なにわ男子」の年齢がほぼ20代なのとは対照的である。新内の場合、現在29歳と女性アイドルとしてはかなり「高齢」であるが、特筆すべきは「長らくOL兼務だった」ということだろう。社会人経験を積みながら芸能活動をしていたというのが、あまり将来のことを不安になることもなく、この年齢になるまで活動できた理由なのかもしれない。いざとなったらすぐOLになれる、というのは大きな武器だ。

秋元康氏プロデュースの女性アイドルユニット(AKBグループ、坂道グループ)は、ジャニーズと比べ圧倒的に「人数」が多い。乃木坂46は大体40人前後、櫻坂46、日向坂46は20人強のグループのため、言うまでもなく加入できても全員が「ほぼ売れる」わけでは全くない。スターダムをのし上がるメンバーもいれば、ずっとコアファン以外には知られずひっそり卒業せざるをえないメンバーもいるのが現状である。従って加入後「いかにして売れるか」、また「卒業後のライフプラン」に関しても個人の「腕」が試される、かなりシビアな世界という印象である。

ただし、たかがアイドルと言えど少し細かく見ていくと我々一般人にも通じるところがあるように思える。思いつくままに上げてみたい。

・乃木坂46「エース?」の場合

おそらく乃木坂46メンバー中で、知名度が最高なのは

山崎怜奈である。テレビ、ラジオでレギュラー番組を持ち、Qさま!!などをはじめゴールデンタイムでの露出も多い。今年初めには幻冬舎から書籍を出版している。学歴も高く、慶大卒で多芸なところを見せている。この山崎から乃木坂46を知った人も多いのではないか。一見山崎を乃木坂の「エース」と思い込んでしまう人も多かろうと思う。

ところが、音楽番組での乃木坂46のステージを見てみても、山崎を見つけることはできない。これは乃木坂46の「選抜」システムが影響している。
乃木坂46はシングル表題曲を歌うメンバーが所属のほぼ半数に限定されている。いわば「1軍」「2軍」に分けられているためで、山崎はこの「選抜」に選ばれたことが(今のところ)1度もない。それなのに知名度はピカ一というユニークな現象が発生している。

アイドルの場合、モノをいうのは歌唱力、ダンススキル、演技力など、努力より「才能」が必要な分野だ。あとは顔やスタイルだろうか、これこそ親からの貰いものである。ならばこそ「勝てる分野で勝負」するのも立派な戦略の一つである。乃木坂46の場合、NHKの将棋番組にレギュラー出演している向井葉月も同様のパターンだろうか。

・櫻坂46はいかに

とここで、新内の卒業と時を同じくしてこんな情報が舞い込んできた。

週刊新潮の報じるによると、櫻坂46メンバーの原田葵がフジテレビのアナウンサーに内々定しているという。無論飛ばしの可能性もなくはないが、週刊新潮ならばかなり信憑性は高かろう(本人や事務所はいい迷惑かもしれないが)。ただ私はこれを見て「ああやっぱりな。」と思った。

原田に関しては、上記乃木坂の山崎同様選抜メンバーではない(櫻坂の選抜システムは乃木坂とは違うが)。モデルでもなければ傑出した特技があるわけでもない。ところがテレビへの露出は櫻坂46の中で極めて多く、原田もまた、櫻坂の広告塔的な役割を果たしている(櫻坂は乃木坂・日向坂と比べテレビ等への露出度合いがかなり低く、貴重な要員である)。当初から原田は子供っぽいキャラから設定されたイメージと異なり、かなり(いい意味で)「計算高い」印象であった(実社会でもいますよね、こういうタイプ。)。例えば下記の冠番組の動画、(ほぼ確証を持って言えるが)とっさにこういう対応ができるのは、かなり「機転が利く」はずである。

歌や演技やモデルでなくとも、マスコミの世界に残る方法は残されており、それには単純な学歴等だけでなく、長期的展望力や、ある程度の政治力も必要なはずだ。クレバーに立ち回る能力の重要性をこういうところからも見て取ることができる。

・残った日向坂46はいかに

最後に日向坂46に関しても少し言及すべきか。ただここはとかく「得意分野で勝負」を上記先輩2グループと比べ徹底している。人数は一番少ないのに、とにかく「層が厚い」。

佐々木久美加藤史帆など、モデルやバラエティで見るメンバーは無論多いが、今やサッカーファンの中で影山優佳を知らない人などいないはずだ。他にも丹生明里(ゲーム)宮田愛萌(文芸)山口陽世(野球)、、、などなどとにかく特技による売込みが徹底しており、アイドル卒業後は「本業」にしてしまうのではないか?とも思えるようなレベルのメンバーもいる。思えば10代後半~20代中盤は誰しもが大学生として専門知識を磨いている段階(私は大学の授業など全て寝ていたが)、アイドルらもまた将来を見据え、「勝てる分野」の専門性を磨いているのも当然なのかもしれない。

・おわりに

まあそんなわけで(ほぼ必ず)ラクではないアイドルの世界。恐らく誰しもが将来の不安とも戦っているのだろう。我々サラリーマンとて同じ、今や「安住の地」などどこにもありはしない。最後は「深い知識」「優れた技能」がモノをいう。なればこそ、「勝てるところで努力」というのは極めて有効ということではないか。それは同時に「ある程度やってダメそうな分野は割り切る」ことと同義である。そこに余計な執着などがあったりすると厄介なことになる。私もまだまだ迷える子羊、何だかんだで一生試行錯誤が続くんだろうな。

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