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旅の記録など。

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最近の記事

厚岸 Akkeshi - 蒸留所を巡る旅(2)

朝の便で羽田から釧路に着く。広い湿原が続いており、冬晴れのもと空気が冷たく、北の気候が感じられる。バスで釧路の中心に向かう。街は静かで道は広く、建物も広々としており、街並みは異国情緒あふれる。今回の目的は厚岸蒸留所で、釧路からまだ50キロほど東に向かった厚岸町の近くに位置する。蒸留所のツアーは朝早くの列車で出る必要があるので、その日は釧路で泊まり、翌日に備える。 個人的な想いとしては20年近く前の学生時代に、はじめて都心できちんとウィスキーを飲んだのがアイラモルトで、薬のよ

    • カレドニアンスリーパーの旅

      長時間のフライトで16時頃にヒースロー空港に着いた。6月の夏至の時期で、夕方でもまだ太陽が高く日差しが力強い。イギリス人にとってはこれだけで最高な一日ということで、渡英にはベストなシーズン。ロンドンの緯度は北海道よりもさらに北で、1年を通して日が長い時期は限られており、晴れの日も少ないため、こうした夏晴れの日は非常に重宝される。それだけでお祭りのようで、街の真ん中でも広場や公園では半裸で日光浴を楽しむ人たちで溢れる。 ヒースローエクスプレスでパディントン駅へ、そこから地下鉄

      • 世界一美味しいもの

        東京の多摩のあたり、中央線沿線に、世界一美味いもつ焼き屋さんがある。これまで世界各国、様々な国や地域に行き、住んできたが、ここは本当に、ジャンルを超えて、世界一美味いお店だと自分は思う。自分がモツ好きというバイアスを差し引いても、東京の他のもつ焼き屋や、日本の他の肉系のお店や、世界の色々な料理と比べても、それでも世界一美味いといつもしみじみと感動するほど美味い。 お手洗いに安部譲二という作家さんの文章が貼っており、まさにその通りといつも思う。内容は記憶ベースだが、「毎日夕方

        • シベリア鉄道の旅:Trans Siberian Train

          Day 1: Vladivostok - Khabarovsk 列車番号001のロシア号は定刻19:10にウラジオストク駅を出発した。列車は荷物車2両、食堂車1両、ツアー用の特別車両5両を含む15両編成。モスクワまでの9529kmを6泊7日で結ぶ長旅である。 僕の乗る二等車は4人1部屋の個室で、1日目は韓国から来たツアーの教師たちと同室だった。ウラジオストクにおける抗日運動について学ぶため、訪れたという(伊藤博文の暗殺で知られる安重根は1907年にロシアに亡命し、ウラジオ

        厚岸 Akkeshi - 蒸留所を巡る旅(2)

          アイラ島 Islay island - 蒸留所を巡る旅(1)

          ロンドンからバスとフェリーを乗り継いで20時間弱、ウイスキーの聖地と呼ばれるアイラ島に着いた。淡路島ほどの面積に約3500人が住み、8つの蒸溜所を持つ。アイラモルトは原料の麦芽を乾燥させる際にピートと呼ばれる泥炭を燻すため、他のウイスキーと比べ煙の香りが強く、味わい深い。 まずはフェリー乗り場から徒歩20分程のカリラ蒸溜所を訪れる。島内でしか流通していないexclusive editionを試飲する。非常にsmokyで味も強く、またカリフォルニアワインの樽を使用するため同時

          アイラ島 Islay island - 蒸留所を巡る旅(1)