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「COP28」とは【小論文の用語】  

 小論文の添削指導の際によく間違いとして見受けられるフレーズや、外来語由来の用語があります。その中でも、最近頻繁にメディアで取り上げられている「COP28」の意味や背景について解説していきます。




【1】 「COP28」の意味  

 新聞やテレビなどのニュースで見聞きする 「COP」とは、「締約国会議(Conference of the Parties)」の略で、条約を結んだ国々による会議を意味しています。年に1度開催される「COP」での合意は、国際的な取り決めとして実行されます。

 最近よく耳にする「COP28」とは、11月30日〜12月12日までの間、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイで開催中の「第28回国連気候変動枠組み条約締約国会議」のことで、国連気候変動枠組条約に加盟している約200カ国や地域が参加しています。

 昨年、11月に開催された「COP27」から持ち越しとなった世界全体の気候変動対策の進捗や、化石燃料の扱いに関し「段階的廃止」などについて議論されています。


【2】 「COP28」の背景や動き  

 1992年に国連気候変動枠組条約が採択され1994年に発効されると、1995年に第1回目である「COP1」がドイツのベルリンで開催されました。それ以来、国連気候変動枠組条約「COP」は、ほぼ毎年開催され現在に至るのです。

 そもそもこの条約自体は概念的なことしか取り決められておらず、この条約をもとに「具体的なルールや将来の目標などを作っていこう」というもの。そのため勘違いされやすいのですが、教科書にもよく載っているような「京都議定書」や「パリ協定」も実はCOPの中で作られたルールです。京都議定書はCOP3、パリ協定はCOP21で作られました。

 例えば、COP21で採択された「パリ協定」では、「2030年までに世界の平均気温上昇を産業革命以前に比べて2度よりも十分低く保ち、1.5度に抑える努力を追求する」という目標が掲げられ、世界共通の長期的な目標として日本も各企業が達成に向けた取り組みを実施しています。


【3】 「COP28」で注目されるのは?  

 現在開催中の「COP28」では、2015年パリ協定で定めた各目標の進捗状況を5年ごとに評価する「グローバル・ストックテイク(GST)」が初めて実施。2030年までに地球の平均気温上昇を産業革命前に比べて1.5℃までに抑えるとの目標に対し、今後の世界的な取り組みの指針を立てていくことになります。


【4】 小論文.comの対策  

 ただ用語を暗記したり、「なんとなく」みんなが使っているから、ニュースで聞いたからと、言葉の本質を捉えずに使用するのは避けたいところです。その言葉の意味を理解した上で自分自身の「言葉の引き出し」に落とし込みましょう。

 また小論文においては、その用語が使用されている背景や時事問題にも目を通し、その問題に対して「自分はどう考えるのか」を常に頭に入れておくようにすると、自ずと小論文対策にも繋がります。国内外問わずどのように報道されているのかも確認できれば、それぞれの問題を比較することが可能になります。できる限り日本で報道されているニュースだけではなく、海外のニュースにも目を向けて広い視野で物事を捉えるよう意識しましょう。

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