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目指すべき点数【小論文の極意】  




【1】 一般科目で目指すべき点数  

 英語や数学のような一般科目では常に100点満点を目指して問題に臨みます。特に小学校や中学校の定期試験においては簡単なミスをしないように、できる限り100点満点が取れるように努力をしていく必要があります。ただ高校受験や大学受験となってくると、限られた時間の中でスピーディに問題を解いていく必要もあり、そのような条件による制限や問題自体の難易度によっては、なかなか得点が伸びないこともよくあります。特に合格者の定員が決まっているような入学試験においては、なんとか合格ラインに乗るように、例えば難易度の高い試験でも他の受験生もなかなか苦しんでいるはずだという前提で、とにかく自分自身が100点満点を目指す中で最大の得点を取っていきます。その結果として相対評価において他の受験者よりも1点でも多く取れるように努めることになります。


【2】 小論文の採点方法  

 一方小論文試験においては、100点満点を狙って問題に臨んでいくというのは試験対策としてはふさわしいとは言えません。

 小論文というものは人それぞれに、1人1人の人生の中で構築されてきた考え方を元に、それを1人1人の言葉で説明・証明していくもので、そもそも唯一絶対的な正解というものは存在し得ません。それを大前提として、そのような意見・主張の内容自体で「完璧」という状態を採点基準から外した上で、問題読解力や論理的思考力、表現力、時事問題に対する関心等、また基本的な文字表記やルールといった観点から「減点法」で採点していきます。

 確かに、ノーベル賞が取れる大発明に値するような、独自の発想を元にしたアイデアで論文が完璧に作られているようであれば、もうこの上ないものとして100点満点だと採点されることもありえます。しかし、一般的にそのような状態に達することはまずないと言えるでしょう。立派な発想を元に立派な論文を書くことができたとしても、その書き手はまだまださらなる発想・発明ができる可能性も高く、新しい豊かな発想でより良い解決策を見いだせる可能性も否定できません。すなわち、そのような発想力に対して満点をつけてしまうということは、それ以上のものがないことを表すことになってしまうということです。

 そのため、小論文の採点として100点満点を付けるということはまずありません。点数の幅として、一生懸命に書こうとしている時点で10点は与えるものとし、伸び代を考えても最高点はおおよそ95点から98点程度にするというのが一般的です。

 まさにお笑いのM-1グランプリで審査員がなかなか100点をつけられないのと同じような感覚です。一定の基準を元に相対評価をして順位を決めていくもので、何か「完璧な漫才」を決めきってしまうというものではないということです。小論文にも「完璧な小論文」は存在しないものとして一定の基準の中での最高点をつけるにとどめるということです。


【3】 小論文で目指すべき点数  

 したがって、受験者としては小論文で100点満点を目指すというよりも、限りなく完璧という状態に近い小論文を書くように努力をするということになります。そのため、特に大学受験においてはなかなか他の人には出せない奇想天外な考え方で目立たせることによって、果てしない高得点を目指していくというよりも、減点法での採点を意識して、何か変なミスや間違いを起こさない、より安全な論文を書いていくことが重要です。

 もちろん前章のようにノーベル賞クラスの発想があるのであれば問題ないのですが、実際にはなかなかそうはいかないものですから、より確実に合格基準を越える文章を意識して書いていく方が試験対策としては賢明だといえるでしょう。奇想天外な考え方はとんでもない高得点を目指すことができる可能性は残りますが、それ以上に論理破綻というとんでもない大きなリスクを背負う可能性も高くなります。目立つことができれば合格可能性を上げることができるというものではありませんから、より確実な安全な文章で粛々と合格を目指していく方が賢明でしょう。

 小論文試験においては決して100点満点という「完璧」な状態を目標にするのではなく、少しでもミスや間違いを無くし、減点されてしまわないような確実な構造の文章を作成していくようにしましょう。


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