緊急車両優先走行の現状【小論文の時事】
【1】 論点整理
近年の少子高齢化の影響により、特に救急車の出動件数が過去最多になっています。2022年には約723万件の出動があったということで、おおよそ1日に2万件もの出動件数になっていることがわかります。そのような中、救急車に対する出動要請(通報)から救急車が現場に到着するまでの平均所要時間が2022年に初めて10分を超えてしまったようです。2000年には約6分であったことなどを考えると、かなりの差になっていることがわかります。
なぜこのようになってしまったのでしょうか。主な要因として、(1)一般車がなかなか道を譲らないこと、(2)二次被害やクレーム等を過度に恐れて緊急車両が慎重すぎる走行になっているのではないかということ、といったような声が上がってきています。実際にはほとんどの一般車は積極的に道を譲ろうとしているでしょうし、消防隊の方々は二次被害が起こらない範囲内で最大限の努力をして走行されているわけですが、実際に現場に到着するまでの時間を少なくとも20年前のような状態に戻すためにどのような対策が必要でしょうか。
【2】 案の比較
課題: 緊急車両がより迅速に現場に到着するには
一般車側
緊急車両側
市民・行政の対策
最新技術での対策
【3】 論述の流れ
課題: 緊急車両がより迅速に現場に到着するには
仮説の段落
論理展開の段落
結論の段落
【4】 攻めの選択と守りの選択
小論文試験やグループディスカッション試験を受ける際の状況に合わせて、攻めの選択と守りの選択をしていかなければなりません。
一次試験や事前提出の書類でなんらかの失敗をしてしまい合格点までかなり遠い状況になっている場合、また他にも受験者数に対して合格者数がとんでもなく少ないような試験になっている場合は、一発逆転を狙うべき状況である以上、ある程度のリスクを背負ってでも「攻めの選択」をする必要があります。
逆に、例えばあらかじめ結果が出ている共通テストで有利な状況になっている場合、提出済みの志望理由書において自己アピールがうまくできているような場合、また受験者のほとんどが合格できるような種類の試験である場合は、無難な「守りの選択」をする必要があります。
原則としては自分自身にとって書きやすい案を自分の主張として展開していくわけですが、賛成案でも反対案でも折衷案でも、どの案でもある程度同じような勝負で、どの文章でもある程度書けそうだという場合は、上記のような試験の状況に合わせて選択するというのも1つの重要な戦略です。今回の課題である「緊急車両がより迅速に現場に到着するには」というテーマにおいては、攻めの選択と守りの選択は下記のようになるといえるでしょう。
【5】 小論文.comの対策
ただ用語を暗記したり、「なんとなく」みんなが使っているから、ニュースで聞いたからと、言葉の本質を捉えずに使用するのは避けたいところです。その言葉の意味を理解した上で自分自身の「言葉の引き出し」に落とし込みましょう。
また小論文においては、その用語が使用されている背景や時事問題にも目を通し、その問題に対して「自分はどう考えるのか」を常に頭に入れておくようにすると、自ずと小論文対策にも繋がります。国内外問わずどのように報道されているのかも確認できれば、それぞれの問題を比較することが可能になります。できる限り日本で報道されているニュースだけではなく、海外のニュースにも目を向けて広い視野で物事を捉えるよう意識しましょう。
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