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制限時間に対する配分【小論文の極意】  



【1】 最初の10分から15分で勝負は決まる  

 小論文試験での合否を分けるのは試験開始後10分から15分です。「始め!」と同時に書き始めるという人がいれば、その時点で勝負は決まっているといえます。この10分から15分で合否の90%は決まります。この短い時間を大切に使いましょう。


【2】 制限時間の配分  

開始0分から15分

(1)制限時間と文字数を確認する。
(2)問題を見てどの型の問題かを判断する。
(3)解答用紙の余白に答案マップを作成する。
(4)答案マップと原稿用紙のイメージを重ね合わせる。

15分から終了10分前

(5)イメージを原稿用紙に写す。

終了10分前

(6)漢字や句読点等、細かい日本語の修正・確認をする。
(7)原稿用紙全体の整形をする。


【3】 文字数と時間配分の分析結果  

 試験によって制限時間と文字数は変わってきますし、何より記述する人によって文字を書くスピードが違いま すから、みなさんそれぞれの試験の制限時間と文字数、そしてそれぞれの記述スピードによって時間配分が変わってきます。 私の経験上、開始後15分経過後から終了10分前までの「書く」という作業時間中、基本的に400字の場合は約20分、600字の場合は約30分、800字の場合は約40分を必要とします。つまり1分あたりで換算すると20文字ですので、3秒に1文字ということになります。普通に考えて1文字に3秒もかからないだろう、と感じるかもしれませんが、みなさんの全力の丁寧な読みやすい字を書かなくてはなりませんので、実際は3秒で1文字というのも厳しいくらいの数値なのです。この数値は最低でもクリアできるようにスピードの訓練もある程度必要です。 したがって、当日制限時間と文字数を見て、それぞれの場合に応じて急いだり慎重に書いたりしなければなりません。


【4】 具体的な事例  

制限文字数400字の場合

400字:  15分 + 20分 + 10分 = 45分

< 制限時間が45分未満の場合は通常より急がなければならない。
= 制限時間が45分の場合は通常通り作業する。
> 制限時間が45分以上の場合は通常よりゆとりを持って熟考する。


制限文字数600字の場合

600字:  15分 + 30分 + 10分 = 55分

< 制限時間が55分未満の場合は通常より急がなければならない。
= 制限時間が55分の場合は通常通り作業する。
> 制限時間が55分以上の場合は通常よりゆとりを持って熟考する。


制限文字数800字の場合

800字:  15分 + 40分 + 10分 = 65分

< 制限時間が65分未満の場合は通常より急がなければならない。
= 制限時間が65分の場合は通常通り作業する。
> 制限時間が65分以上の場合は通常よりゆとりを持って熟考する。


制限文字数1000字の場合

1000字:  15分 + 50分 + 10分 = 75分

< 制限時間が75分未満の場合は通常より急がなければならない。
= 制限時間が75分の場合は通常通り作業する。
> 制限時間が75分以上の場合は通常よりゆとりを持って熟考する。


制限文字数1200字の場合

1200字:  15分 + 60分 + 10分 = 85分

< 制限時間が85分未満の場合は通常より急がなければならない。
= 制限時間が85分の場合は通常通り作業する。
> 制限時間が85分以上の場合は通常よりゆとりを持って熟考する。


【5】 時間配分の調整の考え方  

 もし、通常よりも急がなければならない場合でも、最初の15分と最後の10分を減らすことはできませんので、その間の「書く」作業時間の短縮が必要です。 逆に、通常よりもゆとりを持って熟考できる場合は、最初の15分でやるべきことが合格のために大切なわけですから、この部分の時間を増やしていくべきです。「書く」という作業や確認の作業は増やす必要はありません。

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