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大腸内視鏡検査に挑んでみた〜モビプレップの乱〜



齢28にして、約2年ぶり、人生3度目の大腸内視鏡検査に挑んでまいりました。


どんな検査なのか、ざっくりとご説明しますと、下剤をがばがば飲んで、大腸の中身を空っぽにした後、お尻からカメラをぶち込んで、大腸の頭から先っぽまで病変がないか確認するというものです。まったく、人の腸のことをなんだと思っているんですか?

私は身体が薄すぎ&胃下垂なせいで、狭い空間のなかに腸がぎゅんぎゅんに詰まっているような状態らしく(以前の担当医談)カメラが通りにくい、したがって、すごく痛みを感じるタイプなのですが。まあ、検査は先生に頑張っていただくしかないので、一旦置いておいて。

検査本番以上に、患者自らが頑張らなくてはいけなくて非常に厄介なのが、事前に大腸を空っぽにする作業です。最低1リットル最高2リットルの下剤を、襲いくる便意と戦いながら、テンポよく飲み干さなくてはなりません。


一番問題なのは、その下剤の味がめちゃくちゃ不味いこと。以前2回の検査では、リバースしそうになりながら半泣きで飲みました(一応、昔に比べると、かなり飲みやすく改善されているそうで、人によっては余裕で飲める方もいるようですが・・・)。

そんなこんなで、もう二度と検査したくない芸人としてこの2年間生きていたのですが、最近潰瘍性大腸炎の症状が再燃し始めたので、仕方なくまた挑むことに。

やるとなれば、負けるわけにはいきません。これは、戦だ!ぜったいに勝ーつ!!!

こうして、私と彼(下剤)との仁義なき戦いが、幕を開けたのです。

モビプレップの乱、はじまりはじまり〜

※お察しのとおり、内容が内容なので、お食事中の方は注意だよ!


Mission1:全力食事制限


下剤、飲みたくない!!
できるだけ飲みたくないよお!!!

ということで、腸から出すべきものが最小限で済むよう、検査日3日前から食事制限ガチ勢となりました。

検査前は、残渣が残りやすいもの(食物繊維)、油が多いもの、乳製品等はNGです。とは言っても、大腸炎悪化中の食事で気を付けるべきこととほぼ同様なので、私にとってはそこまで苦ではありませんでした。でも、慣れてない人だと、ちょっときつそう。

消化の良さそうなものを中心に、食べ過ぎないように過ごします。

3日前
朝:ロールパン、温泉卵
昼:サラダチキンバー(プレーン)、蒸しパン、ビスコ(おやつ)
夜:白米、豆腐の味噌汁、蒸し焼きしたしゃけ、バナナ

2日前
朝:ロールパン、温泉卵
昼:塩むすび
夜:とろろうどん、冷や奴

前日
朝:ロールパン、温泉卵
昼:おかゆ(具なし)
夜:豆腐の味噌汁(豆腐は少々)


見てのとおり、基本、豆腐と卵と炭水化物食べてました。これが正解だったのかはわかりませんが、最終的に下剤の量は最低量+コップ半分くらいで終了したので、悪くはなかったと思われます!


Mission2:敵は冷やすべし


病院にいるおたすけキャラ(看護師さん)からのアドバイス「冷たいほうが飲みやすいから、前日の夜に作って冷やしておくと良いわよ!」を参考にすることに。

前日夜、宿敵となる下剤・その名も”モビプレップ”を自らの手で完成させ、冷蔵庫に入れておきます。

天才博士が自らの手で生み出したAIと対決する的な構図に、ちょっとわくわくしますね。

専用の袋には、2種類の謎の粉が、エリアを分けて別々に入っています。これらが混ざりあったら、いったい何が起こるというのだろうか。

注ぎ口から袋に半分ほど水をいれ、上からバァン!と押して粉Aエリアと粉Bエリアを開通させ、無心でシャカシャカ。粉っぽさがなくなったら、さらに2リットルになるまで水を増量して出来上がりです(肝心な制作工程の写真を撮り忘れました。気になる方は製造元の公式サイトをご覧ください)。

凄まじい量の下剤



また、心優しいついったらんどの住人さん(フォロワー様)が「氷をいれて飲むと良いよ!」と有力情報を与えてくださったので、後半ぬるくなってきたときにいれられるよう、氷も用意しました。

前日の準備は、これでバッチグー(古い)! 前日用に処方された別の下剤を忘れずに飲んで、お腹がすかないうちに早めに就寝して、明日に備えます。


Mission3:ひとまず正面切って勝負


翌朝。いよいよ、決戦のお時間がやってまいりました。

【タイムスケジュール】

9:45 モビプレップ1杯目
※1杯を10~15分かけてゆっくりと飲む
※以下モビと記載
9:55 モビ2杯目
10:05 水またはお茶コップ1杯以上

10:10 モビ3杯目
10:20 モビ4杯目
10:30 水またはお茶コップ1杯以上

10:35 モビ5杯目
10:45 モビ6杯目
10:55 水またはお茶コップ1杯以上

~ここまでで最低ノルマ1リットル達成~

この後は、便の様子を見て、排出されるものが完全に水になるまで、モビと水分をおかわりしていきます。


さて、早速1杯目です。
前回はまずかったけど、もしかしたら今回はいけるかもしれないな?と、根拠のない謎の自信がどこからか湧いてきたので、まずは正面切って戦いに挑んでみることに。


ひとくち、ゴクリ。


まzzzzzっっっず〜〜~~~~~~~〜!!!!!!!!!!!!!


相変わらず、相手の強さは健在でした。モビプレップさん、その味を”梅味のポカリ”などと表現されることがよくありますが、落ち着いて胸に手を当てて考えて、梅とポカリに一旦謝ってほしい。

ものすごく甘ったるい、けどどこか酸い(梅のおいしい酸っぱさというよりは、何か若干痛んでますか?くらいの微妙な酸っぱさ)味に加え、後から、何らかの薬品系の風味が全力で追いかけてくる、という感じ。後味がとにかく最悪の悪。

早々に戦意喪失したため、一度口をすすいで、次の作戦にうつります。

Mission4:ストロー大作戦


気を取り直して、戦いを再開します。ここはまた、ついったらんどの心優しい住人さんのありがたいご助言に頼ることに。

「ストローを使うべし!!!」

さっそく試してみます。

ストロー投入


ストローが刺さるだけで、なんだか見た目もおいしそうです。遊びにきていた甥っ子(2歳児)がジュースと勘違いして、僕にもくれと足元で泣いていました。かわいい甥っ子よ、これだけは絶対にあげられないのだよ。


飲んでみると・・・これは!!かなりいい!!!

ストローを深めにくわえて、ごく、ごくと飲むことで、ほとんど舌を通過させることなく摂取できます。革命的。どうして今まで気がつかなかったのだろうか。

1杯10~15分で飲まなくてはいけないところを、危うくペースが早くなりすぎるくらいにゴクゴク飲めました。もはや、公式の飲み方にして、モビプレップにストローもセットにして売ったほうが良いのでは!?

仄かに舌に広がってしまう味にたまにえずきながらも、初めの2杯はストロー作戦で大勝利しました。初戦を攻略できたことで、かなりメンタルも保たれました。

ありがとうストロー・・・ありがとうございます心優しいフォロワー様・・・


Mission5:レッツ・ティータイム


モビプレップを2杯飲んだところで、お水orお茶タイムがやってきます。

この検査では、前日夜8時から、検査が終了するまでは絶食です(検査が午後からだと、食べられない時間が長くて結構ひもじい。選べるのなら、検査はできるだけ早い時間がおすすめだぞ!)。

つまり、検査が終了するまでの間、唯一食らしきものを楽しめるのが、そう。お茶なのです。

せっかくなので、お茶のバリエーションを増やしてみることに。麦茶、紅茶(無糖・ストレート)、ウーロン茶等を用意しました。基本はいちばんおなかに優しそうな麦茶を飲んでいたのですが、たまに他の味をひとくち挟むと、気分転換になって良い感じ。


そして、なにより良かったのがこちら。


KA GA BO TEA


たまたま家にあった、いつも飲んでるのよりもちょっとお高めのほうじ茶です。

下剤を大量に飲んでいると、当然ながら、途中からじゃんじゃんお腹を下します。お腹を下すと、段々と肌寒くなってきます。そんなときに、温かい上質なお茶をひとくち飲んでみると・・・まあ美味ですこと!

しかも、モビプレップの強烈な甘ったるい風味に口内がやられてくるので、加賀棒茶の香ばしい香りと、少し苦みがありつつ優しいお味が、お口直しには最高でした。

“ちょっと良いあったかいお茶”を合間に飲む作戦、かなり良かったです。熾烈な戦いの最中でも、美味しいお茶を飲むことで、少し優雅な気分になれます。お茶っぱをうっかり飲み込まないようにだけ、ご注意を。

ちなみに、検査当日は「着色されていない透明な飴」は食べてもOKだそうです(病院によっては指示が違うようなので、受診するお医者さんにご確認くださいね!)。

一応、氷砂糖も用意してみたのですが、私の場合は甘ったるさにやられていたので、最後まで甘いものはあまり欲さずでした。でも、気分転換には飴もありかも!

お口直しには、しぶ~いお茶が至高!


Mission6:コールを浴びてみる


たまにティータイムを挟みつつ飲み進めていましたが、5杯目くらいから、いよいよしんどくなってきました。こんなに一気に水分をとること自体、あまりないですからね。げっぷとともに、モビ味がせりあがってきます。おえぇ。

くそっ、どうにか、気分良く飲める方法はないものか。なにか、この局面を乗り切る打開策はないのか・・・ッ


わたしは頭を悩ませました。
そして、ついに閃いたのです。

コールしてもらいながら飲んだら、ノリと勢いで、一気飲みできちゃうのでは?????



かなりのナイスアイデアが降ってきました。天才かもしれないな。早速、YouTubeでコール動画を検索します。

よ〜し、ホストのお兄さんたちに煽られながら、バイブスあげて、がんがん飲むぞ☆(下剤を)


ぽちっ(再生)

ズンチャッズンチャッ(まわるミラーボール)

ドンペリッはいりましたァ〜〜〜〜フゥ〜〜〜〜!!!!!!!(運ばれてくる酒)

〇〇ちゃん飲みたいさわぎたい!!!胃腸に!!!関して!!!自信が!!!あるある!!!!!◎※△×□〜!!!!!!!!(謎のコール)(荒ぶるお兄さんたち)

ぽちっ(停止)

・・・なんでしょう、この虚無感は。胃腸に関して自信がないないなんですよ、こちらは。

やはりコールはお酒を飲む時だけにしたほうが良さそうです。ま、思いっきり下戸なので、こういうものとは無縁の人生なんですけどね。

次だ、次!

Mission7:仲間の勇姿と励ましの声を力に


次は、同じ戦いに挑んでいる人を探して、苦しみを勝手に分かち合ってみることにしました。人間、仲間がいれば、辛いことも乗り越えられるものです。

【モビプレップ まずい】【モビプレップ とてもまずい】【モビプレップ すごくまずい】【モビプレップ くそまずい】などSNSで検索しまくります。

すると、想像以上に、かなりの数がヒットしました。多くの人が苦戦している模様。

だよね〜やっぱりまずいよね〜わかる〜!!!

どこか遠い街で同じ敵と戦っている見知らぬ同志に思いを馳せることで、ちょっと気が楽になった、気がします。

さらには、前日にこの戦いについてツイートしたところ、Twitterのフォロワーさんたちからいくつも応援のお言葉やいいねをいただいていたので、それも励みになりました。

会ったこともない奴がただただ下剤を飲むことに対して、こんなにもあったかい応援をくれるなんて・・・みんなすごくない?優しすぎない?仏より仏なんじゃない?(本当にありがとうございます。)

まさか、この戦いで、人のあたたかみを知ることになるとは、思いもしませんでした・・・。

そうこうしているうちに、5杯目をクリア。
順調に腸の中もきれいになって、ゴールが見えてきました!


Mission8:推しとともに舞い踊る


戦いも終盤。

やはり、こういうときに最終的にすがりたくなるのは、推しの力です。明るく楽しい気分になりたかった&腸を刺激して飲んだものをどんどん出したかったので、好きなひとたちが舞い踊っている動画を見て、一緒に身体を動かしながら、ラストスパートをかけていきました。

俺たちのセレブレーション/ポルノグラフィティ


秋田の行事(feat.柳葉敏郎、藤あや子、佐々木希&秋田県人会)/高橋優 


まつり/藤井風


めっちゃめちゃ良い感じ!!気力がみなぎってきました。やはり、持つべきものは推し!!!


ノリノリで飲んでは、ダッシュでトイレに向かいます。少し身体を動かすことも、効果てきめんです。どんどん出るぜ・・・!


そして、ついに。


ノルマ1リットル以上達成 わーわーパフパフ


無事、腸の準備が整いました!!
さまざまな作戦を実行した結果、前回・前々回と比べると、かなり楽に飲めました。これはもう、私の大勝利と言って良いでしょう。

ただ1点、飲みながら無駄に色々(コールの動画見たり)していたせいで、予定していたスケジュールから大きく遅れをとり、家を出る時間ぎりぎりまでおトイレから離れられなくなってしまいました。大変なミス。

出かけてから大惨事にならないためにも、時間には余裕をもって、予定よりはやめに飲み始めるが吉でございます。

モビプレップの乱 決着!


ということで、まとめです。

①事前準備(食事制限、前日夜の用意)は入念に
②ストローと美味いお茶は神
③お友達と推しの力は偉大

総括:大腸内視鏡検査に挑んでみたら、思いがけず、人のあたたかみを知った!




検査本番も、なんとか耐えましたとさ。

おわり

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