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日本でもっと “カスタマーサクセス” を盛り上げよう!! Japan Customer Success Community(JCSC) #8イベントレポート

2019年4月9日 JCSC主催のカスタマーサクセスイベントに参加しました!

会場はWingArc1stさんのミーティングルームをお借りしているようでメチャおしゃれなスペースでした。

受付け後に名札ステッカーをCS歴別につけてもらうという施策をされていたいました。これはこういったイベント企画する際に良いアイデアかも!

オープニング

乾杯の後、モデレーターのbellFace小林さんから参加者へ意気込みインタビューをされていました。その中では「1vsNのカスタマーサクセスを学びたい」等やや具体事例よりなニーズが多いのかなという感覚でした。

また小林さんは下記の様なCSに対する思いを熱く語られてました。

参加者に「勉強になりました。」の一言で終わられたら負け、必ずアクションに落とさせたい。
カスタマーサクセスはUSでは最近儲かるジョブロールになってきている。
日本でCSのモデルが無いなら作ってやる!
CSの本質は自分もカスタマーも含め 「We're are happy!」の状態を作ることだ!

共感出来ますね~、という事で「カスタマーサクセスをサクセスさせ隊!」の隊員として、しこしこoutputしていきます。

アドビシステムズ森山さん講演

Marketo社がアドビシステムズ社にバイアウトされ、この4月からはアドビシステムズ社員としてご活躍中の森山さんがMarketo事業での知見を元に「スケーラブルなカスタマーサクセスへの取組み」と題して講演してくださいました。

娘さんとの会話小ネタでつかみは上々の森山さん

ざっくりいうと「どの企業も最初は皆ハイタッチCSから始まり、事業スケールと共にCSとしての体制作りをどうしてきたか」を中心にお話しくださいました。

Marketoの基本情報

(少々画像が見にくいですが・・・)上記の様にMarketoではオンボーディング~upsell・crosssellまで多くの領域でCSが重要な業務を行っていますね。

ハイタッチ中心から、よりスケールできる体制作りへのチャレンジ

顧客の状況を把握・測定する仕組み

CS体制作りでまずやる事は顧客状況の把握。個別担当のヒアリングと合わせて「ヘルスチェックシート」、「サービス活用状況」(サービスのコンソールとかかな?)で各カスタマーの状況をすぐにつかめるようになるのが重要との事。

更新リスク判定の(G/Y/R)はGreen/Yellow/Redでリスク分けしている

ここら辺はSaaS、PaaSのビジネスをやられている企業さんはお馴染みなのかなとも思いますが、オンプレミス中心のビジネスをやっている人たちからすると利用状況を定期的にゲットできるような関係作りとかが必要なのかなとも感じました。

そしてこれらの調査からカスタマーのマーケティング成熟度を見極め、適したCS活動を展開していくのが肝心との事。

また組織階層(意思決定者「CMO,経営者」、影響者「リーダー、部長、知見・影響力のある人」、担当者「現場」)、部署間(マーケティング、営業、CS、採用)、業務プロセス・バリューチェーン(リード獲得、商談化、カスタマーサクセス)といった顧客企業内での幅の広がりについても測定する必要もあるとの事。これが無く現場の方とのつながりのみだと影響者や意思決定者に簡単にひっくり返されることは有るというお話しは、多くの人が経験しているんじゃないかと思います。根回し超大事!

各種タッチポイントの構築・運用

扱う商材によっては違うのかもしれないですが、Marketoさんはオンボーディングは3ヶ月ガッツリとハイタッチで導入コンサルティングをされるそうです。(ちょっと意外だった・・・)

ハイタッチ以外にも具体例として以下のようなものを挙げています。

オンラインコンテンツ
キャパシティ無制限で作り込めばその後効率的に使える。コンテンツを作成する際はペルソナを明確にすることが重要。操作入門が終わったら、考え方のhowtoが必要(施策戦略)
・Docs(FAQ)
・Marketo University(動画)
・デモ動画
・eBoook
・ブログ
セミナータッチ(集合形式、ウェビナー)
キャパシティ数十~数百名。コンテンツ定型化、運用自動化すれば効率的に回せる。
・クリニック(少人数形式での活用相談室)
・コンサルタントオフィスアワー(コンサルによるウェビナー形式の相談室)
・集合研修/ハンズオン研修
コミュニティタッチ
ユーザ同士のアドバイス、ノウハウ共有は、付加価値の高い体験となる。
・オンラインコミュニティ
・ユーザ分科会
アドボカシープログラム(ファンを醸成する)
Championプログラム(ユーザー表彰制度)・・・ユーザの目標を作ってあげることが大事、また表彰基準として、サービスを使い倒しているという評価軸だけでなく、コミュニティへの貢献なんかも入れるのも良い。

これらのタッチポイントは施策の抽象度とカスタマー成熟度で以下のようにマッピングされるようです。

またカスタマーへの影響力とリソースのスケーラビリティで以下の様にもマッピングできるようです。

ここら辺のお話しは自分自身がハイタッチよりの経験が多いので改めてオンラインコンテンツの重要性を感じるところですね。どうしても目の前のカスタマーに集中してコンテンツ作成が後回しになりがち・・・。自社にどの領域が足りないか改めて整理したいですね。

再現性のある体制へ

インパクトチェーン上で上記の効果を測定し、改善サイクルを回していくとCS活動として望ましい体制になるとの事。Marketoさんではこの体制構築に自社サービスを利用しながらも1年間は掛かったようです。(やっぱり体制を構築するというのは一朝一夕で出来るものではないんですよねぇ)

CS体制構築のコンセプト

CS体制構築のアクション・施策詳細

対カスタマーで行くとハイタッチが一番パワフルなのは説明不要なのでしょうが、ハイタッチで得られた知見をコンテンツに落とし込む作業も本当に重要だよねという再確認が自分の中で整理できました。

参考文献

森山さんはCSの仕組み作りを学べる文献として以下の書籍を挙げられていました。

CSとしては王道ですね!(自分はほとんど読んでないのを棚に上げるスタイル)

質疑応答 及び パネルディスカッション

ここでRepro株式会社のCCO佐々木さんの登場です。

最近の学びはTシャツで営業に行くと駄目だと気付いたという佐々木さん(写真左)

最近のイベントで王道化しつつあるslidoで質問事項を募ってQAいただきました。

その中でいくつかピックアップ。

Q.ハイタッチはどう効果測定してる?
森山さん:
BIツール、セールスフォースとか使っている。
佐々木さん:まだスケール段階なので訪問頻度位、セールスフォース使おうかなぁ。
Q.CSツールなに使ってる?
森山さん:
Marketo、Qualtrics、Salesforce、SurveyMonkey等。データ連携できるかどうかがキーポイントですね。
佐々木さん:Hicustomerですね。
Q.正しい顧客ではない場合はどのように対処している?
森山さん:サービスを利用しても成果が出ないと思われる人・企業には基本的には売らない。
追加Q.その場合売りを立てたい営業との対話はどうしていた?
森山さん:誠実な人間しか採用していないのでカスタマーサクセスしないセールスを進める営業はいなかった。
Q.営業とCSの住み分けはある?
森山さん:時期によってトランスファーしている、あまり明確にセールスとCSを分けていない。
佐々木さん:うちは明確に分けてる、スキルセットが違う、新規-既存で営業-CSに分けてる。
Q.今までハマった施策はある?
森山さん:
当たり前の事だが帰納的に結果を見てネクストアクションに繋げている。新規企画作成時にペルソナ設定はあんまりハマらなかった記憶がある。
Q.コミュニティ運用の施策は?
森山さん:
分科会は上手くいってる、基本的には介入しない。なぜなら顧客同士の意見交換を妨げることになる、話す側ー聞く側のポジションは作らないことが大事。採用マーケティングとしてmarket使っている人に集めたら大変盛り上がった、同じ問題意識があるかがキーポイントだとおもう。人数は3~4人ぐらいで始めるのが経験的に良さそう。
佐々木さん:オンラインは全部slack、オフラインはユーザ同士でワークショップで議論させそれを更にオンラインに還流する
Q.古参ユーザの中に入ってくのが怖い人の扱いどうすんの?
森山さん:
これは正にいま直面してる問題。
「初心者向け」と銘打つ分科会と
「中上級者向け」の分科会で分けないといけないのかなと思案中
ニーズに合わせた切り口が必要
また幹事ユーザとのコミュニケーションは重要「このネタ飽きた」と言ってくれる人はありがたい。
佐々木さん:上級者が初級者に教える体制を作れると良いのではないか。

他にも質問は殺到してましたが主だったのはこんなところでしょうか。皆さんのCSにかける熱意・期待が満ち満ちていました。取り急ぎレポートは以上です!


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