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ファーストフード店から考える経営戦略

割引あり

先日とあるショッピングモールに行った時のこと。
正直人が多いのであまり土日にそういうところには行きたくないのですが、
まぁそうは言ってられないこともありますので、行ったんですね。
そして待つのとかはすごく嫌いなので、
ご飯を食べるにしてもピークタイム(11時~14時ごろ)は避けてお店に行くようにしています。
こうすると大概は人がおらず、快適に食事にありつけるのですが、
そうして向かったマクドナルドはなぜか大行列
他のお店は閑散としているのにも関わらずです。
「えぇ、そんな並んでまでも食いたいか・・・?」そんな疑問を抱きながら、マクドナルドは諦めてモスバーガーにしました。

モスバーガーは高いと、そういうイメージを持っていたので、あまり行くことはなかったんですけど。マクドナルドとあまり変わらないなと思いました。
そう、茹でガエルのごとく値上げされていて、マクドナルドがいつの間にか安いものではなくなっていることに人々は気付いていないのではないのか?
そんなことを思いました。
かつて、マクドナルドもクオーターパウンダーとかが出てきた時期には、高級路線に舵を切った!とかなり話題になっていたような気もしますが、今も昔。いつの間にか、マクドナルドは手ごろな価格でそれなりのものが食える場所。だから並んでもマクドが食べたいんだ。
みたいな心理になってしまっているような気がします。
これってほんとうまく大衆心理を誘導したマクドナルドの経営戦略が抜群によかったからこそ起きている事態だと思うんですよね。
ということは、この部分を紐解くことで、
今後何かしらの経営を考えている人は参考になる部分はあると思うし。
投資家の人は、うまくいきそうな経営モデルを見抜くことで、今後の収益予測、株価の上昇について予見できるのではないかと思うので、
ここで考察していきたいと思います。

物事を考えるためには比較というものは非常に大事になりますので、
ファーストフードの2大巨頭
安価路線「だった」マクドナルドと高級路線のモスバーガーを色々比較してみたいと思います。

①経年の収益

マクドナルド

次にモスバーガー

2018年から2022年で9%の売り上げ増加です。

マクドナルドもモスバーガーも売り上げは増加しているところですが、収益の伸ばし方に違いがみられています。
特に2021年のコロナ環境でマクドナルドが大きく売り上げを伸ばしていますね。
両社ともデリバリーの環境を整えているはずですが、
ここまで差が出てしまうということは
消費者になんらかのイメージ差があるのでしょう。

②価格帯

モスバーガーが高いけどうまい。マクドナルドは安く味は悪くないという印象があるかと思いますが、実際はどうでしょうか。

両社のハンバーガーの値段推移をグラフにしてみましたが、安いというイメージ付けに成功したのは2000年ごろでしょうか。
2020年あたりからはマクドナルドはかなりの値上げペースであることがわかりました。
最近では原材料の高騰から、値上げをしなければ当然利益は減る中で、
値上げによる顧客損失と価格維持による利益の損失。これを天秤にかける難しい判断が迫られる中。
大行列を維持し、客単価も上げることができたのが、売り上げ増加の要因かなと思いました。

③利益モデル

両社のメニューを見比べてみます。

これたぶんこんな風にまじまじと見比べたことのある人って相当少ないんじゃないですかね。
ハンバーガーの価格は実はあまり変わっておらず、
サムライマックやビッグマック、期間限定バーガーももちろんこの価格帯ですので、これらを注文するのであればモスバーガーと同程度であり、モスバーガーが高いとは一概に言えません。
そしてジュースのMサイズ、サイドメニュー(ポテトM)もマクドとモスバーガーで大きな差がありません。

しかし、それにもかかわらず、セットの価格に大きな差があり、
ここが高いと感じさせる要因だと思われます。
ビッグマックセットの値段は750円
同価格帯
モスバーガーセットの値段は870円
となっています。

マクドナルドの価格設定

ここに集団心理を利用した経営戦略が隠れていますので、解説していきます。
おそらくハンバーガーを食べに行くときは、ポテトとドリンクも欲しくなると思いますので、その3点を注文しますよね。

そこでマクドナルドは
ビッグマック450円+ポテトM330円+ドリンクM240円=1020円
ところがビッグマックセットの値段は750円と設定されており、
270円もお得!安い!
と感じてしまうのでしょう。
それに対してモスバーガーは
モスバーガー440円+ポテトM300円+ドリンクM270円=1010円
モスバーガーセットは昼割セットで870円
140円しか安く見えないわけです。

しかし、
ここで皆さんに気が付いてほしいのは、見かけの値段に騙されないでほしいということです。

サイドメニュー、ドリンクのサイズ別の価格を見てください。
マクドナルドポテト
S190円M330円L380円(+140円+50円)
モスバーガーポテト
S240円M300円L360円(+60円+60円)

マクドナルドドリンク
S120円M240円L270円(+120円+30円)
モスバーガードリンク
S200円M270円L340円(+70円+70円)

マックシェイク
S150円M220円(+70円)
モスシェイク
S290円M360円(+70円)

これを見ていただけるとわかるように
マクドナルドはSからMにかけての見かけの値上げがかなり激しめなんですよね。
これの何が賢いと思うかといいますと。
Sサイズって通常店で食べるときには早々頼まないと思います。
ちょっとおやつみたいな感覚でがっつりほどでもないけど、食べたいな
みたいな時って、Sサイズ注文しませんか?
私も結構マックシェイクのSだか買いに行ったりよくします。
ポテトはそこそこしますが、
こういうふらっとタイプの客向けに、手ごろな値段でSサイズを提供しつつ
店でセットを食べるようながっつりとした人には、見せかけ値段を高く設定してお得に見せるというテクニックが使われています。

マクドナルドとモスバーガーだとMサイズの値段はそんなに変わらないのに、単品でSサイズを買おうとすると圧倒的にマクドナルドのほうが安いので、価格全体が安く感じてマクドナルドに行きやすいという状況が作られているのではないでしょうか。

更に客単価という面で考えても
両社ともおそらくサイドメニューで大きな利益を生んでいると思われますが、
モスバーガーはセットにすると高くなるという印象が強くなりがちで、
単品でハンバーガーを買おうとは思うけど、セットにするかは結構悩む
みたいな方も少なくないのではないでしょうか。

これは推測になりますが、
マクドナルドのポテトMやドリンクMの適正価格はじつはもう少し低いところにあるのではないでしょうか。
にもかかわらず、単品の値段を吊り上げることでお得感を演出し、
セットの注文を誘導している。
うまいやり方ですね。

マクドナルドの経営戦略を自分のところでも実践する。

これを踏まえて
自分が物を販売するときに客入りがよくなるかを考察していきます。

これまでの考察を踏まえると
お得感、立ち寄りやすさ、店の入りやすさ
この三つが大切なような気がします。

この点を意識して
成功経験のあるビジネスモデルを参考に
店舗のレイアウトなどを考えていけばよいと思います!!
この記事を読んだ方の経営のヒントになれば幸いです。
ありがとうございました!!


ここから先は有料記事とさせていただきますが、
今回の記事で見比べた内容をもとに、
実際どのように店舗の設計を行えばよいのか
値段設定をする上でどのような点に注意をした方がよいのか
サービスを提供するとすればどのようなことをすれば他店舗との差別化や集客アップにつながるか等私見を交えて考察していきたいと思います。

チェーン店のような大きなものではなく、個人店舗の飲食店を想定しています。
記事の値段は1000円と少し高めに設定させていただきましたが、
SNSなどで拡散いただけるのであれば200円で読めるように設定しておりますので、
まぁジュース自販機で買うような感覚で買って読んでいただけると大変うれしいです。

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