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「ホーユー」問題、 地元の店が弁当提供は全く美談ではない


「ホーユー」問題の続報

「ホーユー」が経営破綻し、全国の給食施設がストップする問題に関して一昨日に取り上げました。

寮に入っている生徒の食事をどのように提供するか問題になる学校もあり、そうした学校に地元の仕出し店が協力するというニュースが上がっています。

地元の仕出し屋が弁当づくり

広島県三次市の三次高校は地域の仕出し店の協力で生徒への食事を賄うことができているようです。

広島県立三次高校の生徒60人が生活する寮では、「ホーユー」が食事を提供する業務を請け負っていましたが、今月1日に提供されなくなりました。
このため地元の仕出し屋では、高校からの依頼を受けて、提供が停止した日から生徒たちの昼と夕方の弁当を用意してきました。

「ホーユー」の食事の提供がストップした日から対応するなど、柔軟な対応をしてくれる業者の存在は貴重でしょう。

高校生を対象ということもあって、多くの地域ではこうした協力的な業者が複数存在するようです。

しかし、この記事をここまでの内容だけ読んで美談では終わらせてはいけません。

記事内の以下の部分が、現在の学校が抱える大きな問題を象徴しています。

高校が弁当代として支払うのはこれまで寮で提供されてきた食事の材料費と同額の1食当たり400円ですが、仕出し屋では育ち盛りの生徒たちに十分な量のおいしい弁当を食べてもらおうと、仕入れ業者の協力も得て採算をオーバーしながらも供給を続けています。

この仕出し弁当は採算オーバーの赤字であるということなのです。

業者も利益が出る仕組みでなければ安定的な供給は不可能

そもそも今回の「ホーユー」の撤退問題は、ダンピングに近い入札によって「ホーユー」が指定業者となり、そのために物価高騰の煽りで経営破綻したことが問題の発端です。

この仕出し業者にしても恒久的に赤字が出続ける弁当を提供することは不可能です。

1回の食事を400円しか徴収できないのならば400円なりのものを提供すべきですし、400円以上のものでなければ栄養価の問題がある、というのであれば追加の金額を徴収すべきです。

悪しき風習

生徒や教育、といった言葉が錦の御旗となって、滅私奉公を肯定する悪しき風習が日本には存在します。

公立学校の残業代無給や部活動顧問の強制などはその典型例です。

今回の「ホーユー」の問題からその対応までひっくるめて、同じ問題が根底に潜んでいます。

記事内の校長のコメントからもそうした問題が表れています。

三次高校の佐藤隆吉校長は「すぐに対応してもらって感謝しかありません。さまざまなところから支援の電話もいただき、温かい地域だと思いました。生徒たちが勉強や部活動に安心して取り組める環境をつくっていきます」と話していました。

今回のような非常事態に対し、継続した供給が可能な体制を構築することが校長の職務でしょう。

まずは業者に対して費用の補填(教員の持ち出しでなく予算の確保)を行うこと、そして生徒や保護者に対して値上げ止む無しという説明と業者の利益が出る価格の了承を取ることが先決でしょう。

そうした行動の結果が生徒の環境整備につながるのではないでしょうか。

今回の問題には日本社会や教育業界の悪弊が大きく表れているように感じます。


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