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弱肉強食

古くからある喫茶店。
ここは木にちなんだ店名なだけに、木々が多い。
明るめの窓際に席を取った。
緑が視野にある風景は目が休まる。
疲れ目の時は、無意識に緑を探している。
どんなに文明が発達しても、人は最終的に自然を求めるのかも。
人間も動物だと感じるひとときだ。

1番近い木に目をやると、大小様々な蜘蛛の巣が、同じ形状で張られている。よく見ると、隣の木も、その隣の木も。
(これだけの巣があって、どれだけの蜘蛛がご飯食べられてるんだろう。)
ふっと思った。

自然界は弱肉強食。
生まれた瞬間からだ。
常に死と隣り合わせ。
生まれた蜘蛛たちの、一体どれ程の子たちが完全体になり、その命を全う出来るのか。

確かに人間社会も弱肉強食と言う。
何を強者と言うのか分からないが、仮に負けたとしても死ぬことは少ない。
何かを諦め、辺りを見回せるようになった時に、また違う道が見える。
例え、道が見えなかったとしても、生きゆくことは出来るだろう。

人の欲が作った弱肉強食世界は、幻なのかも知れない。

今日、生きられる事を感謝する。

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