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VenmoとWechatから考える国内の個人間送金ビジネス分析

今日本で個人間送金ビジネスが流行っています。

LINE PAYや最近だとPaymoやシリーズAで十億円ほど調達したKyashが国内のサービスとしては主なプレーヤーでしょう。

これらのプレーヤーがどうなるかを各サービスの特徴や違いを分析しながら中国で流行っているWechat PaymentやVenmoの成功例も踏まえながら考察していきます。

Wechat paymentとは

Wechatとは中国で言うラインみたいなメッセージサービスです。現在そのWechat経由から決済が行うことができ、中国ではものすごく流行っています。

後に説明させていただきますがLINE PAY�と同じようなサービスになります。銀行口座を紐付けるだけでWechatではメッセージを送るかのように個人にお金を送金することができます。またレストランではQRコードを読み取るだけで簡単に決済ができ、その後グループで割り勘することも可能です。

電気代やガス代、タクシーなどもWechatで支払えるそうです。現在中国ではWechatがあれば余裕で生活できると言ってもいいほどインフラ化しているそうです。(一度もwechat経由で決済したこと無いかつWechatダウンロードしたがもちろん僕が住んでるベトナムでは上記のことは全く機能していないので、間違ってたらすみませんw)

Wechatが成功した理由とは

メルカリなどにも言えることなのですが使う人が多いほど出品者が増え、出品者が増えれば増えるほどユーザーも増えていくネットワーク外部性が働いています。Wechatの場合はメッセンジャーアプリとしてユーザーを大幅に抱えていたため、店舗などを簡単に抑えることができ、それによってWechat経由で決済する人が増えたので、また導入店舗数が増えたからここまでのインフラができたと言えるでしょう。これがプラットフォーマーの有利な点ですね。


Venmoとは

Venmoはアメリカで流行っている個人間送金サービスであり、銀行口座やデビットカードを紐付けることによってサービスを簡単に利用することが出来ます。

Venmoの利用シーンはVenmoによって店舗に直接払うことはできないので、誰かがクレジットカードでまとめて支払い他のみんなでVenmoで割り勘するという使い方で使われている。

Venmoが成功した理由

送金や受取手数料が無料であり、簡単に使えるためユーザーからするとお金がかかるわけでもないためすごく便利です。なおかつVenmoにはソーシャル機能がついており友達が何に対して支払ったかなどの情報がタイムラインでシェアされますので友達が何かのイベントに行ったことなどがすぐにわかるので、一種のプラットフォームとなっている。

Wechatとは違い、最初にある一定数のユーザーを持っていたわけではないため送金手数料や利便性を上げることによってユーザーを集めることにフォーカスし、ソーシャル機能によってユーザー同士でのコミュニケーションを活発にさせある種の決済コミュニケーションプラットフォームを作っています。


上記の成功例を踏まえて今日の日本の決済市場を見ていきたいと思います。

まずそれぞれのサービスの特徴を見ていきたいと思います。

LINE PAYとは

銀行口座を紐付けてLINEにお金をチャージし友達にお金を送金することができます。日本人の殆どがLINEをつかっているので、色んな場面で使うことが出来ると思います。

入金・・・無料
送金・・・無料
受取・・・無料
出金・・・200円

料金体系は上記のようになっており、これだけをみてみるとめちゃくちゃ便利やん!と思ってしまいますが、あまり周りで使っている人は見ないと思います。その一番大きな理由が本人確認が必要なことです

割り勘やちょっとしたことで送金する際にわざわざ免許証などを取り出して本人確認するほどめんどくさいものはないですよね。

なぜこういった作業が必要なのかというと、日本の法律が関係しています。2010年の4月から資金決済法ができて[資金移動業者]として登録したら送金業務してもオッケーということになりました。

しかし資金移動業者のサービスを利用するには運転免許証などの本人確認が必要になります。最近ではマイナンバーの提示も求められます。

LINE PAYは資金移動業者に登録しているため、上記のような送金サービスは行えるのですが、今の法規制では本人確認が必要となります。


こうした本人確認なんかしなくても決済がすむように立ち上がったサービスがPaymoとKyashになります。それぞれのサービスについて特徴を見ていきたいと思います。

Paymoとは

クレジットカード情報を紐付けてお金をチャージし簡単に個人間で送金できるサービスになっています。

Paymoは「収納代行業者」としてサービスを行っています。収納代行とは水道代をコンビニで支払えるのと同じでコンビニが水道代金をいったん預かってもらい水道会社に支払ってもらう構図と同じである。コンビニで支払うのに絶対にレシートが必要なのと同じようにPaymoでもレシートがないと送金できない仕組みになっています。

送金シーンは割り勘ぐらいですごく限定的であるといえます。

本人確認はしなくても良いですが、送金シーンが限られているのは残念ですが仕方のないことですね。受け取ったお金の残高利用はAnypayのみでしか使えないという、残高の利用先もあまり便利であるとはいえない状況です。

Kyashとは

Kyashも同様クレジットカード情報を紐付けてお金をチャージし個人間でお金を送金することができます。

「前払式支払手段発行業者」としてサービスを行っています。例を挙げるとSuicaなどで前払いで1000円払い、1000円チャージされたSuicaをあげることができるのである。しかしSuicaは電車の運賃の支払いでしか使えないようにKyashでのお金はKyashでしか使うことができず出金を行うことはできません。

しかし、レシートが必要ないので割り勘だけでなくどういった用途でもお金を送金することができます。またお金の残高利用に関してはVisa加盟店で使用することが出来るので、残高利用の選択肢も多くあります。

僕の場合は送金の汎用性のシーンに関しては割り勘だけで大丈夫だと思っています。家族間で送金する場合はネット銀行でもいいような気がするので、しかし残高利用がPaymoだとAnypayだけとあまり便利ではないですがKyashだとVisa加盟店で使用することが出来るのでプロダクトの優位性はKyashにあると思います。

しかしPaymoはプロダクトのローンチのタイミングにかぶせて動画を作成し大幅にマーケティング施策を行いバズってました。この手のビジネスは利用者が増えて使用する回数が増えるほどねずみ式に利用者が増えていきます。

利用者が増えれば増えるほど例えばPaymoからKyashへのスイッチコストは高くなっていきます。アメリカではVenmoしてって言う言葉があるほどVenmoというサービス名が動詞化しており、アメリカ人の生活に当たり前のように浸透しています。ということからプロダクトの優位性はKyashの方があると考えますが、大事なのはいかにマーケティングを上手くやりユーザーを囲い込向かだと思います。

この点を踏まえると現状ではPaymoが一歩先にいってるのではないでしょうか。

この一年が勝負の年になってくると思うのでKyashとPaymoの戦いを見ていきたいと思います。


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