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国宝「翰苑」を見に福岡へ(その4・完結編)太宰府の里~九州国立博物館~大野城こころのふるさと館

新型コロナウイルス感染症も落ち着きを見せてきていることから、久しぶりに遠征することにしました。行先は福岡。なぜ福岡を選んだのかといえば、なかなか公開される機会のない太宰府天満宮所蔵の国宝「翰苑(かんえん)」が公開されるからです。

そして、100名城の福岡城やその他の未見の国宝も併せて見るために出掛けることにしました。

この記事は前回の続きです。前回をお読みでない方は下記のリンクからどうぞ。2021年12月の記録です。

このnoteを書いている人:
sho かまふち
日本の歴史・文化・自然・世界遺産、国宝、(続)100名城、日本遺産、建築、町並み、旧街道、映画、日本酒、折り畳み自転車などに興味があります。京都/奈良/横浜/鎌倉/江の島などなど…。

■太宰府の里を歩く

◆大宰府政庁跡

大宰府政庁跡

旅人餠セットを食べ終えて歩き始めます。最初に来たのは大宰府政庁跡。1300年前の古代の国際都市であり、東アジアとの外交、軍事拠点だったところですが、防人として太宰府に赴任することはある意味「死」を意味することでもあったとか。古代の役人は大変でしたね。

大宰府政庁跡 とにかく広い

大宰府政庁跡南端にある太宰府展示館では、大宰府政庁跡で発掘された出土品や遺構(下の写真)、「令和」ゆかり「梅の花の宴」のジオラマ(記事冒頭の写真)などが展示されています。

太宰府展示館内の遺構跡

◆国宝の鐘に会えなかった 観世音寺

大宰府政庁の後は今回の旅で絶対に外せない観世音寺。日本最古ともいわれる国宝の梵鐘を見に行くのが目的です。

大宰府政庁跡から太宰府天満宮方面に続く道をひたすら歩くと、戒壇院の入り口があります

戒壇院入り口

戒壇院とは、出家者を正式な僧尼となるために必要な戒律を授けるために設置された施設です。

戒壇院

初めて来たのでとにかく勝手がわからなかったのですが、この寺院が観世音寺だと思い、敷地内にある鐘楼内の梵鐘を国宝の梵鐘と勘違いし「鐘楼の建物に隠れて梵鐘の写真が撮りにくいなぁ」などと思いながらシャッターを押し続けました。

戒壇院の鐘楼

戒壇院から隣の敷地に移動して初めてこちらが観世音寺だということに気が付きました。静かで広い敷地に大きな建物が並んでいます。

観世音寺の堂宇

そして肝心の国宝の鐘楼ですが、なんと「国宝梵鐘は5月19日から九州国立博物館で展示します。」との案内板があり、梵鐘そのものはありませんでした。

観世音寺鐘楼 梵鐘はない

がっかりしながらも気を取り直し、隣りの宝蔵(収蔵庫)に入ります。ここには平安時代から鎌倉時代の仏像が16体保存・展示されています(全て国指定重要文化財)。しかも、その多くが見上げるような巨大な像であり、見る者を圧倒します。

観世音寺 宝蔵(収蔵庫)

そして、ここの受付の方から聞いた話に私の心は一気に晴れ上がることになります。

「(私)国宝の梵鐘は来年の5月から九州国立博物館で展示されるんですね。神奈川県から来たんですけど残念でした。」「(受付の方)いえ、あれは今年の5月です。つまり、今現在九州国立博物館で展示されていますよ。」

九州公立博物館へ向かう私の足取りが軽くなったのは言うまでもありません。

■九州国立博物館は一勝一敗

◆博物館で国宝を探して

九州国立博物館入り口

やがて九州国立博物館に到着しました(と書くのは簡単ですがかなり長い時間歩きました)。太宰府天満宮側ではない入り口に着いたので、ここからさらに長い階段を登ります。

九州国立博物館入り口階段
九州国立博物館

九州国立博物館ももちろん初めて来ましたが、その大きさに圧倒されます。展示室に入るには長いエスカレーターに乗り上層階に進みます。

九州国立博物館内部 博多祇園山笠の山車
九州国立博物館 文化交流展示室入り口
観世音寺 国宝梵鐘

観世音寺の国宝梵鐘は無事見ることが出来ました。しかし、ここに来れば見られると思っていた未見の国宝である国玉神社の「銅板法華経・銅筥」は、残念ながら展示されておらず、「一勝一敗」という結果に終わりました。

◆立ち食いで済ませた梅が枝餠

太宰府天満宮方面のエスカレーターを下って帰ります。朝来た時と違い、参道は大勢の観光客でにぎわっています

ここ太宰府の地でやり残したことがもう一つあります。それは、有名な「梅が枝餠を食べる」ということ。しかし、この日残された時間がだんだんと少なくなってきました。本当であれば店内に入りゆっくり座って食べたいところですが、やむなく立ち食いで済ませました。

■最後の最後でこの旅の目的 翰苑に会えた

◆大野城心のふるさと館

西鉄春日原駅で降りて大野城心のふるさと館に向かいます。地図で見た限りでは駅から歩いて7~8分程度で到着するのではないかと思っていました、なかなかどうして意外に時間がかかりました。飛行機の時間も迫ってきており、このころになるとまるで競歩の選手のように大急ぎで歩きます

筑紫の至宝 特別公開 翰苑の世界 案内板

翰苑とは、7世紀ごろにまとめられた中国唐の「百科事典」。原本は失われ太宰府天満宮に唯一の写本が残されている貴重な国宝です。太宰府天満宮でも常設展示はされておらず、今回の展示はかなり貴重な機会でした。

大野城心のふるさと館を出て暫く歩いてから、続日本百名城に指定されている水城(みずき)のスタンプを押印するのを忘れたことに気付きました

しかし、今回の旅では水城は山の上から眺めただけで現地に行ったわけでもなく、飛行機の離陸時刻も近づいていることから、引き返すことはせずに「競歩選手の歩き」で駅に向かいました。

ホテルに立ち寄り預けた荷物を受け取って電車に乗り、無事福岡空港に到着しました。飛行機の離陸時刻まではまだ余裕があったので、レストランで夕食にしました(実際のところ離陸は1時間遅れましたが)。

福岡空港レストラン 焼き鳥丼と熟成アカバラ大トロ
福岡日本酒飲み比べセット 酢モツ ビール 右奥は醤油とソース

本当は昨夜食べなかった水炊きを食べたかったのですが、メニューになかったので、焼き鳥丼と「福岡の日本酒飲み比べセット」などをいただきました。

ふたつ上の写真左下の寿司ネタは「熟成アカバラ大トロ寿司」。メニューに「希少部位数量限定」と記載されていたので、「これは!」と思い注文しました。

■最後に

今回の旅は、新型コロナウイルス感染症がやや落ち着いたところの間隙をぬっての、そして、マイル活動で貯めたANAマイルを初めて活用した旅でした。

初見の国宝は2件(翰苑、観世音寺梵鐘)百名城スタンプも2城押印することが出来、非常に充実したものとなりました。

しかし、一番の反省点は「歩きすぎたこと」です。1日目は3万2千歩、2日目は山登りを含めて4万4千歩を超えました。

次回旅行に行くときは、タクシーなども使って無理のない旅にしたいと思います。

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