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サクラ咲く旧横須賀鎮守府長官官舎

富国強兵政策が執られていた時代、欧米列強と肩を並べるために整備が進められていた旧日本海軍。鎮守府は、軍港に置かれた海軍の本拠地で、横須賀、呉、舞鶴、佐世保に設置されました。今回は、毎年サクラが咲く季節に一般公開される海上自衛隊横須賀地方総監 部田戸台分庁舎旧横須賀鎮守府司令長官官舎)を訪れました。2019年4月

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おやちょう
日本の歴史・文化・自然・世界遺産、国宝、(続)100名城、日本遺産、建築、町並み、旧街道、映画、日本酒などに興味があります。京都/奈良/横浜/鎌倉/江の島などなど…。

■横須賀の丘にたたずむ鎮守府長官官舎

京浜急行県立大学駅で下車し緩やかな坂を上るとおよそ10分で海上自衛隊横須賀地方総監 部田戸台分庁舎(以下「鎮守府長官官舎」)に到着します。

敷地に入りまず目に入るのは、満開のサクラの向こうにある洋風の建物。切妻のシャープなラインが規律と厳しさが求められる海軍の施設という性格を象徴しているようにも思われます。

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早速中に入ってみます。

玄関に入って左手の部屋に入ります。現地の資料では「記念館」と書かれたこの部屋には重厚な執務机が置かれています。恐らく長官の書斎か、あるいは応接室だったのでしょうか。この部屋には海軍関連のさまざまな資料が展示され、海軍の歴史を学ぶことができます。

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続いてリビングルームに移ります。部屋の片隅にある古いピアノは有名なスタインウエィ社製で、現在の価格で1,000万円以上したものです。修理の上現在も演奏会などで使用されているそうです。

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この鎮守府長官官舎は、東京湾を見下ろす横須賀の丘の上に1913年(大正2年)に建設されたもので、企画設計に当たったのは、日本人初の英国の王立建築家家協会建築士で、東洋文庫や静嘉堂文庫も手掛けた、桜井小太郎氏です。

また、建物内随所に見られるステンドグラスは、アメリカ系ステンドグラス技法を伝えた稀代の芸術家とされる小川三知(さんち)氏の手になるものです。

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ダイニングルームにはかつての鎮守府長官の写真が飾られています。この広いテーブルで、要人たちを招いて食事がふるまわれていたことでしょう。

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ダイニングルームの奥には二間続きの和室があります。ここまでで建物1階全体の半分くらいですが、見学はこの和室までとなっています。

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■サクラ満開広大な庭を散策

玄関を出て建物外部に出てみます。サンルーム前のサクラはまさに満開!皆さんこちらで写真を撮影しています。

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建物正面に向かって少し右側に移動すると、右側半分は和風の様式となっています。この建物が和洋折衷となっていることがとてもよくわかります。

建物前の庭園には、枯山水のような雰囲気の砂利敷きの部分や植栽なども施されています。この日は季節がらサクラのほかにシャクナゲもほぼ満開でした。

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広大な庭園をひととおり散策し、鎮守府長官官舎を後にしました。

■記念艦三笠と猿島 

ところで、この鎮守府長官官舎は、日本遺産「鎮守府 横須賀・呉・佐世保舞鶴」の構成文化財に指定されていますが、横須賀市内にはそのほか複数の施設が構成文化財に指定されています。

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三笠公園に展示されている記念館三笠もその一つですが、この日は外観から眺めるだけにとどめました。東京湾に目をやると、かつて首都防衛の役割を果たし、同じく日本遺産の構成文化財の一つになっている猿島の姿も見えています。

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猿島に渡るのはまたの機会にして、かつての鎮守府横須賀を後にしました。






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