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世界遺産 旧元興寺極楽坊

円成寺からのハイキングコースを歩き住宅街に出で、前日に歩いたのと同じ道を歩きます。

緩やかな坂道を下りながら前日に訪れた新薬師寺近くなどを歩き、やがて平地となってきました。

雨も強くなってきましたが、ここからは昨日訪れる時間がなかった世界遺産に指定されている元興寺を訪ねます

元興寺の後は少し遅めの昼食にならまちで奈良名物柿の葉寿司を食べ、興福寺でこの日の締めとしました。

※この記事は前回の続きです。前編をお読みでない方は下記のリンクからどうぞ。

■このnoteを書いている人:かまふち管理人"sho"
日本の歴史・文化・自然・世界遺産、国宝、(続)100名城、日本遺産、建築、町並み、旧街道、映画、日本酒、折り畳み自転車などに興味があります。京都/奈良/横浜/鎌倉/江の島などなど…。
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■世界遺産 元興寺

◆元興寺とは

現在「ならまち」といわれる地域はかつては元興寺の広大な寺域でしたが、戦禍などにより衰退し、3つの寺院に分立して現在に至っています。

  1. 極楽堂のある元興寺 旧「元興寺極楽坊」

  2. 国の史跡「元興寺塔跡」である元興寺

  3. 国の史跡「元興寺小塔院跡」である小塔院

このうち世界遺産に指定されているのは1の極楽堂(本堂)のある元興寺であり、観光地として一般に「元興寺」という場合は1の元興寺を指すことが多いです。

この記事で紹介している元興寺も上記「1」の元興寺を指しています。

■1の元興寺には建築物の国宝が3件ありますが、仏像の国宝である木造薬師如来立像は2の元興寺の所蔵となります(奈良国立博物館寄託)。

◆世界遺産元興寺を歩く

元興寺極楽堂(本堂)

滝坂の道からこの日の前日にも訪れた新薬師寺付近を歩き、旧大乗院庭園前のならまち大通りに入ります。このならまち大通りを暫く歩くと元興寺に到着します。

拝観受付を通り重要文化財に指定されている東門をくぐると正面に極楽堂(本堂)があります。

その堂々とした姿に圧倒され暫く見とれてしまいますが、ここから左に進みます。

左側には寺宝を収めた法輪館があります。ここに収蔵されている寺宝のうち注目はやはり国宝の五重小塔でしょう。

高さわずか5.5メートルの小さな五重塔ですが、「工芸品」ではなく「建造物」として国宝に指定されており、奈良時代の五重塔の建築様式を伝えるものとして貴重とされています。

浮図田(ふとでん)

この法輪館と極楽堂との間には数多くの石塔が並んでいますが、この整然と並んだ石塔群は浮図田ふとでん と呼ばれています。

浮図ふと とは本来仏陀を意味する言葉で、仏塔が稲田のごとく並んでいるところということで浮図田ふとでん と呼ばれています。

日本一古い瓦のある屋根

浮図田ふとでん を歩き進むと「屋根瓦のビューポイント」があります。ここからは見える極楽堂の屋根瓦は飛鳥時代の古式瓦であり元興寺で見逃せないもののひとつとなっています。

元興寺境内
元興寺境内の石像

極楽堂や浮図田ふとでん を過ぎて禅室の周りを囲うように歩くと、さまざまな石造物を目にすることになります。

元興寺禅室

元興寺禅室は国宝に指定された切妻造りの建物であり、簡素ではあるものの重厚な雰囲気を醸し出しています。

かえる石

元興寺境内北側にはかえる石と呼ばれる石があります。もともと河内の川沿いにあったものを豊臣秀吉が気に入り大坂城内に移したといわれています。

このかえる石に関してはいろいろと不思議な逸話があり、また第二次大戦後一時行方不明となっていたものの、後に縁あってこの寺に安置することとなりました。

■柿の葉寿司は外せない

◆ならまち散策

ならまちふきん

元興寺を出てからは近鉄奈良駅方面に向かいながらならまち散策とします。古くからある建物を改装した物販や飲食店の店舗を見ながら歩くのも楽しいものです。

ならまちで見かけた石像

かつて広義の元興寺の境内だったこともあり、あちらこちらに石像や祠などがあり、往時をしのばせています。

◆奈良に来たので柿の葉寿司

うどんと柿の葉寿司のセット

さて、午前10時30分頃に円成寺を後にしてハイキングコースを歩き、さらにならまち散策もしてきましたが、そろそろだいぶお腹もすいてきました。

奈良に来たからにはやはり柿の葉寿司を食べないわけにはいきません。元興寺から猿沢池に行く途中にある柿の葉寿司の老舗店に入ります。

柿の葉寿司

店に入って席に着き、うどんと柿の葉寿司のセットを注文しました。杏仁豆腐とフルーツ、甘味もセットに含まれています。

柿の葉を開くとしめ鯖とサーモンの寿司がきれいに行儀よく並んでるではありませんが。

なんだか食べるのがもったいないような気もしますが美味しくいただきました。

■旅の締めくくりは雨の興福寺

◆露店に囲まれた猿沢池

露店に囲まれた猿沢池

お腹もいっぱいになったところで今日の奈良散策もそろそろ終わりが近づいてきました。猿沢の池に来ると池の周りをぐるりと取り囲むように露店が出ています。

こんな風に露店に囲まれた猿沢の池を見るのは初めてのことですが、この日は奈良最大のお祭りといわれる春日若宮おん祭り期間中ということで露店が出ているんですね。

◆雨の興福寺 初めて見る中金堂

興福寺中金堂

夕方になりいよいよ雨も強くなってきたところで興福寺に到着です。まずは東金堂にお参りです。

東金堂は聖武天皇が叔母の元正太上天皇の病気全快を願って建立した建物で、内部には多くの国宝・重要文化財指定の仏像が安置されています。

前回この建物に入ったのはもう何年前か思い出せないくらい前ですが、興福寺に来た時には必ず立ち寄りたいところです。

阿修羅像を始めとする八部衆像や十大弟子像などがある国宝館に入るのも久しぶりです。私のお気に入りはやはりどこか可愛げあって憎めない天燈鬼・龍燈鬼ですが、板彫十二神将像も見逃せません。

そして最後に興福寺中金堂です。中金堂は興福寺伽藍の中心になる最も重要な建物とされていて、2018年に再建されました。

そして今回の旅で再建された中金堂を始めて見ることができ、長い間の宿題をようやく終わらせたような気持ちになりました。

https://www.kohfukuji.com/

■最後に

2日間にわたる奈良の旅、今回は未見の国宝中心に奈良を歩きました。

長年の懸案だった未見の開山堂、執金剛像、そして円成寺の春日堂・白山堂などを見ることができてなんだかほっとしてしまいました。

■この日の前日に歩いたならまちについては下記リンク先を参照してください。

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