How to スタートアップ転職!
本noteは「刺激的な仕事に興奮を感じるアドレナリンジャンキー」向けのhow to 転職になります。
「楽そうなポジション」にありつけることが目標の人にとって、本noteはまっっっっったく参考になりませんので、ご了承ください。
コスパ・タイパ主義の対局にあるので、あまり「最近の若い人受け」しなそうで心配です。
先日後輩数名から「スタートアップ転職に興味があるんですが、どうすればいいか分からなくて…」みたいなことを聞かれたので、こちらのnoteに自分の考えるベストプラクティスをまとめます。
あくまでもこの手法は自分の考える「幸せな転職の確率を上げる」方法でしかないので、必ずうまくいくというわけではないです。自己責任でお願いします。
注:コンサル出身者を想定して書いておりますが、bizでの転職全般において参考になるかと思います。少し表現が難しいところではありますが、この手法はスタートアップ側が「是非一度カジュアル面談させていただきたい」と必ず思ってもらえるような経歴の方向けのnoteになります。
そうでない方は、どこかでめざましい成果を一度上げて、経歴の魅力度を上げてから以下の手法を参考にしていただければと思います。
結論:転職活動すらちゃんとできない人に、重要な仕事なんて任せられない
転職って実は、スタートアップにとって重要な仕事と非常に似てます。
例えば:
資金調達=リードVCを1社選定 vs. 転職=入社する会社を1社選定
BizDev=自社と提携先会社の相乗効果を生むパートナーモデルを模索する vs. 転職=入社先の会社と自分のキャリアの相乗効果を生むパートナーモデルを模索する
営業=複数あるサービス提供者から自社を選定してもらう vs. 転職=ポジションに対して複数いる候補から自分を採用してもらう
ぶっちゃけ転職は難易度が低い部類の仕事に入ると思います。最終的に自分一人で勝手に意思決定できて、自分一人で責任が取れるからです。
自分で行先を決めて、最悪自分でやめればいい。(資金調達なんて一度やってしまったら、なかったことにできません。)
勝手に世界全てのスタートアップ社長の心を代弁すると、「転職活動すらちゃんとできねーやつに、大事な仕事なんて任せられねーよ!」ってみんな思ってます(多分)。
ので、自分にとって良いポジションにありつきたいのであれば、転職に全身全霊を懸けて挑みましょう。
ステップ0:とりあえず身の回りの人に相談(難易度低)
信頼できる上司や、知り合いのスタートアップ界隈の人などに転職の相談をしてみましょう。自分がキャリアで達成したいこと、興味のあることなどを伝えて、どんな感じのポジションやスタートアップを探すべきかのアドバイスを受けましょう。
ステップ1:ロングリストフェーズ(難易度低)
とりあえずアーリーステージのスタートアップを探しているのであれば、Seed~Series Aくらいが該当する資金調達フェーズになります。
10億未満の資金調達を行った会社が2023年で2300件くらいだったそうなので(https://initial.inc/articles/japan-startup-finance-2023)、大体二年に一回は調達しているとすると、4000くらいのスタートアップから1社選ぶということになります。
以下ロングリスト作成までの手法をいくつか紹介します。
1. 有名なVCの投資先を確認する
日本ベンチャーキャピタル業界の会員リストなどからVCを見つけ、各社の最近の投資先を調べましょう(https://jvca.jp/members/vc-members)。
2. 興味のある領域で絞る
特定の領域に興味があるなら、PR TIMESの検索バーに「サステナビリティ 資金調達」などで過去2年分くらいのリリースを確認しましょう。
3. VCに連絡する(おすすめ)
知ってるVCの人がいたら「転職検討してるんですが、相談させていただけませんか?」と相談してみましょう。人伝でVCの人を紹介してもらえることもあります。
魅力的な人材であれば、自分の履歴書を投資先に展開してもらえたり、直接そのVCが出資している有望なスタートアップにどんどん紹介してもらえます。
この時点で4000→100社程度に検討社数を絞れると思います。
ステップ2:カジュアル面談フェーズ(難易度中)
このタイミングで100社のリストを優先度高・中・低に分けましょう。VC担当のおすすめ度合だったり、事業内容がおもしろそうだったり、履歴書を展開した時点で連絡をもらえたりしたスタートアップを「高」にしてみて、20~30社とカジュアル面談を設定しましょう。
自分の忙しさにもよりますが、週に8社話せるのであれば、一か月以内に30社とカジュアル面談できます。
事前に非常に興味があるところがあれば、直接担当者に会いに行きましょう。週末にも会ってもらえると思います。
カジュアル面談を20~30社実施したら1社ずつ「自分からの興味度合い」と「会社からの興味度合い」を高・中・低で評価してください。
ここで「会社からの興味度合い=低」は基本諦めましょう。「中」もあやしいです。カジュアル面談で自分の能力をちゃんと表現できていて、会社に必要とされるスキルを持っているのであれば、「高」になるはずなのでこの時点で先方の興味度合いが低い場合、そこと転職がうまくいく確率は非常に低いと思います。
この時点で30→8社くらいに絞れるはずです。時間があるのならば、8社で別メンバーともう一度カジュアル面談を行うことも可能です(先方が興味「高」の場合に限る)。社数が足りないのであればロングリストに戻ってカジュアル面談を行う会社を増やしましょう。
番外編:How to カジュアル面談
カジュアル面談で必ず聞くべきこととして挙げたいのが「そのスタートアップが抱えている課題」です。
そのスタートアップがどのような課題を抱えていて、どのようにその会社が解決すべきだと考えているのかの仮説を持ちましょう。
ここで課題の解像度をどれだけ上げられるかが肝になります。入社したら実際「自社の課題は何か?」という問いに挑み続けることになるので、ここを外すと入社できる確率はゼロになります。
ステップ3:カルチャーフィット検討フェーズ(難易度低)
さて8社程度に会社を絞れました。ここで各社の雰囲気・カルチャーを感じましょう。
会社のカジュアルなオフィス飲み会等の場で色んなメンバーと交流してみることも可能なはずなので、そのような場がないか聞いてみましょう。
NDAを結ばせてもらって、一度定例ミーティングへの出席が可能か打診したりすることもありです(断られた場合、先に選考してもらって、通過してから聞いてみるのもいいでしょう)。
社長が怒鳴ってたり、メンバーのやる気があまりにもなさそうだったり、自分にとって雰囲気があまりにも体育会系だったり… カルチャーが明らかにマッチしなそうな会社が半分くらいあるはずです。
これで4社程度に絞れるはずです。
ステップ4:課題解決プラン作成フェーズ(難易度高)
ここからが難しく、腕の見せ所です。
自分の上司となる人に、自分の感じているそのスタートアップの課題と、自分が貢献できる方法をすり合わせましょう。
営業組織の立ち上げだったら、どのような営業組織が適切か考えてみましょう。リードが足りないのであれば、どのようにしてリード創出できるのか考えましょう。ここ半年でどうしても解決しないといけないことはなにか考えましょう。
そして課題解決までのプランを作成しましょう。(頑張ってコンサルタントを続けてきていたのであればそのくらいは作成できるはずですよね!)100日プランとか言いますが、大抵の課題は2週間で8割解決できるはずです。
他のスタートアップの知り合いなどいたらインタビューしてみてプランを壁打ちしてみましょう。オンラインにあるリソースを確認して、海外事例を参考にしましょう。自分のツールキットにあるものは全部使いましょう。
入社後に与えられるポジション・ロールはここのフェーズでのスタートアップ側の体験で8割決まります。
番外編:実際2週間働いてみて、課題を解決しよう(難易度高)
時間があるなら、2週間ほどスタートアップでただ働きすることをおすすめします。
関係者にインタビューさせてもらったりして、ソリューションを具体化しましょう。そこから実行案を提案して、実際動き出せるものがあれば動き出してみましょう。
こうすることで実際自分が入社したらどのような形でそのスタートアップの課題を解決するのか、スタートアップ側も実感できるようになります。
既存メンバーをちゃんと巻き込めるか。メンバーに好かれるか。ハードスキルに加えてソフトスキルも重要です。
ステップ6:条件のすり合わせフェーズ(難易度中)
もうここまで来たら自分が心を惹かれるスタートアップ(そして先方も自分を採用したいと思っているスタートアップ)は4社→2社くらいまでしぼれるのではないでしょうか。
ここで条件について協議する会社は最大2~3社にしましょう。他の会社には誠意を持ってお断りしましょう。
ここですり合わせることはいくつかあると思います(スタートアップによっては項目によって交渉不可能な場合があります)。
・年収(cash)
・SO付与数
・入社レベル・ポジション
・責任範囲
ステップ7:最終決定(難易度中)
その次のキャリアを見据えた時に総合的にどこに行くのがよさそうか、どのような会社だったら入社して辛くても耐えられそうか、など転職先を決める要因は条件以外にも色々あります。
総合的に判断しましょう。
意思決定した際に他のスタートアップにちゃんとお断りしましょう。あと、転職活動を通じてお世話になった方全員に転職先の報告を行いましょう。
番外編:お断りの作法は非常に大事
スタートアップ業界は非常に狭いので、お断りした会社のメンバーは頻繁に会うことになります。自分も当時お断りした2社の方とはイベントで会ったり、人の紹介や相談で連絡を取ったりしてます。
感謝の気持ちを伝え、なぜ断ることになったのか丁寧に共有しましょう。最終決定する際には、最終的にどこに行くことになったのか事前に報告するのも良いでしょう。
最後に:転職は自己表現
ロジカルに転職活動を進める中で、ロジカルではない感情が生まれると思うのですが、その感情自体が自分の感性だと思うので、感性を大事にして転職先を決めることが重要だと思います。
色んな人と接して、接する人をどのような気持ちにしたいか。自分はどのような価値観を大事にしているか。目の前にある型をどこまで踏襲して、どこで崩すか。仕事自体自己表現だと思いますが、転職はその第一歩だと思います。
思いっきり楽しんで自己表現しましょう。
皆さんが良い転職にありつけるようお祈りしております。
それでは。
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