みなし労働時間制とみなし残業(固定残業代制)の違い

いわゆるみなし残業といわれるものには2種類あり、混同されている方も多いかと思います。今回はその違いを書きます。

みなし残業=固定残業代制とは

固定残業代制とは、毎月ある程度の残業をしたものとして、固定の残業代を支払う制度のことです。例えば【毎月30時間の固定残業代として、8万円を支給】というものです。この場合、残業しようがしまいが、基本給に加えて毎月8万円の支給があります。

固定残業代精神の注意点は、2つあります

①規定の時間外労働を超えた場合は、超過した分の残業代が別途発生する点
例えば固定残業代の残業時間分が30時間だった場合は、40時間残業すると10時間分の割増賃金が発生します。
②労働時間の正確な把握が重要である点
例えば労働時間把握を曖昧にしてしまっていると、「本当は30時間以上働いているのに、、」と従業員との認識のずれが出てきてしまいます。従業員が労働に含まれるものとそうでないものを区別できるようにし、正確な労働時間を共通認識にすることが重要です。

みなし労働時間制とは

「事業場外みなし労働時間制」「専門業務型裁量労働制」「企画業務型裁量労働制」の3つに分けられます。

【事業場外みなし労働時間制】

訪問先などの社外(事業場外)で働く仕事で、労働時間の計算が難しい場合に、所定労働時間分働いたとみなす制度です。

【専門業務型裁量労働制】

デザイナーやシステムエンジニアなど特定の19の業務について、業務遂行の手段や時間配分などに関して会社が具体的な指示をしない場合、実際に働いた時間にかかわらず、労使協定で定めた労働時間を働いたとみなす制度です。

【企画業務型裁量労働制】

事業運営の企画、立案、調査及び分析などに携わる業務に適用されます。

みなし労働時間制の注意点は2つあります

①適応できない業務が多い点
例えば「事業場外みなし労働時間制」であっても、労働時間把握が可能であったり、随時上司の指示のもと業務に当たっている場合は適応できません。それぞれの条件をしっかり確認する必要があります。
②別途割増賃金が発生することもある点
みやし労働時間制は基本的には残業代は発生しませんが、みなし労働時間が1日8時間を超える場合や、深夜残業、休日出勤をした場合はその分の割増賃金は発生します。

それぞれの特性に注意しながら、企業側は労働者のメリットをしっかり考えて制度設計しましょう!

しょーじん

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