【ドイツサッカー】3季ぶりに全日程を消化できた2021/22シーズンを振り返る(U12編)
ドイツのアマチュアカテゴリーは過去2シーズン、2019/2020シーズンは残りの約2ヵ月半が、2020/2021シーズンはリーグ戦が開幕してから5~6試合消化しただけで、ともにロックダウンへ入ってしまったことが理由でトレーニングも試合もできなくなり、シーズンが強制終了してしまっていた。
2021/2022シーズンは多少のスケジュール変更があったりはしたものの、3年振りに無事に最後まで日程をこなすことができた。
所属クラブであるフォルトゥナ・ケルンでは今季はU12監督とU23アシスタントコーチの2つのポストを担当させてもらったのだが、両カテゴリーともシーズン終了を迎えて移行期間に入ったので簡単に振り返ってみたいと思う。
【U12振り返り】
過去2シーズンはU15Ⅱのアシスタントコーチだったため、監督としてチームを担当するのは3年振り。
新U12はロックダウン(2020年11月~2021年4月中旬までトレーニング無し)の影響で変な時期にトレーニングが再開したが、5月末まではある程度前任の監督に任せてトレーニングサポートという立場でチームに帯同する形を取っていた。
始まったばかりの1カ月程は感染対策のため、「ソーシャルディスタンスを保ったトレーニングメニュー(接触プレー禁止)」と「トレーニング時の人数は最大5名まで」という制限付きで活動していたのも今となっては懐かしい。
7月中旬まで全体練習を行い、一旦夏季休暇期間を経て8月上旬にチームとして再度新シーズンをスタートさせたのだが、リーグ戦ではいきなり躓いて開幕2連敗。その後の2試合は大勝したが5戦目で再び勝ち点を落とし、2勝3敗の負け越しで秋休みの中断期間に入った。
優勝を目指す立場にあるクラブなので当然育成統括から呼び出しが掛かり、「今のお前らの立場は黄色信号だからな」と警告を受けた。
こんな不甲斐ない成績では解任がちらつくのは当たり前なのだが、この辺の時期からアシスタントコーチがクラブに対して不満と不信感を募らせて、何かと理由をつけてトレーニングに来なくなってしまった。
改善のためには気を引き締め直し、協力して取り組まなくてはいけない状況なのに…と困った部分もあったが彼のクラブに対する言い分も理解できるところはあったし、そういったネガティブな事情があったりして結局アシスタントコーチはリーグ戦再開の1週間前くらいにチームを離れることになった。
実はこのアシスタントコーチが前任(U11時代)の監督であり、僕が新U12の監督に就任するにあたって彼が監督からアシスタントに“降格“するような形になっていたことも、彼の熱量低下の理由として1つあったと感じる。
本人は「お前との間には全く問題はないよ。お前が原因ではないから気にするな」と言ってはいたが、でもどこか心の中では監督からアシスタントになったことに対しては多少なり不満はあっただろうし、所有している指導者ライセンスの関係等があったにせよ全て納得した上での監督ポストの譲渡ではなかったんだと思う。
開幕から11月上旬までの期間はリーグ戦では思うような結果が残せず、そんなこんなでアシスタントコーチはクラブに愛想を尽かして退任してしまい、自分自身の中では今季のU12のシーズンの中では1番苦しんだ時間だった。
それでも少しシステムを変更したりして、冬季中断までには何とか多少持ち直した。
年明けからはシーズン開始時のプランニング通り、ベーシックの技術面にフォーカスしつつもゆっくりではあるがグループ戦術の要素にも着手し、ビルドアップやボールポゼッションの局面の基本事項を整理していき、リーグ戦では前期日程に比べると安定した試合ができるようになっていった。新しいアシスタントコーチが良い仕事をしてくれたのも大きかった。
フィジカル前面のチームに対して弱いという点は克服できず、負ける試合もあったりで波があった感は否めないが、前期で敗れた上位チーム相手に圧倒的なゲームを見せてくれたりと、後期は特に選手の成長を感じることができた瞬間も多かったかなと。
今までは先制されると守り切られる試合が多かったが、後期は落ち着いて試合をひっくり返す強さも見せてくれた。
優勝したチーム(全勝優勝)が強すぎて、シーズン前の目標だったリーグ優勝には全然届かなかったが、何とか2位に入って最低限クラブの要求ラインは満たせたかなという感じ。
ただ、満足のいく結果には至らなかったし、サッカーの内容だけでなく、それを取り巻く環境面においても難しさを痛感したシーズンでもあった。
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