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どう生きるか(人生学・死生学)

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「人生学」「死生学」について書いた記事をまとめます。
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#日記

『わがままに生きる』

5月31日発売のビジネス雑誌『PRESIDENT』に、元陸上選手・為末大氏のコラムが掲載されていた。 主たるメッセージは「わがままに生きよ」だ。トップアスリートの世界では、自分自身のコンディションに徹底的にこだわるため、”わがままさ”は高い成果を出すのに結構大事なのだそう。そう考えると、日本人の多くは他人の目ばかりを気にしており、自分の声に耳を傾けるという傾向が弱いと。 彼の意見は、「なんかいやだなあ」「ちょっとうれしいかも」「思ったより楽しかった」など些細な感情の表現を

ジャーナリングはメンタル強化にどう貢献するか

ジャーナリングはメンタル強化やレジリエンス(精神的な回復力)を高めるための非常に有効な方法の一つです。以下、ジャーナリングがどのようにメンタル強化に役立つか、具体的な効果とそのメカニズムについて説明します。 ストレスの軽減:ジャーナリングを通じて自分の感情や考えを言葉にすることで、ストレスや不安を軽減することができます。書くことで自分の感情を整理し、理解するプロセスが進みます。 自己理解の促進:定期的に自分の考えや感情を書き出すことで、自己理解が深まります。自己理解が深ま

『メンタルが強い(弱い)』とはどういうことかAIに聞いてみた

「メンタルが強い」とか「メンタルが弱い」といった表現は、一般的に個人の精神的な強さや抵抗力、ストレスに対する耐性などを指しますが、これを測る明確な基準や単一の方法は存在しません。メンタルの強さを測るために用いられるいくつかの方法や指標について説明します。 メンタルの強さを測る指標や方法 自己報告式アンケート: 心理尺度: 心理学では、精神的な強さやストレス耐性を評価するための標準化されたアンケートがいくつか存在します。例として、以下のようなものがあります。 逆境に対す

WHO「2030年頃の人類 最大の敵は”うつ病”」

特に予定を入れなかったGW。家でビジネス系雑誌を読んでいると、「WHOは2030年ごろの人生の健康の最大の敵は”うつ病”と予想している」という一文が目に入った。 「うつ病」「発達障害」「いじめ」「自殺」等のキーワードに私は敏感に反応する。誰にとっても他人事ではないと思っているからだ。 なるべく周囲に迷惑をかけず、噓をつかず、誠実に働いている人がうつ病になる。他人にばかにされていた特性が実は発達障害だった。ちょっとしたイジりのつもりが自然といじめになっていた。自分には縁のな

死を意識するとパフォーマンスが向上するという研究やエピソード

個人的に、人生の早い段階で「死」に考えをめぐらすことは大切なことだと考えている。正確に言えば、そうした”きっかけ”に気づく経験が大事だと思っている。 自ら積極的に考えにいくというよりも、例えば日々のニュースを見て「どうして毎日どこのだれかもわからない人の死亡事故が報道されるのだろう」とか、家族に言われるがまま参列した遠い親戚の葬儀で「どうして普段は関わってなかったのに、死んだときはわざわざ集まってその人について語り合うんだろう」とか、純粋な疑問からでいい。 他にもきっかけ

死の名言

生死について思案する友へ。今日、わたしの心に触れた言葉たちを送る。 いずれも引用であるが、発言者はあえて記載していない。自分の感情に刺さる言葉と出会った際、それを誰が発したかはさほど重要ではないからだ。 大切なのは「感動(感情の機微)」に自ら気づくことである。その衝動を言語化する必要はない。ただ味わえばよい。 わたしの記事が、皆が生きていることを噛みしめる一つの機会となれば幸いである。 ※記事の終わりに引用元の書籍を掲載しているので気になる方は参考に。 * * *

「死にたいと思う=不健康」ではないという考え

死にたいと思うことで得られる満足感がある 私は「死にたい(消えたい)」と思うことがある。 しかし、その思いを他人に話すことはほぼない。 理由はいくつかあって、例えば「話したところでその気持ちは変わらないし、変えたいわけでもない」「”病んでいる奴”や”かまってちゃん”というレッテルを貼られ、その後の社会生活に悪影響を及ぼしそう」「過剰に心配されるため、こちらも気を遣うことになる」などである。 こういう理由で、死にたいと思っても気軽く周囲には漏らさないわけだが、この本質は「死

「人生学」をつくりたい。

先日、旧友から「あなたは最終的に何になりたいのか。」という質問を受けた。 私はこう答えた。「何になりたいという答えは特にない。しかし、成し遂げたいことならある。」 「人生学」の確立私はその友人に、新しい学問分野を確立させたいという話をした。 「もしこれを実現できたら、社会が変わり、世界が変わる。いまを生きる人だけでなく、これから生まれてくる人たちの役に立つと信じている。」そう語った。 「人生学」から何が得られるか人生学は一体どういう学問か。 結論から述べると、「人生

(3)死生学という人生の戦略

「出口戦略」という言葉がある。「損失が大きいときに、いかに損失を少なく抑えながら撤退するか」という意味だ。日常的にはビジネスシーンで用いられるが、今回はこの言葉を人生に当てはめて考えていきたい。 これは、「人生という苦しみの連続の中で、いかにそれらと向き合い死を迎えるか」という問いかけである。即ち、人生に対する戦略的考察である。 *** そもそも人生は苦悩の連続なのかという疑問もあろう。それは「一切皆苦」という仏語の通りである。逆境時は困難であり、順境時はその後に訪れる

(2)死生学が必要な理由〜死生観の宗教からの独立〜

「死にたいように死なせてあげたい。ホスピスの医者としてはそう考えるのですがね。こういう死に方をしたいというイメージがない人ばかりなんです。生き方ばかりじゃ最後は役に立たないんですけれどね」(永六輔『大往生』) 現代における死に関する問題は、目に見えない形で生活の中に姿を現しているようだ。日頃から生死に関わっている人、関心を持つ人がそうした問題に気づき、声を上げている。死生学はそうした人たちによって、ようやく一つの学問分野として認知されつつある。 少し話は逸れるが、現代の日

(1)「死生学」とは〜人生を科学する〜

私はいま「死生学」という学問に関心があるが、比較的新しい学問分野であり未だ広く浸透しているとは言い難い。 そこで今回は、死生学という学問分野を紹介することしたい。死生学について調べてみると、以下のように説明されている。 一般に、死生学の起こりは、1967年にイギリスでシシリー・ソンダースがホスピスを設立したことにあると言われている。医療現場での死の看取りの実践を通じて、死と向き合う必要性が訴えられている。 また、死生に関わることは医療の領域にとどまらないことから、教育現