水分不足が引き起こす脱水症状|3つのタイプ
こんにちはSHOです。僕のnoteを読んで頂きありがとうございます。
もうすぐ7月。夏本番を迎えるにあたり気温もぐんぐん上昇し、関東地方も真夏日を迎えることが多くなってきています。
こうなってくると「水分」をしっかり取って脱水症状をおこなさないようにしていくことが大事です。
今回は「脱水」に着目して話を進めていくことにします。これから暑い日が続いていきますので、脱水症状を起こさないようにするためにもご興味がある方はこの先も読んで頂けると嬉しいです。
○脱水の3タイプ
私たちの身体の約60%が水分だと言われています。その水分が足りなくなってしまった状態のことを脱水といいます。
ただし、シンプルに私たちがいつも飲んでいる「水」が足りなくなった状態のみのことを脱水というのではなく、種類があるのです。
・水欠乏性脱水
・ナトリウム欠乏性脱水
・等張性脱水
この3つです。
話を始める前に、前提となる情報について先にお伝えしておきます。
私たちの身体は「細胞」の集合体です。その細胞に栄養などを届けるためにいくつもの血管が張り巡らせています。
細胞は「細胞内液」という液体で満たされています。血管は血液として「血漿」という液体で満たされています。また、細胞と血管の間は間質といいますが、ここも「間質液(組織液)」で満たされています。
間質液は血漿が染み出して作られたものなので、成分が似ています。また、どちらも細胞の外にありますので2つをまとめて「細胞外液」とも呼びます。ちなみに、体内の水分のうち2/3は細胞内液だと言われています。そして、細胞外液のうち3/4が間質液だと言われています。
細胞内液にはカリウムが多く溶けていて、細胞外液にはナトリウムが多く溶けています。細胞膜は半透膜的な性質で水分を通すことができるということも併せて覚えておいてください。
ここから少しずつ脱水の話をしていきます。
私たちの身体は特に何もしていなくても水分は失われていきます。これは、呼吸や粘膜からの蒸発(不感蒸泄)によるものなのですが、1日に約500ml程度だと言われています。ただ、これは全て細胞外液が蒸発しているものです。
となると「細胞外液の水分が少なくなっていくとどうなるのか?」という問題になっていきます。
細胞外液にはナトリウムが多く含まれているので、水分量が少なると、シンプルに細胞外液のナトリウム濃度が上がることになります。となると、細胞外液の浸透圧も上昇するので、細胞内液と細胞外液の浸透圧のバランスが崩れていきます。
するとどうなるかというと、半透膜を隔てた細胞内液から水分を引っ張ってきてしまいます。これにより、細胞内液が適切な量に保たれなくなってしまいます。
何だか難しい説明をしていますが、ここをシンプルに伝えると、細胞外液の水分量が少なることで細胞内液の水分量も少なるんだということです。このような脱水を「水欠乏性脱水」といいます。この脱水は細胞外液のナトリウム濃度が高くなって起きる、つまりは浸透圧が上昇することによって起きるので「高張性脱水」または「一次脱水」とも呼ばれています。
では、水欠乏性脱水はどのような状況の時に起きやすいのでしょうか?
不感蒸泄によって私たちは水分を失っているので、こまめに水分を補給していく必要があります。なので、シンプルに水分補給を欠いている場合に置きやすくなります。意識障害、食欲低下等で水分摂取が減少している状況だとより発生しやすくなります。ちなみに、朝起きてすぐに水分摂取を勧めるのもこれです。
他の脱水症状も見ていくことにします。
例えば、暑い日炎天下で外にいる時、喉が渇いてゴクゴクと飲み物をとり続けたとします。
もう汗びっしょりになっているはずです。
で、この汗の成分なのですが、ナトリウムが含まれています。ナトリウムは排出しているのに水だけ摂取していると、水欠乏性脱水は防げるものの、今度はナトリウムが不足してしまいます。
え?これの何がいけないの?
そう思う方もいらっしゃるかもしれませんが、ナトリウムが欠乏すると細胞外液の浸透圧が正常よりも下がってしまいます。これは、細胞内液の浸透圧が細胞外液に比べて相対的に高くなってしまうということです。ということは、細胞外液の水分が細胞内液の方に引っ張られてしまいます。
その結果、細胞内液は水分が過剰になり、細胞外液は水分不足になります。これも脱水の1つであり、ナトリウムが不足して起きるので「ナトリウム欠乏性脱水」と呼ばれています。この脱水は細胞外液のナトリウム濃度が低くなって起きる、つまりは浸透圧が下がることによって起きるので「低張性脱水」または「二次脱水」とも呼ばれています。
余談ですが、ファスティングの際に水分だけではなく塩分も補給してというのはこれです。固形物を取らず食べ物に含まれているナトリウムを摂取しなくなるからです。
そして最後にもう1つ。
水分とナトリウムどちらも不足してしまっているケースも想定できるはずです。例えば出血が多かったりする場合で、細胞外液が少なくなってしまうことも考えられます。
この場合は、細胞外液自体は減っているものの、ナトリウム濃度は変わリません。ナトリウム濃度が変わらなければ、浸透圧は変わりません。浸透圧が変わらないということは、水分の移動も起きません。
このような状態(水分・ナトリウムどちらも足りていない)で、浸透圧の変化がない脱水を「等張性脱水」と呼びます。水もナトリウムも足りていないので「混合性脱水」とも呼びます。
ちなみに。
今回は脱水の3タイプをお伝えしてきましたが、いずれも極端な場合なので、実際にはここまで極端な例は多くありません。
・どちらかといえば水欠乏性脱水かな?
・どちらかといえばナトリウム欠乏性脱水かな?
このような場合が多いです。
まずは、この3タイプがあることを理解し、タイプごとにどのような症状が出るのか、どう対処していけば良いのかを次に学んでいけばOKです。
長くなってきましたので今回はこの辺で終わりにいたします。
ここまで読んで頂きありがとうございました。
https://note.com/sho_mentaldiet/n/n348f37d75c95