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家づくり冒険の書「ハウスメーカー検討編」

妻の妊娠をきっかけに家づくりを検討することに。
今の家は自分が会社員時代に引っ越してきた2LDKのアパート。1部屋は自分の作業部屋(仕事やら趣味の道具のメンテナンス)に使ってて、もう1部屋は寝室。お風呂もかなり狭いので、子育てするにはちょっと手狭。アパートへの引越しも検討しましたが、今より広い部屋かつ妻の職場に近い場所を探すとなると、家賃もそれなりにしてくる…
子供が産まれるとしばらく新築建てるのもまた難しくなる…
ということもあって、(妻が)思い切って新築を検討することに。

妻の周りには最近新築を建てた友人や先輩がいて、いろいろ話を聞いたら「アイ工務店」をおすすめされ、さらには友人から担当の営業マンを紹介してくれることになり、本格的な新築検討をスタート!

アイ工務店を紹介してもらったとはいえ、他も見比べてみようということで、予算もあまりないのでお手頃価格のハウスメーカーを中心に比較検討をしました。実際にモデルハウスに行って聞いた話を基に感じたことを書いていきますので、参考にしていただければと思います!


アイ工務店

特徴

11年連続成長率No.1の近年注目株のアイ工務店。適正価格を謳っており、お手頃価格なのにトップクラスの性能を持つコスパの高さが魅力。
今年1月に出た新商品N-eesのみの展開で、ダブル断熱とトリプルガラスを採用した高性能が売り。
またスキップフロアやハーフ収納といった縦方向の空間の使い方が得意で、よくある「尺貫法」にとらわれずにミリ単位で間取りの調整もできる、自由すぎる設計ができる。
さらにはダントツで長い20年初期保証(住宅設備は10年)が最初からついているのも魅力的。
材料価格の高騰で他メーカー含め軒並み住宅の値段は上がっているが、性能面が大幅に上がっているせいか、競合メーカーよりは若干価格が高めで、坪単価70万弱まで上がっているよう。

標準仕様

断熱材
硬質ウレタンフォームの吹き付け剤なので、断熱材と木材の間に隙間が出来にくい。

断熱性の高い樹脂サッシのトリプルガラスが標準仕様。
IoT
注文住宅いは標準でIoT住宅になっていて、Alexaなどと連動したり、電気使用量をチェックしたりすることができる。さらには遠隔で家電の操作なんかもできちゃったり。
20年初期保証
通常10年〜15年保証が多い中、最初から無償で20年の初期保証が付いている。外壁や屋根などの住宅そのものの不備やシロアリも含まれる。
なおお風呂やトイレ、キッチンといった住宅設備は10年保証。
住宅設備
気になるキッチンやお風呂の標準仕様ですが、キッチンはタカラ・リクシル・トクラス・クリナップなどから選択可能。どれも中高価格帯から選べるので各メーカーの強みが活かせたモデルが選べる。お風呂はタカラ・TOTO・リクシルから選べる。もちろんどちらもオプションでフラッグシップモデルのものも選択可能。

タマホーム

特徴

CMでお馴染みのタマホーム。見学に行ったきっかけはモデルハウスの見学予約の特典でクオカードがもらえるから(笑)
タマホームは結構やっているようなので、検討始めたらとりあえず行ってみるのはアリだと思います。
価格帯はアイ工務店よりもぐっと抑えられ、坪単価60万ちょっと。若い世代を中心に人気のよう。
最近出た「笑顔の家」という高性能住宅はタマホームの中では高価格帯になり、坪単価70万程度になってくる。
今回ついてくれた営業マン曰く、笑顔の家を買うくらいならタマホームの魅力(=低価格)は薄れる上に、もっとコスパのいいメーカー(=アイ工務店?一条工務店?)があるのでおすすめしないとのこと。
従来商品の「大安心の家」が価格的にもおすすめ。

標準仕様

おすすめされた大安心の家の主な標準使用は以下の通り
断熱材
グラスウール(昔からある綿みたいなやつ)のシングル断熱のため、やや断熱性は劣る。とはいえZEH基準は満たしているので、そこは問題なし。

通常のダブルサッシ。これも性能は普通。
住宅設備
大手メーカーは標準で選択可能。ただし標準はミドルクラスなので、キッチンなどでこだわりがある方はオプションになり割高になりそう。

クレバリーホーム

特徴

クレバリーホームといえば自社製のメンテナンス不要のタイル貼りの外壁。
サイディングの上からタイルを貼るので、防水性や断熱性を確保しつつ、目地もないので、塗り替えなどのメンテナンスコストも不要という、ランニングコストを気にする方にはおすすめ。
様々な商品が出ていて坪単価60万前半〜70万前半といったところだが、内装にタイルを使うとか外壁タイルが高級とかそういったところが最初からお金がかかっているだけで、工法自体はひとつなので実質単一展開。
場所によってトリプルガラスを選択できたり、部分的に床暖房を入れたり、床下断熱の厚みを変えたり、間取り以外も細かく設定できるので、そういったところでコストを抑えることも可能。
ハーフ収納や屋根裏収納も作れる。

標準仕様

断熱性能
断熱自体はシングル断熱だけど、柔らかいウレタン吹き付け剤のため、地震が来ても柔軟に変形してくれるので、割れたりする心配はない。

基本的にはダブルサッシ。西側や南側など温度変化が大きそうな場所にはトリプルサッシを他はダブルサッシをという手段もあり。またトリプルサッシは標準的な形状とサイズしか展開がないので、丸窓など特殊形状にしたい場合はダブルサッシでの対応が可能。
住宅設備
大手メーカーの製品は選択可能。オプションなのかハイクラスのものも選択は可能。(見積もり時に気がついたらハイクラスになっていたので、どこまでが標準か不明…)

桧屋住宅

https://www.hinokiya.jp/

特徴

全館空調「Z空調」でお馴染みのハウスメーカー。
1台のエアコンを全室はもちろんのこと、屋根裏と床下にもダクトを通し、家の内側丸ごと温度を一定に保つという仕様。
床下も断熱材を施工して、空気の通り道を作っているので、常に床下含め空気が循環していることで、シロアリ対策も兼ねている。(シロアリは空気の動きがない湿気の溜まる暗い場所を好むため)
ただ、大元のエアコンが通常のルームエアコンのようなもので天井埋め込み型。ダクト配管がそこから全室&床下・屋根裏まで回っているので、ダクト交換をするとなったら相当なメンテナンスコストが掛かってしまうのがデメリットかも。
我が家的に気になったのが、床下に空調の空気を入れているため、1階の床に空気の抜け道となる空気孔がある。埃が溜まったり小さいものが入る(とはいえフィルターはあるから取れないことはない)リスクがあると感じた。単純に見た目も良くないなと。

標準仕様

断熱性能
ウレタンフォームの吹き付け剤を屋根裏から床下までびっしり施工。全館空調との組み合わせでおうち丸ごと温度管理を実現。

ダブルサッシのみの展開。全館空調ありきのため、断熱して温度を保つというより、コストを抑えてあとは全館空調で温度は調節というコンセプトとのこと。

ファームのみんなたちからのアドバイス

僕が所属しているコミュニティ「まるみデザインファーム」には元々建築系のお仕事をされていたちょこさん(以下🍫)がいらっしゃって、アドバイスをいただきました。(ありがとうございます!)

ワイ「ハーフ収納欲しいなー」
 🍫「ハーフ収納は明確な使い道を考えていた方がいいです!天井高140cm以下なので、頻繁に出し入れするものには不向きで、季節家電・布団などを収納するのに便利です!収納の基本は使う場所の近くに作る!」
ワイ「スキップフロアもかっこいいなー」
 🍫「スキップフロアは視線に変化があっておすすめですが、小さい子供は落下の危険性があるので、気を遣う必要があります!
ワイ「仕事場として使うので、一部屋という感じになりそうですが、どうでしょうか?」
 🍫「それなら大丈夫そうですね!」
ワイ「ハーフ収納は基本的に子供の遊び場兼おもちゃの収納場所にしようと思ってますがいかがでしょうか?」
 🍫「子供は親の目の届く場所で遊びたがるので、ハーフ収納の中で遊び続けることはないと思います。そこで遊んでくれないかもしれないという心持ちがいいと思います。おもちゃや子供の作品をしまっておく場所としてはいいと思います!」
ワイ「ファミクロ欲しいなー」
 🍫「廊下の両サイドを収納にしてファミクロ通り過ぎたら身支度終わってるっていうのいいですよね!ただ、ランドリールームを隣接させるなら、換気経路気をつけた方がいいですよ!」
ワイ「クレバリーでアイ工務店っぽい間取りにしたらコスト抑えられないかな?」
 🍫「スキップフロアに関してはアイ工務店の方がノウハウがあるはずなので、クレバリーには限界があると思います!クレバリーはモノコック構造なのでアイ工務店ほど自由な間取りが効かない可能性があります!そもそも群馬は土地が広く取れるので、スキップフロアが必要なのかも検討したほうがいいです!」

たくさんのアドバイスありがとうございました!!

我が家の検討結果

上記4社を回って思ったのは、担当営業マンって大事だなと。
話してみて正直この人に任せるのは心配だな…と感じる人もいて、それだけでもマイナススタートのような感じになっていました。
それを踏まえた上で、性能に優れたアイ工務店とコスパに優れたクレバリーホームに絞りました。
タマホームは断熱含め全体的にコストカットしている割にそこまで値段が下がってないなという印象でした。(内装こだわらないクレバリーと同等、性能上げるとアイ工務店より価格帯が上がる)
桧屋住宅は全館空調に魅力を感じなかったのが大きくて、エアコン故障時のリスクの大きさと前述した床の空気孔が気に入らなかったのが大きいですね。最近の高性能住宅って平屋でもドア開けっぱにすればエアコン1台でイケるって言っていたし、普段いる部屋って限られるからそれよりも断熱性能が優秀な方が帰ってきたときの不快感やら電気代を抑えられるならそっちの方がいいよねってなりました。

近年の家づくりについて

上記4社回って話を聞いたり、自分であれこれ調べていくと、これから家づくりを検討されている方にとって大事なキーワードがたくさん出てきました。

こどもエコすまい事業

子育て世代かつZEH基準を満たす住宅を建築予定などの条件を満たすと最大100万円の補助金が出るというものです。
ただし予算に上限があり、上限に達すると受付が終わってしまうので注意が必要です。(2023年度は9月28日に受付が終わってるようです)
ちなみに我が家は申請間に合いませんでしたw
間に合わなくてもおそらく来年も同様の補助金はあるだろうとのことなので、対象に入る補助金が再度始まることを祈るばかりです。

ZEH

ZEH(ぜっち、Net Zero Energy House)とはゼロエネルギー住宅のことで、高性能の断熱と省エネルギー設備の導入により使うエネルギー量を抑え、太陽光発電による創エネルギー量で相殺もしくは上回る住宅のことを指します。
要は、電力を自給自足できる住宅のことを指します。
2025年以降省エネ基準(ZEHより一つ緩い基準)を満たさない住宅は建てられない法律が始まったり、こどもエコすまい事業があったりで、各社ZEH基準を満たす商品を新たに出しているので、断熱基準に関してはどこも一定水準はあると思って大丈夫のようです。
ただ、その基準をギリギリ越えるか、大きく超えているかは各社異なるので、どのくらい断熱が欲しいか検討するといいと思います。

省エネ基準地域区分

断熱地域区分ともいうようで、日本全国を市区町村単位で1〜8の区分で分けられたものです。
1の地域ほど寒く、8の地域ほど暑いと考えて大丈夫です。
その地域ごとに断熱等級に応じたUA値(どれだけ熱が逃げやすいか)の推奨値が決まっています。
この断熱等級は等級4で2025年以降義務化になる省エネ基準、等級5がZEH基準となっているので、こどもエコすまい事業のことも考えると最低でも等級5相当のUA値をクリアするといいでしょう。
このUA値は公表しているハウスメーカーも多いので参考にするといいと思います。

C値

UA値と一緒に公開されやすいものがC値。
延べ床面積に対する隙間の割合を指す値で、小さいほど機密性が高いということになります。
機密性が高ければ空調の効きもよくなるし、断熱性能を存分に発揮できます。
Gと呼ばれるアイツも入ってくる隙間もなくなりますね!
他にもC値でわかることも多いので参考にしてみるといいのではないでしょうか。
一方で自然に換気されなくなるので、換気システムに注意が必要です。
UA値に比べて公表してるメーカーは減りますが、公表しているのは自信の表れかもしれませんね!

24時間換気システム

24時間換気システムには第一種〜第三種があります。
第一種…吸気:機械、排気:機械
第二種…吸気:機械、排気:自然
第三種…吸気:自然、排気:機械
最近の住宅はほとんど第一種換気です。
排気はお風呂場やキッチンの換気扇のほかに、吸排気兼用の換気扇が全部屋についていて、自動で吸気と排気を行ってくれます。
また熱交換機能を備えている場合が多いので、冬に換気してて冷たい空気が入ってくるなんてこともありません。
ただ各社換気方法が異なるので、フィルターの交換頻度やお手入れの方法などメンテナンスコストや故障した時の対処法を聞いておくといいと思います。

耐震等級

地震にどれくらい強いかという指標で、1〜3があり3が1番強いです。
メーカーによって耐震等級3が標準だったり、耐震等級2が標準でオプションで耐震等級3にできるというところもあります。
オプションでできてもノウハウがあまりなかったりするので、耐震等級3が標準の方が安心ですね。

省令準耐火構造

火災に強い住宅になっているかどうかです。標準で省令準耐火構造になっているメーカーとオプション扱いのメーカーと様々で、確認しておくといいでしょう。
省令準耐火構造であると、火災に強い建物になる以外にも、火災保険が割引になるといったメリットもあるので、省令準耐火構造が標準のハウスメーカーを選びたいですね

その他の選ぶ基準

これまでに記述したもの以外にも、僕はメンテナンスコストをかけたくなかったので、防蟻処理のやり方や屋根材の種類、外壁の種類などで標準仕様がメンテナンスコストが掛からないようなハウスメーカーがいいなと考えていました。
この辺りは人によって選び方が異なるので、自分に合ったハウスメーカーを探すといいと思います。
特に外壁はたくさん種類があって、それぞれ一長一短あるので、自分で調べてみるのも面白いと思いますよ!

あれこれ言ってきましたが、人によって重視するところ、好み、予算などなど、選択基準は違うので、自分がどう家を建てたいかだったりお財布事情がどうなのかと言ったあたりを見直しつつ、情報整理しながらハウスメーカー選びをするといいんじゃないでしょうか。
その情報収集のお役に立てれば嬉しいです。

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