2022.5⑤ Weekly Music Log ~UA、新東京、colormal、Daoko、ヒップホップはポップになり得るか？~
架空対談方式で、主にその週の新譜を中心に、音楽について緩く書く週刊記事。
ですが、、、諸事情により、簡易版として、曲のリストと簡単なコメントを付けるだけの内容になります。
Playlist ※毎週、最新の曲に更新されます
UA / Honesty
正直に言うと、自分はUAのことをほとんど知らないのですが、中村佳穂氏作詞曲かつ君島大空編曲という情報を知って、聴かないわけにはいきません。言葉の並べ方・音の並べ方・その質感、全てが両アーティストの記名性の高い楽曲だなと思いますが、良く考えれば、こんな癖がつよつよな楽曲を表現し切るUAの実力こそが、この楽曲の真髄なのでしょう。
新東京 / sanagi
新東京の音の重ね方はシンプルに好きですね。特にビートにはマスロックの香りも感じるのですが、若干チープなシンセが効いていて、聴感はしっかりとポップ。コーラスワークも心地よいし、良いバンドです。
colormal / 瞳
新曲かと思ったら、もともとライブでも演奏しているし、MVもあったのですね。ポップスです。超良いポップスです。colormalの楽曲は、簡単には消費されないような強度を感じます。
そういえばギターソロが最近何かと話題になっていますが、めちゃくちゃ良いギターソロだなと思いました。
Daoko / 燐光
このイベントで印象的に残ったことの一つに、Daokoは100万人レベルのリスナーがいるということでした。そんなにいるのかとびっくりしましたが、確かにSpotifyを観たらその通りでした。一番聴かれているのは打上花火であることも踏まえると色々考えることがありそうですが、当時の流れとは違った路線を追求する最近のDaokoの楽曲はめちゃくちゃ面白いです。冒頭から水の中のような音の質感が耳を引きますが、作曲・編曲が網守将平とのことで超納得です。このメインストリームとは一線を画した音の鳴らし方と、Daokoの唯一無二のポップネスのあるボーカルが合わさるとこういう音楽になるのですね。めちゃくちゃ面白いです。
そういえば、DaokoとYohji Igarashiの対談に、今のDaokoのモードが表れていて、この曲と合わせて読むと面白いと思います。（写真が全部めっちゃ良い、、、）
ヒップホップはポップになり得るか？
私は全く見れなかったのですが、POP YOURS盛り上がっていましたね。そもそも主催はスペースシャワーネットワークであることを今更知って、そこまで気合が入っていたのかと思いましたが、"2日間合計で約16000人の観客が動員され、またYouTubeの生配信は約18万人が楽しんだ"とのことで、この物量を見るだけでも、自分が思っていたよりも、日本の音楽シーンにおけるターニングポイントになる予感がしています。
そして、つやちゃんのレポートはやはり文章が素晴らしいわけですが、こう考えると、"ヒップホップはポップになり得るか？"という問いは、2022年の音楽シーンにおいて、最も重要な問いの一つとなっていると思います。この先、この問いがどのように解釈され、どのようにアウトプットされていくのか、非常に楽しみですね。
自分自身はこの問いをヒップホップの側から考えられるほどの知見はないので、まだ馴染みのあるポップの側から捉えがちなのですが、そう考えると、そういえば今週はtofubeatsのニューアルバム『REFLECTION』のオンラインリリースパーティもありました。
"ヒップホップ"と"ポップ"を並べて考えた時に、tofubeatsがこれまでやってきたこと、そして今やっていることの重要性は再確認したほうが良い気がします。まぁそんなことどうでもいいぐらいに、ライブは素晴らしかったですし、意図的なオチ、そして偶然生まれたオチも、くすっと笑えるピースフルな時間であることが、最も重要だと思いますが。
もう一つだけ触れておきます。
毎週楽しい音楽談義で、こういう音楽話本当に良いよなぁと思うのですが、ここで紹介されていたYoung Keeがめちゃくちゃ良いです。初めて知りました。
良い意味で、過去の素晴らしいシンガーを想起させるような、人懐っこいボーカルだなと一聴して思ったのですが、その中にもこのアーティスト自身の色はありますし、現行のシーンを意識したような音作りやラップも垣間見えます。明らかにメインストリームに刺さりうるアーティストだと思いますが、こういうアーティストにも自然とヒップホップ的要素が沁み込んでいるさまを見るにつけても、"ヒップホップはポップになり得るか？"という問いの射程の広さと重要性を感じます。
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