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一枚の写真から全てが始まった

あれは何年前だっただろうか。

当時はただ暇さえあれば2ちゃんねるのまとめを見ていた時期だったような気がする。何か面白い話はないかと、小一時間スマホとにらめっこをしていた。ただひたすらに時間を浪費していたのだった。

当時は「旅行」というものにあまり興味がなかった。あまりバイトをしていなかったのでお金も全くなく、少額の稼いだお金も夜な夜な遊ぶのに消えていった。
何もない日は外に出る気力もなかった。せっかく何もない日なのになんで外に出ないといけないんだと言わんばかりだった。しかもお金を払って。

旅行なんていうものは好きな女の子とデートをするときにしかしなかった。

その日もいつもと同じように2ちゃんねるのまとめを見ていた。ふと開いたスレッドの中の写真に目を奪われた。「青春18きっぷ」の写真だった。

田園風景を列車が走っている、ただそれだけの写真だったが、僕はその写真に妙に引き込まれた。綺麗という異常にどうしても旅に出たいという気持ちが湧いてきた。この未知のものに触れてみたいというワクワク感が僕の心の中に巣を作った。

すぐスレッドを閉じ、「青春18きっぷ」のチケットを買いに駅まで自転車を飛ばした。その熱が冷めてしまったらもう旅に出ることはない気がした。どんなことでもいいから前に踏み出したかった。

20分くらい自転車を漕いで最寄りの駅に着いた。すぐに自転車を停め窓口に走った。窓口に着くと直ぐに青春18きっぷはありますかと駅員さんに尋ねてみた。すると意外な返事が返ってきた。

「青春18切符はこの駅では販売しておりません。」

切符と名がついているものはどの駅でも買えるものだと思っていたので驚きを隠せなかった。その駅員は続けた。

「この辺りだと、◯◯駅で販売しています。」

どうやらここから2駅先の駅で買うことができるらしい。事前の下調べをしなかったことが仇となってしまった。

青春18きっぷではなく普通の切符を買い、電車に乗り切符が販売されている駅へ向かう。その駅までは片道20分くらいしかかからないが、そのたった20分がとても楽しかった。その電車から景色を眺めているだけで楽しかった。いつも見ている風景とは全く違って見えたことが僕にとっては新鮮だったのだ。

外の景色を楽しんでいると、アナウンスが流れた。もうすぐ目的の駅に到着するらしい。急いで降りる準備をする。

初めて降りる駅だった。駅の構造もわからないので、どこで切符を買えるかすらわからなかった。とりあえず出口に向かえば何かわかるかもしれないと思い、出口へ向かった。

階段を上り、改札を出る。この駅も改札に駅員さんがいたので販売場所を聞いてみる。

「あ、それなら西口にいけばいいですよ!」

丁寧にこの改札から西口までの行き方まで説明してくれた。どうやら僕は反対側に出てしまったらしい。やっちまったと思ったがこれも一興だ。気を取り直して説明された通りに進んでいく。

5分くらい歩いてようやく西口に着いた。着くとすぐ目的のJRツアーズの支店が目に飛び込んできた。最寄り駅からここまで時間にしては30分ほどしか経っていないが、それ以上に時間がかかったような気がしたが無事着いてよかった。

店員さんに声をかけ、お金を払い、やっと旅に出る準備が整った。

ここから僕の青春18きっぷの旅が始まりました。

旅に全く興味を持たなかった自分を旅の世界に引き込んでくれたのはたった一枚の写真でした。あの日、あの写真と出会わなかったら僕は旅をしていなかったと思います。それほど衝撃を受けた写真でした。

あの熱が冷める前に家を飛び出した自分を褒めたい。飛び出していなかったら、あのままずっと時間を浪費していたと思います。

コロナの外出自粛が解けたら、日本一周をしようと計画をしています。とにかく旅に出たい、仕事も何もかもほっぽりだして自分と向き合う旅がしたい。

そんなことを最近考えているので振り返りも兼ねて旅の始まりについて書いてみました。



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自分にとっての「生きる」ということを伝えていきます。服、神社、旅行と写真が好き。
コメント (1)
なんかこれ読んだら少し元気になりました。
知らない場所に行くときの胸の高鳴りを思い出しました。これからの創作も楽しみにしてます。
いきなりのコメント失礼しました…
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